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「『途半ばにある財政再建』―第二次財政再建推進プランの

策定に向けて」に対する都庁職の見解と態度

2003年7月3日
        第34回都庁職執行委員会

1、 はじめに 

 6月18日、財務局は「途半ばにある財政再建」を公表しました。例年この時期には同様の文書が公表されて、都財政の状況を明らかにしてきましたが、今年度は石原都政2期を迎えて、副題にもあるように「第二次財政再建推進プランの策定」を視野に入れた内容であり、従来以上に注目せざるを得ません。
 1999年6月、財務局は「危機に直面した東京の財政」を公表したあと、7月29日の副知事依命通達と同時に「財政再建推進プラン」を公表しています。この「財政再建推進プラン」は、その後4年間の職員定数5000名削減方針や給与カットや諸経費削減、監理団体への財政支出削減、徴税努力、外形標準課税導入など都政リストラ策の集大成であり、職員を締め付け、都民に痛みを与える役割を果たしてきました。
 こうした経緯をふまえて、都庁職は見解と態度を明らかにします。

2、「途半ばにある財政再建」の内容

 財務局は、内部的には「途半ばにある財政再建」を出すとともに、プレス発表では、「新しい時代を拓く強固な財政基盤の確立を!」と題して、これまでの財政再建で東京都は全国に先んじて改革(職員給与の臨時的削減・職員定数削減・起債依存度抑制等)を行ってきたこと、先進的な施策展開(ディーゼル車規制・認証保育所・ER・都立高校改革・ラッピングバス等)を図ってきたことを前面に押し出しています
 「途半ばにある財政再建」本体は、1.財政再建推進プランのこれまでの取組、2.都財政の現状と課題、3.今後の収支見通し、4.財政再建の達成を目指す取組、5.地方税財政制度改革、の5章から構成されていますが、それ以外に「補助金に関する調査結果」が別紙として付けられています。
(1)財政再建推進プランのこれまでの取組
 ここでは、「財政再建推進プラン」は成果を上げてきたが、都財政再建は途半ばで財政再建団体転落の危機は去っていない、更に取組を継続しようという主旨で、平成15年度予算において、職員給与の臨時的削減(185億円)・減債基金積立の一部見送り(696億円)中央市場会計からの借入金の返済繰延(400億円)など、合計約2500億円の財源対策が必要であったことを強調しています。しかし、真剣に4年間の総括を行ったものとは見えません。
(2)都財政の現状と課題
 ここでは、@歳入(都税収入)と歳出のギャップが依然として大きいこと(バブル時で2.9兆円だったものが今年度1.8兆円になったが、同様の税収だったS62年度では1.1兆円だった)、A今後大幅な税収の伸びは期待できないこと。原因の一つとして政府の税制改正による減収を示しています。B更に、都税収入の中でも法定で区市町村に支払わなければならない税連動経費を差し引いた「実質的な都税収入」(可処分所得)はS62年度より3965億円減っていることを示し、C次に、高止まりを続ける経常経費ということで、給与関係費のなかでも退職に伴う退職手当の増加と、733事業にのぼる市町村などに対する補助金の負担、公営企業会計(病院・市場・交通・上下水道)への支出金にふれ、D構造的な歳出増要因(社会資本の老朽化、高齢化)にも焦点を当てています。


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