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T. はじめに
10月17日東京都は、第二次財政再建推進プランを発表した。
第二期石原都政は、来年度の予算編成にあたっての「都政の構造改革の視点と方向」の副知事依命通達で明らかなように、新たな「都政の構造改革」の名による「都政リストラ」を推進しようとしている。 この新たな「構造改革」路線は、「都市再生」事業を中心とした大型公共事業を推進する一方で、生活・福祉・医療・教育などあらゆる分野にわたってリストラを強行し、「市場原理」「規制緩和」の観点で「構造改革」を押し進めようとするものである。
「第二次財政再建推進プラン」は、これまで財政再建に全力を挙げてきたが、これまでの取り組みにもかかわらず、「財政再建は未だ途半ば」と位置づけ、「新たな都民二一ズに応え、東京の活力を呼び戻す先進的な取り組みを進めていくためには、一日も早く都財政の構造を改革し、強固で弾力的な財政体質を確立しなければならない」とし、量と質の面で財政構造を改革するために作成したとしている。
加えて、「第二次財政再建推進プラン」は、中間のまとめ段階での3つの視点(@最少のコストで最大のサービスを目指すA時代変化に即して都の施策の範囲及び水準を見直すB国のしくみを変える)にもとづき肉付けが行われており、策定に向けての補助金の調査に加えて、付表として30項目におよぶ具体的な事業・制度の検討素材を提起している。
都庁職は、発表を受けて、都民本位の都政の確立めざす立場からあらためて都庁職の見解と態度を明らかにし、現在たたかわれている賃金確定闘争、来年度の予算・人員要求闘争などと結合し、職場から総力をあげた闘いを進めるものである。
U.「第二次財政再建推進プラン」の概要
1.都財政の現状と今後の収支見通し
@ 都財政の現状については、これまでも「財政再建推進プラン」に基づき、取り組んできたが、15年度予算では2,500億円もの臨時的な財源対策を余儀なくされ、14年度普通会計決算においても5年連続となる実質赤字を記録し、経常収支比率も96.9%に悪化している上、1兆円にも上る「隠れ借金」も残されたままとなっているとしている。
A 経済は、先行きは極めて不透明であり、今後とも大幅な税収の増加を期待することは難しく、都税については、15年度予算の税収をベースに、今後の伸びをゼロとし、改めて収支見通しを精査するとしている。
B この結果、財政再建の方策を何ら講じない場合には、16年度4,100億円、17年度3,500億円、18年度3,700億円の財源不足が生じることを想定している。
2.財政再建の基本的考え方
(1) 財政再建の目的及び基本的視点
@ 新たな都民二一ズに応え、東京の活力を呼び戻し先進的な取り組みを進めていくため、財源不足を解消、強固で弾力的な財政体質を確立するとし、内部努力の徹底、既存の施策の見直し、財源の確保が必要としている。
A 都税収入の大幅な伸びが見込めないもとで、財政構造を改革して身の丈にあった財政規模を実現、中長期的にも安定的に行政サービスの提供、持続可能な財政を確保のため、本プランの計画期間にとどまることなく「都政の構造改革の視点と方向」に基づき、中長期的にも改革をめざすとしている。
(2) 計画期間及び目標
平成16年度から18年度までの3か年で、18年度までに巨額の財源不足を解消し、かつ18年度までに経常収支比率を90%以下の水準に引き下げるとしている。
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