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都庁職の方針と見解等
>>2006賃金闘争の妥結に関わる都庁職の見解と態度について
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2006賃金闘争の妥結に関わる
都庁職の見解と態度について
2006年 11月 16日
都 庁 職 執 行 委 員 会
1.はじめに
公民比較企業規模の見直し問題は、総務省の「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」や人事院の「官民給与の比較方法のあり方に関する研究会」、「骨太方針2006」に基づくものであり、私達の反対を押し切り政治的な不当な給与削減攻撃だといえます。
総務省の「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」は、3月27日に地方公務員の給与水準について、現在の「国家公務員の給与に準ずる」という考え方を見直し、各地域の民間給与をより反映すべきだとして、民間給与が著しく高い地域では、その地域の国家公務員の水準を目安にし、低い地域では、民間給与を的確に反映するため、人事委員会の給与実態調査の対象を従業員100人未満の企業に広げることを求める政治的圧力を色濃く反映した内容した報告書をまとめました。
また、政府は、7月7日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(「骨太方針2006」)を閣議決定しました。
「骨太方針2006」は、財政健全化を目指す「歳出・歳入一体改革」を重要な柱として、2007年度を「新たな挑戦の10年」の初年度と位置づけ、2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス:借金と元利払いを除く収支)を黒字化することを目標に、2011年度の財政収支黒字化に必要な財源として16兆5000億円が必要だとして、11兆4000億〜14兆3000億円の歳出を削減し、歳出削減で足りない部分(2〜5兆円)は、増税などの増収措置で穴埋めし、07年度予算から反映させるとしています。
歳出削減の内容は、特に地方公務員人件費について、国家公務員の改革に加え、民間給与水準への準拠の徹底、民間や国との比較の観点からの様々な批判に対する是正等の更なる削減努力を行うとしています。
人事院の「官民給与の比較方法のあり方に関する研究会」は、7月21日にこれまでの従業員100人以上から従業員50人以上の企業を対象に拡大した調査結果を、8月の人事院勧告に反映させるよう求める内容となっています。
このような情勢下取り組まれた2006年賃金確定闘争は、第1に小規模企業調査結果を勧告に反映させないこと、第2に東京の独自性を踏まえた地域手当の本給繰り入れること、第3に人事考課制度を労使協議事項とし、公平性・透明性・納得性を高めること、第4に職場の切実な声を結集した都労連要求を実現することでした。都庁職は、2006賃金闘争と時間内組合活動規制反対闘争、2007予算人員要求闘争を結合し取り組むことになりました。
2.2006年賃金闘争の主な経過について
(1)都労連は、3月9日に「2006年人事委員会勧告作業に関する要請書」を都人事委員会に提出し、4月26日に人事院に追随し「官民比較方法の見直し」を行わないようなど8点の申し入れを行いました。都人事委員会は、5月1日から6月16日の人事院との共同官民比較調査作業を前にして、「調査対象企業規模を、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所について調査する(昨年の995事業所から87事業所ふえ、1,082事業所になる)」との考えを明らかにしました。
都労連は、その結果を勧告作業に用いないことや6月の公民比較調査作業終了時を目途に、都人事委員会の見解と対応を明らかにするよう求めました。
5月26日、都労連は、「夏季一時金2.5ケ月分を6月30日までに支給すること、なお、支給にあたっては期末手当に一本し、6月16日までに回答すること」を要求し、夏季一時金要求の対都団体交渉を実施しました。その後、「夏季一時金要求実現、06年賃金闘争勝利、都労連第一波総決起集会」を実施しました。
都労連は、6月16日に団体交渉を実施し、夏季一時金要求に対する回答を得ました。都側は、「現行の条例・規則どおり、期末手当1.60月分、勤勉手当0.475月分、合計2.075月を、再任用職員については、期末手当0.75月分、勤勉手当0.275月分、合計1.025月を6月30日に支給する」と回答してきました。都労連は、不満な回答であるとししつも、現行方式での支給月数を確保しており、今日の情勢を踏まえ妥結に至りました。
(2)8月8日、人事院は「本年度一般職国家公務員の給与について、月例給と期末・勤勉手当(ボーナス)をともに据え置く」とする内容の勧告を内閣と国会に行いました。据え置き勧告は04年度以来2年ぶり(昨年度は月例給で0.36%の引き下げでした)。今年度から民間企業の比較調査対象をこれまでの従業員100人以上から、「50人以上」の小規模企業も対象に加えました。企業規模の見直しは、総務省の「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」や人事院の「官民給与の比較方法のあり方に関する研究会」、「骨太方針2006」に基づくものであり、私達の反対を押し切り政治的な不当な給与削減攻撃だといえます。
人事院の試算では、対象企業の規模の見直しをしなかった場合、月例給で1.12%(4252円)増、ボーナスも4.45カ月から4.50カ月に引き上げられ、平均年収で約9万円増であるとしています。また、財務省の試算では、国家公務員全体の人件費は約940億円の歳出減となり、地方公務員給与にも当てはめると約2,490億円の歳出削減効果があるとしています。
このほか少子化対策として、@3人目以降の子供の扶養手当を1,000円増額して6,000円に引き上げ、2人目までの手当と同額にする、A子供が小学校入学前まで、勤務時間を1日4時間などにできる短時間勤務制度などを来年度から実施するように求める勧告内容となっています。
その後、総務省は8月23日、人事院の2006年度国家公務員給与勧告を踏まえ、都道府県・政令市などに対して、従来の「100人以上」から「50人以上」へと引き下げるよう要請する通知を発しました。
都労連は、都人事委員会に対して、3月9日、4月26日、6月26日(対当局)、8月9日、9月7日に要請を行ってきました。
4月26日の要請行動では、人事院に追随し「官民比較方法の見直し」を行わないことなどの申し入れを都人事委員会に対して行いました。都人事委員会は、5月1日から6月16日の人事院との共同官民比較調査作業を前にして、「調査対象企業規模を、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の事業所について調査することを明らかにしました。
また、9月7日に行われた都労連の都人事委員会要請行動において、「@公民比較方法のあり方については、見直す方向で検討せざるを得ない。見直せば、厳しい結果となる。A地域手当は、国に準じた取扱いの方向で検討を進めざるを得ない。」などと一歩踏み込んだ人事院の政治的な勧告に追随し、総務省の指導・圧力に屈した「第三者機関」の責務を放棄した不当な回答を行ってきました。
都庁職も都労連と共に、都人事委員会に対して、3月14日、6月26日、8月11日、9月5日に要請を行ってきました。
都労連は、9月22日に各単組人事委員会及び総務局長要請行動(職場決議提出)を実施し、9月25日に再度都人事委員会要請を実施し、10月2日にも異例ではありましたが、:最終の都人事委員会要請を実施しました。その中で、都人事委員会は、@<公民比較方法見直し>50人以上でも公民比較の対象となり得る。比較対象を広くすることは、都民の理解と納得が得られる。下方にシフトすることは事実。「モノサシ・基準の中身」は、「同種・同等の者同士を比較するラシパイレス方式」と「対象となる民間企業の規模」の2つからなる。
A<地域手当>給与水準は民間準拠を基本とし、制度は公務の類似性から国と他団体との均衡をとるのが適当。国・他団体全てが同じ方法を採用し事情が変わった。12%の根拠がなくなる。都独自では、国公ラスや共済掛金など問題が生じる。現実的な選択が必要。「支給地域」=区部・多摩地域を一つの地域とする。「支給割合」=職員の多くが特別区内に勤務の実態踏まえる。「改定方法」=段階的に改定する。B<公民格差>月例給は昨年を下回るが、マイナスの公民格差、特別給は見送り、教員給与は都の行(一)との対応基本で検討。C<勧告日>昨年(10月14日)と同様の時期。などを回答してきました。
(3)10月13日、都人事委員会は、国人事院勧告に追随し、総務省の不当な圧力に屈して、中立・公平な第3者機関としての責務を放棄し、不当なマイナス勧告を行いました。
都人勧の内容は、「公民格差△1,357円、△0.31%」「一時金 据置」とするものとなっています。従来方式でいえば、4,179円(0.97%)増となっています。」2006春闘の民間妥結結果を全く無視し、「賃金水準は地場民間準拠、給与制度は国準拠」、「総人件費削減」「国を頂点とする格差賃金体系化」という総務省指導に屈服した内容であると言わざるを得ません。
公民比較方法を「従来の100人以上」から「50人以上」に小規模企業まで拡大し、都人事委員会は、「50人以上でも公民比較の対象となり得る。比較対象を広くすることは、都民の理解と納得が得られる。下方にシフトすることは事実。」と私達の賃金を引き下げることを明確に発言し、「不利益変更」になることを一切無視するなどの政治的な勧告であり、自らの役割と任務を金繰り放棄したものだといえます。
また、地域手当についても昨年「引き続き慎重に検討する。」としていましたが、国や他団体などの状況を踏まえ、「得策とは言えず、現実的選択を行う状況だ」として、地域手当を18%ととし、2010年度までの段階的な経過措置を導入する内容となっています。
わずか1年間しか検討しておらず、総務省の圧力に屈し、その主体性を放棄したものであり、昨年「昇給カーブのフラット化」を国に先行して実施し、退職手当の減った組合員も多くおり、まさに詐欺的な行為だといえます。
本給と地域手当の関係は、地域手当が増えれば、本給が減少し、退職手当や年金などに大きな影響が出てきます。本年は、本給を0.9%減らし、地域手当を1%上げるとしていますが、特に島しょに勤務する職員についていえば、本給水準の引き下げは、賃金引下げに直結し、特地・へき地手当に連動し、二重の賃金引下げになります。地域手当と特地・へき地手当の併給調整との矛盾も拡大し、都外施設で働く職員を含めた対応について明確に言及していないことは問題であると言わざるを得ません。
12日の都労連小委員会交渉後、都当局は専門委員会交渉において、「人事委員会勧告」「国準拠、総務省指導」の発言に終始し、従来であると「項目整理」に入る交渉の入り口で、交渉が前に進まない状況に陥れ、書記長と窓口とした事務折衝、拡大事務折衝、都労連3責任者の交渉を通して、10月20日、勤労部長は「誠意を持って交渉を進める姿勢の堅持、労使協議を尽くして解決を図る」「都労連委員長の発言を重く受け止め、都独自の対応策をもって進める。」ことなどの言及を受け(都の使用者責任の放棄、人事委員会勧告や国準拠・総務省指導に追随することを許さない交渉の土台を形成した)、委員長発言や都労連要求も含めて、都独自の対応策を示す責任を明確にさせたものと受け止め、交渉に入ることになりました。
10月23日に、専門委員会交渉が再開し、10月24日の小委員会交渉で「項目整理」を行い都当局は「退職手当見直し」を示唆し、10月25日の小委員会交渉において「退職手当見直し案」を提示してきました。
都労連は、10月25日の都労連単組代表者会議において、スト戦術を確認し、都庁職も10月26日の拡大闘争委員長会議で「ストライキ批准成立(81.77%)」を確認し闘争体制を確立してきました。10月25日の小委員会交渉では「退職手当見直し案」が提示されました。その内容は@支給水準の引き下げ(支給カーブのフラット化)A役職ごとのポイント方式の「調整額」創設し、主任以下、技能主任以下の職員は対象外とし退職前60月の合計ポイントを付加するというものとなっていました(地域手当18%を前提に単価3,800円としています)。10月26日専門委員会交渉、10月30日専門委員会交渉、10月31日小委員会交渉が行われ、@退職手当の見直しについて(案)、A地域手当の支給地域及び支給割合の見直しについて(案)、B休息時間・休憩時間の見直しについて(案)、C一般職員の勧奨退職制度等の見直しについて(案)、D再任用職員の給料の取扱いについて(案)などが提案されました。
都労連は、11月1日に一時金要求を提出し、11月2日専門委員会交渉、11月6日小委員会交渉、11月7日専門委員会交渉、11月8日専門委員会交渉、11月9日、人事給与制度に関する要請行動を実施しました。12日専門委員会、小委員会交渉、13日専門委員会、11月14日都労連常駐部による人・勤両部長要請、単組書記長による人・勤両部長要請、11月15日単組委員長による人・勤両部長要請、単組委員長による副知事要請を行い、都当局に対して交渉姿勢を改めるよう要請し、労使交渉・労使合意による解決を求ました。また、並行して、11月9日、14日早朝宣伝行動、11月10日総決起集会、11月15日前段行動、総決起集会を実施してきました。
副知事の「要請を受けてギリギリの判断をし、交渉責任者として総務局長に指示を出す」という回答を受けて、18時から都労連委員長と総務局長との会談が行われ、戦術委員会、単組代表者会議、都労連委員長と総務局長との会談などを重ねました。日付が変わり16日0時すぎから各単組委員長による緊急総務局長要請を実施し、総務局長は「副知事に要請内容を報告し、最終判断(回答)を示していきたい。」と回答しました。その後、都労連委員長と副知事、総務局長との会談が行われました。最終案が示され、都労連は、戦術会議、単組代表者会議を開催し、「不満な内容ではあるが、残された課題については今後の改善要求などの取り組みの中で対応していくこと」とし、ギリギリの到達点に達したと判断して「ストライキを中止し妥結する」ことを確認しました。都労連は専門委員会交渉、小委員交渉、団体交渉を実施し、各単組に「妥結批准」を求めました。
3.2006年賃金闘争の主な妥結内容(骨子)について
(1)2006年公民較差の取扱いについては、勧告どおり実施
@勧告給料表の2007(平成19)年1月1日適用。例月給の引き下げ及び所要の調整の実施。
A扶養手当の引き下げ(配偶者等)及び引上げ(3人目以降の子等)。
B給料の調整額、宿日直手当についてもベースダウンの見合いで引き下げ。
(2)地域手当
@支給地域と支給割合(・区部、多摩一律18%<2010年度までの段階的実施。今回13%>・島しょ地域は0%、都外公署は一律12%)
A異動保障(原則3年とし、任命権者が特に必要と認める場合は6年まで)
・島しょ地域(1年目=4割、2年目=4割、3年目=4割、6年目まで=4割)
・都外公署(1年目=10割、2年目=10割、3年目=10割、6年目まで=10割)
B新採特例の新設(・新規採用職員については、他の赴任職員との均衡の観点から特例措置を実施する。赴任後3年間)
C実施時期(2007<平成19>年1月1日)
D経過措置(・2008<平成20>年3月まで=制度周知、異動機会を付与するため、特地勤務手当に準ずる手当受給者及び都外公署に勤務する全職員について、猶予期間として現行水準を維持できるよう地域手当を支給。・2008年4月から地域手当本則化まで=異動保障の対象となる赴任後6年目までの職員については、段階的な地域手当の引き上げに応じて現行水準を維持できるよう地域手当を支給する。)
Eいわゆる地付職員については、特地勤務手当の支給額算定方法を見直す。算定基礎の1/2を2006(平成18)年12月31日時点のものにする。
(3)退職手当
@ポイント方式による「調整額」の創設(・ポイント対象:主任級職相当以上<5区分>、主任3ポイント、係長6ポイント、課長補佐10ポイント、統括課長・課長15ポイント、局次長・部長20ポイント、行(二)適用職員2級格付者2ポイント(2011<平成23>年度までの時限措置)、教員(大卒12年以上)3ポイント※2007年度までの教員の任用給与制度見直しに合わせ協議)
Aポイントの算定期間(退職前240月<20年>分)ただし、行(二)適用職員2級格付者は10年限度とする。(2011<平成23>年度までの時限措置)
B調整額単価(1,000円<地域手当18%時点>)
※13%=165円、14%=330円、15%=495円、16%=660円、17%=825円、18%=1,000円
C中ぶくれの是正(都現行と国現行のほぼ中間<最大2月>)
D除算割合(育児休業のうち、子が1歳に達した日の属する月までの除算割合を1/2から1/3に改善し、2007<平成19>年4月1日から実施)
E実施時期
2007(平成19)年4月1日(2007年1月1日から3月31日までの定年等退職者には現在額を保障。)
(4)勧奨退職制度等
@「準定年」、年度途中の「勧奨退職扱い」の廃止。
A年度末の「要綱による勧奨退職」は継続し、年度途中の勧奨退職は全て個別勧奨により実施。
B個別勧奨の適切な運用を図るため、必要な手続きを整備する。
(5)再任用・再雇用制度
@再任用職員の給料の取扱い(職務の級の決定)
行(二)2級格付者に対する特例措置を廃止し、2007(平成19)年4月1日新規採用者(更新者除く)から本則実施。
行(一)3級格付者に対する特例措置についても同様の取扱いとする。
A再雇用職員への子どもの看護休暇導入(・年3回<16日勤務>、年2回<13日勤務>、報酬額減額、・取得は原則1日単位で1時間取得も可、・専務的非常勤職員に対しても同様の措置とする。・実施は、2007<平成19>年4月1日からとする。)
B再任用・再雇用制度のあり方について、引き続き協議する。
(6)業務職給料表
@従来の作成方針により改定する。
A再任用については、従来どおり国準拠。
(7)宿日直手当
@年末年始にかかる加算額の見直し(年始に限度の上、1,000円に減額)。
A医師宿直の増額(15,300円⇒30,000円)
(8)休息時間・休憩時間
@本確定後速やかに解決できるよう引き続き協議。
(9)メーデー職免
@早期に結論が得られるよう引き続き協議。
(10)病気休暇・病気休職
@本確定後速やかに解決できるよう引き続き協議。
(11)休暇制度
@長期勤続休暇(派遣期間中に取得できなかった場合の救済措置)
A妊娠症状対応休暇(2回に分けて取得すること可)
Bボランティア休暇(時間単位の積上げ取得可。「地域における子どもの健全育成活動」を対象に追加。)
(12)昇給基準の見直し
@部分休業にかかる欠勤日数換算を改善する。
A8時間をもって1日とする取扱いを、育児休業同様に1/3とする。
B実施は、2008(平成20)年4月1日昇給にかかる判定期間からとする。
(13)福利厚生関連事業
@健康診断・健康管理(・前立腺がん検診の新設、・メタボリックシンドローム対策<健診項目の充実>・TAIMSを活用した健康管理システムの構築)
Aメンタルヘルス対策(・管理職に対する悉皆研修を実施<2007年度>・職場訪問指導の強化<専門相談体制の充実>・島しょ勤務職員のこころと身体の健康づくり⇒精神科医等が島しょを訪問し、講習会の開催等により健康づくりを支援)
Bその他(・勤労部掲示板の再編<TAIMS掲示板を活用した健康情報等の充実>)
4.都庁職としての見解と態度
(1)都庁職は、都労連指令に基づき早朝宣伝行動、ステッカー闘争、総決起集会、都人事委員会及び総務局長要請行動、要請署名行動を積極的に取り組み、単独にステッカー闘争、机上ビラ配布行動などを実施し、拡大闘争委員会、書記長会議、組織部長会議を開催し意志統一を図りつつ、時間内組合活動規制に反対する取り組みと合わせて組織の総力を挙げて闘い抜く闘争体制を構築して2006年賃金確定闘争を展開してきました。
都庁職は、時間内組合活動規制問題など組織としての生命線の問題もあり、2006年賃金確定闘争を率直に総括しつつ、引き続く2007年度予算人員要求闘争などの取り組みにその教訓と成果を反映していきたいと思います。
2006年賃金確定闘争は、改憲策動・「構造改革」路線などを強める安倍内閣や石原都知事が進める新自由主義的「小さな政府」論に基づく、公務員賃金切り下げ「総人件費削減」と、大増税施策、公務員「リストラ」など地方公務員組合敵視・解体攻撃が強まる中での取り組みとなりました。
(2)都当局は15日の最終段階に至っても、交渉姿勢を改めることなく「不当な5提案」などに固執するとともに都労連要求については全く応えない態度を続けてきました。都労連は労使交渉に基づく、労使合意による自主解決をめざして粘り強い交渉等を展開し、11月16日の1時間ストライキを背景とした最終段階の都労連交渉の結果、次のとおり都当局提案を一部分押し返す結果となっています。
@マイナス給与勧告、配偶者扶養手当1,000円引き下げ、地域手当の段階的引上げ、「所要の調整」の実施などを余儀なくされ、年末一時金に関しては条例どおり、12月8日支給という内容に止まりました。不当な公民比較方法の「見直し」攻撃に基づく政治的な都人事委員会勧告を糾弾するとともに、総務省の指導や人事院に追随した都当局の総人件費削減攻撃に対して満身の怒りを禁じえない結果となりました。
A「地域手当の支給地域及び支給割合の見直し」については、島しょ職員の取扱いや都外施設に働く仲間が対象外となっていましたが、異動保障や経過措置を設けることで一定の措置を講ずることができました。しかし長期在勤者への対応は、最後まで何らかの措置を求めましたが、特地勤務手当の算定方式の改善に止まり今後の課題となりました。
B「退職手当の見直し問題」については、主任級職相当以上、現業職員については2011年までの時限措置ですが2級格付者をポイント対象に加えることができましたが、全ての職員を対象とすることができず、ポイント較差も管理職層に厚いものとなっており「上厚下薄」という結果となりました。
また、ポイント算定期間も退職前20年(現業職員2級格付者は10年限度)になったものの長期主任層などでは20年間の算定期間を割るケースも出ることが予想され問題を残しました。「中ぶくれ」の是正についても、削減幅を最終段階で最大で4月削減から2月削減に圧縮させましたが大きく不満が残るものとなりました。
C「一般職員の勧奨退職制度等の見直し」については、都当局は「個別勧奨」を強く主張していましたが、年度末の「要綱による勧奨退職」を存続させことができました。「個別勧奨」については、一方的な肩たたきにならないよう制度上の協議に取り組む必要があります。
D「再任用職員の給料の取扱い」に関しては、更新者については、行政系及び現業系ともに適用除外とさせましたが、平成18年度末をもって廃止となりました。とりわけ現業系職員については、「現業系職員の給料水準、任用給与制度などについて、平成19年度の給与改定交渉期までに結論が得られるよう引き続き協議」という労使合意との関係で不満が残る結果となりました。
E「再雇用職員・非常勤職員への子どもの看護休暇導入」や、「長期勤続休暇」、「妊娠症状対応休暇」、「ボランティア休暇」など一定の改善が図られ、福祉関連要求、休暇制度に関して一定の前進が見られました。
F「休息時間・休憩時間の見直し」「病気休暇・病気休職の見直し」については、「本確定後速やかに解決できるよう引き続き協議」となり、「メーデー職免の廃止」については「早期に結論が得られるよう引き続き協議」となりました。
また「生理休暇の見直し」について、「結論が得られるよう引き続き協議」となり、「再任用・再雇用制度の見直し」に関しても「引き続き協議」となりました。
G「年末年始の宿日直手当の見直し」については、提案どおりの減額、年始のみとなりましたが、今回の妥結を受けて、任命権者と当該単組である都庁職とその勤務のあり方を協議することになりました。
H福利厚生関連事業に関しても、「健康診断・健康管理」「メンタルヘルス対策」など不十分さはありますが、一定の改善が図られており、労働安全衛生関係の場を通して取り組みを強化していく必要があります。
(3)都庁職は、執行委員会及び拡大闘争委員会での議論を踏まえ、都労連としてのギリギリの到達点と判断して、妥結することに関して「受け入れていく」ことを本部委員会に提案するものです。
都庁職は、労使交渉による自主的な解決を図り、都議会などの動向を注視しつつ、労使合意を遵守させ各支部と連携し、組合員の生活と労働条件を守り、時間内組合活動規制に反対し、2007年度予算人員要求実現、積み残された課題解決にむけて奮闘していく決意を表明するものです。都庁職は、11月16日に予定していた1時間ストライキ(都労連準備指令)を中止し、2006年賃金確定闘争の妥結内容等周知のための時間内職場報告集会を実施することとします。
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