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V.私たちをとりまく情勢の特徴


1.はじめに

 同時多発テロとアフガン戦争、そしてこれに続きイラクでの戦争勃発の危機が、ブッシュ政権の先制攻撃戦略の下で現実のものとなっています。こうした情勢に、全世界から広範な反戦運動が展開されるなかで、国連安保理決議1441が生み出され、国連の枠組みの中での平和的な解決がなしうるか緊迫した状況が続いています。
 憲法第9条を持つ国の国民として、イージス艦の派遣などアメリカの戦争政策に、きっぱりと決別することを、小泉内閣に求めるものです。21世紀を戦争の世紀としないために、働くものの繁栄の世紀にするために、全世界の平和を求める声に呼応し、労働者、そして労働運動の分野でも力を発揮していくことが求められています。


2.国民生活を圧迫する国政

(1)小泉内閣の「構造改革」路線の断行により、日本の経済、国民生活は益々圧迫され危機を加速させています。
 「構造改革」路線の主要な柱である「不良債権」の処理は、「構造改革」第2弾によりさらに加速され、主要銀行による貸し渋りや貸し剥がしなどにより企業倒産やリストラ、大量失業が生み出されています。それに加えて、もう一つの柱である社会保障制度の改悪が昨年の健康保険の3割本人負担や高齢者医療制度など制度改悪に加え、年金受給額の引き下げ雇用保険の失業給付日数や額の引き下げなどが来年度政府予算案に盛り込まれ強行されようとし、「痛みを伴う改革」といわれた「国民の痛みが本格化」(東京新聞)しようとしています。
 そして、「構造改革」による経済の再生という小泉内閣の主張触れ込みとは逆に、「構造改革」路線は個人消費を萎縮させ日本経済そのものを崩壊させていくものとなっています。
 こうした小泉内閣の動向に対して、この内閣の支持基盤であったと思われる層からも多くの反対の動きが顕著になっています。例えば医療費改悪問題については、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会が共同声明を出し、既に国会で可決された医療費の3割本人負担を凍結する運動を開始しました。そして、今通常国会で野党4党が共同で阻止法案を提出する動きに繋がっています。
 昨年の暮れ以来、小泉内閣は大きく支持率を減らしていますが、このことは小泉内閣の経済再生のための政策の空虚さとともに、「構造改革」路線そのものが国民生活との矛盾を深め、自らの支持基盤を突き崩していることを示していると言えます。

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