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国家の論理でなく
住民の視点での援助を

-- 平和のために自治体ができること --

水島朝穂(早稲田大学法学部教授)

 水島朝穂さんは、幼い頃、米兵に暴力を振るわれている人を助けようと警官を呼んだが、警官は何もしてくれなかったという経験を持っている。子ども心の悔しい思いは、国のあり方や平和について目をむける一歩となる。根拠のない戦争に自衛隊が「復興支援」という名で踏み込もうとしている。有事法制や国民保護法制が整い、進む先はいつかきた道なのか。平和を守るために自治体にできることは何なのか、水島さんに寄稿していただいた。

 
プロフィール
水島朝穂(みずしま・あさほ) 1953年、東京生まれ。早稲田大学法学部教授。法学博士。憲法、法政策論。著書多数。最新刊『同時代への直言』(高文研)。NHKラジオ第一放送「新聞を読んで」レギュラーhttp://www.asaho.com/

獣、汝にまさるべし

 「ことばもて、ひとは獣にまさる。されど、正しく話さざれば、獣、汝にまさるべし」。 9・11テロの直後、私は、『沖縄タイムス』(2001年10月6日)文化欄でブッシュ米大統領の言説を批判したが、その際、11世紀ペルシャの抒情詩人サーディー『ゴレスターン(薔薇園)』の一節を冒頭に置いた。
 世界がテロに怒り、米国への同情が集まったその時、ブッシュ大統領の口から繰り出された言葉の数々は、まさに「獣、汝にまさるべし」だった。「これは戦争だ」と叫び、アフガンへの攻撃を開始。国際法上許されない軍事報復(武力復仇)を行った。さらに「十字軍」、「限りなき正義」(同年9月25日までの作戦名)等々。特に「限りなき正義」がアラーの神を意味することから、イスラム世界から強い批判を浴び、異例の作戦名変更につながった。「味方にできなくてもいいから、敵にしない」の逆をいく、「味方のなかからも敵をつくる」愚行であった。「獣、汝にまさるべし」という言葉づかいでは、東京都のトップもひけをとらないが、ブッシュは米軍の最高司令官であり、言葉の暴力だけにとどまらないところがやっかいである。アフガンに続いて、ついに国連創設時の51カ国のひとつであるイラクに矛先を向けた。

「復興支援」は米国軍占領統治に対する支援

 2003年3月20日、世界の世論に抗して、ブッシュ政権は国際法違反の対イラク武力行使を開始した。「法による平和」を破壊する暴挙であった。5月1日、ブッシュは「戦闘終結宣言」を行ったが、未だにイラクは戦争状態にある。そのような場所に自衛隊を派遣する基本計画が、12月8日(62年前と同じ月曜日)を避けて、翌9日に閣議決定された。「イラク復興支援」というが、その本質は、国際法違反の戦争の結果生まれた米軍占領統治に対する支援である。フセイン政権の生き残りによる抵抗も激しさを増し、アルカイダもイラクに集結中といわれる。62年前の12月、「米英軍と戦闘状態に入れり」となったこの国は、自衛隊派兵により、今度は「米英軍とともに戦闘状態に入れり」となるのか。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」(憲法前文第一段)た以上、中央政府に戦争をさせてはならない。平和や安全保障の問題は国=中央政府の専権事項ではない。グローバル化した世界のもとでは、自治体や市民が平和や安全保障の問題にコミットする可能性はむしろ増大している。

 

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