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「人材育成に重点を置いた配置に関する指針」
に対する都庁職の見解と態度

2006年9月22日
東京都庁職員労働組合第40回執行委員会

 3月に出された「人材育成基本方針」(以下、「基本方針)と今回の「人材育成に重点を置いた配置に関する指針」(以下、「指針」)は、段階の世代の大量退職という状況にあって、各局ともに、行政分野における専門能力の維持・継承に困難が生じたことに起因しています。
 都庁職はこれまで、「職務分野」にのみに着目し、そのローテーションによるゼネラリスト育成に重点をおいた配置管理のあり方について反対してきました。具体的には、これまでの「ジョブローテーション」の見直しを求めてきました。
 「基本方針」において、「行政分野」における人材育成に着目したことは評価できるものですが、一方で、相変わらず「職務」にこだわる結果、行政分野における専門能力の育成と昇任とを無理にこじつけるものとなっており、結果として「若手ジョブローテーション(異動方針)」の形式のみが行われ、「行政分野」における人材育成は二の次になることが懸念されます。
 都当局のライン重視の人事管理は、民間に始まり、人事院が意見として打ち出した職業生活の多様化や複線型人事制度の動向にも逆行するものであり、結果として人材育成が成り立たないことになります。
 特に、新任から主任級職の期間を係長級職昇任までの準備期間としての位置づけしかしていないこと(プロとしての素地をつくる)は都庁に働く多くの人材を放棄するに等しいものといえます。
 都庁の職員全てが係長級職に任用される訳ではありません。団塊の世代については、係長級職に任用されなくても自信を持って行政分野における専門職として都政を支えてきました。団塊の世代が大量に退職する一方で、少子化という状況にあって、新規に人材を確保することは困難な状況にあります。都政を支える行政分野における専門能力を有する職員が不足することが予想されます。
 当局は、「基本方針」において、「方針策定の基本認識」としてこのことについて触れていますが、残念なことに危機感が欠落していると言わざるを得ません。
 ちなみに、経済産業省が平成18年3月に発表した「人材マネジメントに関する研究会」報告書には次のように記載されています。「わが国企業のコア・コンビタンスや組織能力の源泉というべき『現場力』の育成も、90年代以降、総じて弱まる傾向にあったといえる。わが国企業における『現場力』は、製造業でいえば製品のコストダウン・品質改良、非製造業においては提供するサービスの品質の保持・向上について、現場で働く人々が仕事への誇りをもって主体的に考え、創意工夫・プロセス改善に一丸となって取り組んできたことで進化を遂げてきた。しかし、周知の通り、近年こうした『現場力』の弱まりを示唆するような、品質管理のミスや重大な事故が多発している。」「現場力」衰退の原因として第一に、若年正社員が大幅に減少したことの影響を指摘するとともに、「加えて『選抜型』への育成方針の転換も現場力を弱める方向に作用した。それはすなわち、現場を支える人々への育成投資の減少を意味するが、投資自体が減ったことのマイナス影響のみならず、現場を支える『普通の人々』が成長への意欲を失うことで、現場力の育成に悪影響が及んだと考えられる。また、職能資格制度の縮小・廃止の動きが生じたことも、近未来的な昇進・昇格の期待を薄れさせ、能力向上意欲を低下させる方向に働いた。」と結論づけています。人事考課制度による締め付けと「少数精鋭化」と称するライン中心の人事施策、級格付制度の廃止等、都の人事管理の現状についても、極めて示唆に富んだ指摘であります。
 都庁に今何よりも求められるのは「現場力」の育成です。「基本方針」においては、採用、新任期〜主任級職、係長級職、課長補佐級職におけるライン上の人材育成到達目標は設定されているものの、現場を支えている長期に在職している主任等の役割については一切触れられていません。これらの職員に対しては締めつけの強化はあるものの、働く意欲を喚起する施策は全く打ち出されていません。「人材マネジメントに関する研究会」報告を待つまでもなく、行政分野における専門能力を有する現場職員の活用方針の欠落は「現場力」の弱体化、行政水準の低下を余儀なくするものです。
 都庁職は「基本方針」の再度の見直しを求めるとともに、行政分野・職務分野における専門職育成とそれにふさわしい処遇改善を求めるものです。
 そのためにも、二年後の級格付廃止を踏まえ、一般職における専門職制度若しくはスタッフ職制度とそれに対応する係長級相当の給料表の策定を行政系人事制度の重点要求として求めていきます。

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