TOPページ>>都庁職の方針と見解等>>第二次都庁改革アクションプランに対する都庁職の見解と態度

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4、都庁職の見解

(1)第二次財政再建プランによる3年間で4000名の職員定数削減計画に加えて、この「第二次プラン」は大幅で広範囲に渡る組織統廃合や監理団体の再編等を、短期間で具体化しようとしていますが、これは、これまで進められてきた都政リストラを更に進めるというだけでなく、今後の都庁の役割や業務の性格を大きく変化させかねない規模と内容を持ったものであると判断せざるを得ません。
 すなわち、地域住民の生活を守り福利向上を図るという地方自治体の本来の役割を放棄し、営利追求を目的とする民間企業に公有財産や都政の多くの分野を委ねる道を開くという許し難い内容を持っています。
(2)組織統廃合は、都市計画局と住宅局と建設局の市街地整備部門の統合、福祉局と健康局の統合をはじめ、既に明らかにされてきた都立病院・保健所の統廃合、福祉施設の統廃合・民間委譲は勿論のこと、全局のあらゆる組織が見直しの対象となるなど極めて大規模なものです。
 これは仕事の変化や必要性というより、組織縮小を自己目的化した「小さな政府」論に基づく強引なやり方と言わざるを得ません。日本はイギリス・フランス・ドイツ・アメリカなどと比較しても人口当たりの公務員数は極めて少ないという事実に蓋をして公務員削減を進める「小泉構造改革」路線のお先棒を担ぐこうしたやり方は、組織混乱のみならず、福祉・医療・教育・住宅・中小企業農林水産業振興等、都民施策の大幅な後退につながるものです。
(3)今回の「第二次プラン」では、これまでの一般的な民営化・民間委託拡大といった手法に留まらず、IT利用拡大、一連の事務の一部を切り取って民間会社に委ねるアウトソーシング、PFI事業の拡大(8事業)、地方独立行政法人の適用、公的施設に企業の名前を付けさせることで民間資金を呼び込むネーミングライツ(例・味の素スタジアム)、指定管理者制度の導入など、ありとあらゆる行革手法・NPM(ニューパブリックマネージメント)を満載した内容になっています。
 こうしたやり方は、都が業務の一部を民間にまかせるといったレベルを超えて、中長期的には、公有地や公的施設を提供して民間企業に仕事の機会を与えるという性格が強いものです。つまり便宜を与えて自由に民間企業が業務を進めれば、公平・公正・低価格といった公的な役割と施設の性格そのものを変質させてしまうに違いないからです。これは都政の変質につながるものと判断せざるを得ません
(4)先日H2Aロケットの打ち上げが失敗しましたが、推進する宇宙航空研究開発機構は、10月に関係3機関が統合したばかりでした。事故の背景に統合が影を落としている可能性があります。また、今回のロケット事故や原子力発電・JRでの事故多発と後始末の遅れの背景に、下請け頼みであったり、ITシステムに依存しているといった仕事の弊害や「わからなければかまわない」「損することはやらない」といった民間の論理(コスト感覚)がチラついています。
 仕事では、部分を集めれば全体になるということはあり得ません。部分間の有機的なつながり抜きには仕事は機能しないのです。組織統廃合や民間委託化、アウトソーシング、IT化等を無原則に都庁組織に持ち込み、コスト意識を強調する「第二次プラン」こそ、都庁の仕事を壊していくプランだと言わざるを得ません。
(5)監理団体改革については、「旧プラン」では別途「監理団体改革実施計画」が公表されましたが、今回は「第二次プラン」の中に個別の団体の方向性も含めて示しています。しかし、内容については統廃合や指定管理者制度の導入による競争原理の持ち込みなど、従来にも増して厳しい内容が盛り込まれており、これまでと同様、監理団体固有職員の雇用や賃金労働条件を直撃する可能性が高く極めて大きな問題です。
(6)11月25日、NHKを通じて「第二次プラン」の主要な内容が公表されました。また、4大紙では無かったものの、共同通信の配信を受けた神奈川新聞や埼玉新聞でも記事になりました。庁内には一切説明のない段階でこうしたことが度々行われることは理解しがたいことです。しかし、今後の都庁組織に大きな影響を与える「第二次プラン」のような重大な内容については、発表まで一切の動きをオープンにしてこなかったこと自体が問題です。中間のまとめで職員と都民に意見を求めていますが、肝心の庁内での議論が全く見えません。国の省庁でさえ、違いも含めて考え方をオープンにしながら調整を図って進めていることと比較しても閉鎖的であることは明らかです。
(7)中間のまとめに対する「見解と態度」でも明らかにしましたが、財務局を中心とした「第二次財政再建推進プラン」と今回の「第二次プラン」については、関係整理はされていますが、ネーミングも類似していて同様の記載内容も多く、東京都のプランとしての整合性や明確さを明らかに欠いています。また、「第二次プラン」の考え方のなかでも、「改革の方向」「改革の視点」「改革の柱」「重点テーマ」という似たような項目が並んで示され、そこに記載された内容は互いに差し替えても何ら矛盾がありません。内容の当否以前に、組織内の混乱を象徴する文書のわかりにくさは改めるべきです。
(8)首を傾げざるを得ないのは「風土改革」です。都庁を改革するためには組織風土を変えなければならないということのようですが、民間委託や出先事業所の統廃合を押し進め、現場を切り捨てておきながら「現地現場主義」を主張し、口を開けば民間といい、公の施設まで指定管理者制度を導入し民間に自らの職場を差し出せと主張しているのに、「公の幸福追求を自らの使命とする都庁スピリット」を持てといい、都財政についてネガティブなキャンペーン(一方的な財政危機論)を繰り返して職員を萎縮させ、賃金労働条件を切り下げて意欲を下げ続けているのに、「改革意識の高い職場」「モラールの高い職場」を望むというのですから理解に苦しみます。現状に蓋をして、どこかから借り物の論理を拾ってきて職員に教訓をたれる姿勢は許し難いものです。

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