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東京都人事委員会勧告に対する都庁職見解

2005年10月14日
都庁職執行委員会

 10月14日、東京都人事委員会は知事及び都議会に対し、国を上回る2年ぶりの月例給のマイナスと併せ「給与構造見直し」を伴う勧告を行った。
 公民較差により月例給は△3、681円(0・85%)とされたが、これは国の△1、389円(0・36%)を大きく上回るものである。また、一時金は国と同様0・05月の微増とされ、勤勉手当に組み込むとした。
 給与改定について、扶養手当を△1、000円引き下げ14、500円とすると共に、給料表全ての級・号級で引き下げるが若年層の引き下げを抑制し、高齢層の引き下げを強めるとして△0・1%〜△1・9%(平均△0・8%)引き下げるとした。これは、国が全ての級で0・3%引き下げたことと大きく異なる点である。また、マイナス較差分について一時金による「所要の調整」の必要性を強調した。

 「給与構造見直し」について、最大の焦点の一つであった給料と「地域手当」(現行調整手当)の配分に関しては、従来どおりの取扱いとし、引き続き慎重に検討していく必要があるとした。その他の「見直し」は、(1)級構成は、1・2級を統合し9級制とする、(2)能力・業績をよりきめ細かく反映するため「号級を4分割」、級間の重複の減少のため必要性の乏しい「初号付近のカット」、(3)昇給制度は、「普通・特別昇給の見直し」、「昇給期は年1回4月1日」、「枠外昇給の廃止」及び「号級増設」、年齢による「一律昇給停止の廃止」、(4)昇格時の号給決定方式は一定額加算、とした。これらの一連の「見直し」は、7月の時点から明らかにされていた「検討状況」を踏まえ、且つ、国の勧告内容を踏襲するものである。
 また、「給与水準の見直し」として、若年層の引き下げを抑制し、高齢層の引き下げを強める「昇給カーブのフラット化」を打ち出す一方で、管理職の職責が重大であるが、一般職と給与水準が重なっているとして「7級の引き下げを抑制」するとした。さらに、教員給与は、基本的に行政職給料表(一)に準拠し改訂するとした。
 加えて「人事制度に関する意見」では、(1)高学歴者の採用方法の検討、(2)主任級職の選考方法を早期に見直し、(3)管理職選考の受験しやすい仕組みと、より適切な能力実証、を掲げている。これと併せ、(4)人事考課制度の信頼性の確保として、昇給制度の見直しにより評価の信頼性の向上が求められるため、現行制度の検証と更なる改善が肝要、とした。
 この他に、「勤務環境の整備等」として、次世代育成支援プランの積極的取組、勤務形態の多様化の検討、超過勤務の縮減、メンタルヘルス対策、福利厚生、服務規律について言及した。

 都庁職は、昨年の国及び都の勧告(報告)で「給与構造の見直し」が喧伝されて以降、都労連に結集し、人事委員会に対する取り組みを強化してきた。3月から9月末までの他単組を含む要請行動は19回に及んだ。全組合員署名も、緊急署名として5月の段階で取り組み、8月には職場決議を集約し人事委員会並びに都当局に対して要請及び交渉を積み重ねてきた。
 しかし、人事委員会は7月7日に都労連及び都当局に対し「検討状況」の説明を行い、この段階で人事院において「措置案」とされていた「給与構造の見直し」を踏襲する方向性を示した。都当局はこれを重く受けとめるとして7月26日に「人事制度の見直しの基本方向」を示し、人事院及び都人事委員会に連動した見直しを行うことを明らかにした。

 勧告は公民較差を△0・85%としたが、いかなる指標で導き出されたものか不明である。勧告の資料では、昨年6月時点で全国を100とした民間の賃金指数について東京は120・2としている。今年の春闘結果も、春闘共闘2・04%・連合1・68%等の賃上げ率であり、これらは全く顧みられていない。また、若年層を抑制し高齢層の引き下げを強める「昇給カーブのフラット化」を、今年度から実施するとしている。これは、来年度から実施するとした国の改悪水準を上回るものであり、所要の調整とともに容認しがたいものである。最大△1・9%の給与水準の引き下げは、国における高齢層への給与水準引き下げ加算△2%に匹敵する。人事委員会はこの間の都労連・都庁職の要請に対し、「精確な調査結果」によるとしてきたが、政府・財界が推進する総人件費削減政策に則った政治的勧告と言わざるを得ない。
 一方で、「給与構造見直し」について、給与と地域手当と調整手当の配分について給与水準そのものを引き下げることに関し引き続き検討とし、今回の「見直し」では断念した。都労連・都庁職は昨年の公民較差の是正と併せ、調整手当の本俸繰入をねばり強く要請してきたが、さすがに根拠も説明もつかない東北・北海道ブロックの民間賃金水準に合わせた給与水準の引き下げには踏み切れなかったものと考えられる。また、号給4分割、枠外昇給廃止等は、いずれも年功制を否定し、公務における「成果主義」の強化であり、都において一貫して職員・組合員の75%が廃止や改善を求めている「能力・業績主義」を一方的に後押しするものである。今後「評価制度」を導入する国の勧告が「職員団体との協議」に触れているのに対し、任命権者に現行の人事考課制度の検証と改善を求めるだけに止まった。人事考課制度は、正に賃金・労働条件そのものであり、労使協議事項にあたる。一方的な制度改善となれば更なる矛盾の拡大につながり、一層のモラールダウンを招くこととなる。制度の根幹に職員の意見が反映されないとなれば、次世代育成やメンタルヘルス対策、超勤縮減に言及しても、公平・納得・透明性で疑念の残る人事考課制度の前に全て画餅に帰すこととなる。この点は、当局に一方的に与するものであり、断じて容認できない。日経連が95年に「新時代の日本的経営」を打ち出して以降、成果主義を中心として、生計費原則を度外視し、また世代間や家族構成も切り離した賃金体系の構築が政府・財界により推進されてきた。今回の勧告内容はこの流れを一層加速させるものであり、都人事委員会は総人件費削減に国・都当局とともに明確に踏み込んだものと断じられる。都庁職は、都職員の厳しい生活実態を見据え、人事委員会勧告の不当性を追求し、給与構造見直しの諸々の改悪を許さず、人事制度改善要求をはじめとする都労連諸要求実現に向け、05確定闘争を闘い抜くものである。





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