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≪妥結にあたっての都庁職の見解と態度≫
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1. |
今次確定闘争は、東京都人事委員会が小泉構造改革路線による総人件費削減、給与適正化策の下、人事院に追随する給与改定を見送る報告を行うとともに、公務員制度改革を先取りした人事給与制度の全般的な改悪の方向を打ち出す中での闘いでした。
都労連は、公民較差の是正や「本人開示や苦情処理システムの導入」など人事考課制度の改善を含め都労連諸要求の実現を求め闘いました。しかし、都側が都労連要求にまともに応えないばかりか、労使合意を踏みにじり「7級格付や高齢職員の普通昇給停止年齢の引き下げに伴う経過措置」について廃止提案をし、また、「引き続き協議事項」である「永年勤続表彰時特昇」について廃止提案を行うという厳しい闘いとなりました。とりわけ「7級格付や高齢職員の昇給停止年齢の引き下げに伴う経過措置」については、都議会サイドの労使交渉に対する介入の危険性も指摘され、労使自主解決を図らなければならない闘いでした。 |
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2. |
公民較差の是正の要求では、都側の「人事委員会の報告の重みを尊重する」という姿勢を翻させることができず不満な結果となりました。対都闘争とともに、人事院・人事委員会への闘いをさらに強めていく必要があります。
懸案であった人事考課制度の改善については、「本人開示」について平成16年度評定結果から、開示対象者、開示範囲について拡大するとともに、平成18年度を目途に開示対象者を全職員に拡大することをめざすとして段階的ではありますが、決断させました。また、「苦情処理システムの導入」についても、平成16年度定期評定結果から、評定結果に係る苦情相談制度を創設するとともに、職員団体の関与について一定の事実上の対応は許容するという形で、事実上労働組合の関与を勝ち取ることができ、2カ年に亘る人事考課制度検討会の取り組みを一定結実させることができました。東京都の人事考課制度に対する職場の不信への対応や、この間の普通昇給の延伸告知及び再任用・再雇用の不採用問題などに対し取り組みを進めるための制度的な足がかりができたという意味で貴重な到達点です。
一方、都側が導入に固執した「7級格付の廃止」については、「引き続き協議」として送らせましたが、「高齢職員の普通昇給停止年齢の引き下げに伴う経過措置」については、来年度本則化という事実上の廃止提案を平成19年度本則化に押し返したものの、都側の不当な態度によって事実上の交渉時間が極めて少ない中で、議会の介入を防ぎ自主解決するという立場から見直しを受け入れざるを得ない苦渋の結果となりました。また、永年勤続表彰時特昇については何らかの措置を行うものの、廃止という厳しい結果となりました。
都側が一連の改悪提案に固執した背景には、公務員制度改悪や人事院・人事委員会報告での人事給与制度の全般的改悪に道を開こうとすることにあり、この攻撃に対する闘いを直ちに準備し展開していく必要があります。
また、福祉関連要求、島嶼要求など他の都労連諸要求については、前進をみることができず、極めて不満ながら、引き続く課題となりました。こうした中で結婚休暇の取得要件の緩和を実現できたことは成果といえます。
全体として、私たちの要求から見れば厳しい到達状況ですが、都労連に結集し、都庁職として職場から総力をあげて闘った到達点であり、かつ、今回解決し、労使合意を行うことにより都議会への対応も含め、この到達点を確保していく必要があります。
こうした点から、都庁職は、都労連から求められた確定闘争に関わる妥結の批准を本部委員会に提案するものです。 |
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3. |
今次確定闘争の中でも都労連は、都側の提案や都労連の要求など交渉の推移が可能な限り各単組にわかるように都労連としての努力が行われました。都庁職としても、これを受けとめ拡闘、書記長会議、組織部長会議などできる限りの対応を取り、各支部に状況の報告を行い、全体で闘う体制をつくる努力を行いました。
都側が「都労連から要求を受けていることについても真摯に受け止め、結論が得られるように検討している」と表明しつつも、交渉期限ぎりぎりまでその検討結果を示そうとはしない頑なな態度により、不十分となったことは否めませんが、今後努力を重ねていく課題としてとらえ、都庁職は、引き続き組合員の労働条件確保、諸要求実現をめざし奮闘する決意を表明するものです。 |