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>>「都におけるマンパワーの動向と今後の方向」に対する都庁職の見解と態度
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「都におけるマンパワーの動向と今後の方向」に対する
都庁職の見解と態度
2005年7月21日
第35回都庁職執行委員会
1、はじめに
7月11日、総務局人事部は「都におけるマンパワーの動向と今後の方向」(以下「動向と方向」)と題する冊子を公表した。作成の趣旨は、「団塊の世代」が定年を迎えるなかで、今後の職員定数の見直し、職員の採用、人事配置、人材育成などを、どのような方針で行うのか、現時点での考え方を明らかにする、というものであるが、今後の都政運営や職員の勤務条件に大きく影響を与える内容を含んでいることから、都庁職として見解と態度を明らかにするものである。
2、「動向と方向」の具体的内容
「動向と方向」は、全体で20頁と簡便な内容であるが、5章だてとなっており、以下具体的内容を示す。
(1)第1章 大量退職の時代
この章は状況認識であるが、前段では、人口の減少ということで少子化の現状にふれると共に、フリーターやニートの増加傾向を、就労意識の大きな変化と捉えて、労働者の供給が相当減少することを前提として人事管理を考える必要があるとしている。後段では、職員の年齢構成が高度成長期とバブル期入都組で多くなっていること、今後10年間で、例えば事務職の4割を超える職員が退職することで、実務上のノウハウの喪失が危惧されること、などにふれている。
(2)第2章 マンパワーの減少と対応
この章では、大量退職への対応策にふれている。大量退職に大量採用という方策もあるが、人口減少の影響と偏った年齢構成の弊害が起きる可能性があることから、そうした選択を行えないとしている。そして、大量採用を行わなければマンパワーが減少するのは避けられないが、更なる改革と一層の定数削減、マンパワーの質を高めて少数精鋭主義を徹底することで克服するとしている。
(3)第3章 職員定数
この章は、前段でこれまでの職員定数削減の実績を示し、第一次行政改革(1979年)から今日までに41,056人減らしたと高らかに述べている。後段では、今後の見直し(定数削減)のための方策にふれている。具体的には、ア、行政の守備範囲の見直しということで、事務事業の廃止・縮小、区市町村との役割分担、民間活力の活用(民間委譲・民営化、PFIの活用、指定管理者の活用、業務委託の推進、人材派遣の活用)、地方独立行政法人制度の活用、を示し、イ、効率的な組織体制の構築ということで、本庁組織と事業所の見直しが必要だとしている。
(4)第4章 人材の確保
ここでは、新規採用を限定的に行うことと、専門的人材を確保するために職種区分を見直したり任期付職員を活用すること、更に、局間交流や転職促進など配置管理による人材の供給、再任用など高齢職員の活用を行うことを示している。
(5)第5章 人材育成
この章では、少数精鋭の職員を育成するために、研修の充実や職員のフォロー体制の確立、管理監督者の役割の明確化をはじめ、「東京都人材育成基本方針」を策定して実施するとしている。
3、都庁職の見解
第一に、人口の減少を今後も当局が新規採用を絞り込む客観条件の1つとしていることについてである。当局自身、人口の減少が「経済活動など、多くの面でマイナスの影響が表れる」と危惧してはいるが、このことの本質は、人口の減少につながる少子化や就業意識の変化といわれるフリーター・ニートの増加に就職難や不安定雇用の増加が深く関わっているということであり、当局がこれまで民間企業と競って新規採用抑制を続け、民間活力の活用と称して不安定雇用の職場を増やしてきたことがその原因の1つとなっていると捉えるべきである。従って、本来自治体が持たなければならない、社会のゆがみを是正していこうという洞察のかけらも持たないまま、その役割に逆行するやみくもな採用抑制方針を打ち出すことは無責任のそしりを免れない。ましてや、倍率が高く就職希望の多い都庁の現状である。人口の減少など一般論を理由に採用抑制を持ち出すことは、若年層の就職したい、定職に就きたいという強い希望を踏みにじるものでしかない。
第二に、偏った年齢構成の弊害が問題だから、大量退職に大量採用は行わないとしていることについてである。これまで、都庁職をはじめとする労働組合の指摘に耳を傾けず、定数削減を自己目的化し、新規採用を抑制し続けて、偏った年齢構成を招いたのは他ならない人事部の責任ではなかったのか。都庁職場の多くで、偏った年齢構成によって健全な執行体制を維持するためのノウハウや技術の伝承が危惧されてきたことは周知のことである。この問題は、大量退職によって一挙に顕在化するに違いない。何故そうなったかについての総括もなく、この期に及んで大量採用しないと宣言することは、当局がこの問題の本質を解決する意志を持たないことを意味している。
第三に、これまでの25年間で40,056人の職員定数削減を行ってきたことを自画自賛したうえで、引き続き採用を抑え、都政リストラを継続するとしていることについてである。これは、人事部が自ら都政を切り回しているという自負心なのだろうが、希薄なのは誰のための都政かという認識である。都民生活を守るための都庁組織が機能しなければ前提が崩れてしまう。結局「都民のために」というスローガンのみ振り回し、実際には都民サービスを切り捨ててきた手法を引き続き実行することにほかならない。手あかの付いたリストラ用語をちりばめ、職員定数を減らしさえすれば都民の負託に応えることになるかのような議論は本末転倒である。
第四に、大量退職に対応する人材の確保の手法として、新規採用や職種統合、任期付職員の活用、局間交流、転職、再任用活用を示していることについてである。新規採用は当然であるが、それ以外には職員を将棋の駒のように自由に扱うことや、不安定な雇用を持ち出しているに過ぎない。それでは職員が力を発揮できる条件が整っているとは言い難くむしろマイナスの影響が大きいと言わざるを得ない。また、再任用職員についても、最近は業務負担が大きいという声が増え、再雇用希望や退職選択も出ていることから、再任用依存を強めることは問題であり、逆効果と言わざるを得ない。
第五に、少数精鋭主義徹底のための人材育成についてである。具体的には「東京都人材育成基本方針」を策定するとしているが、本文ではジョブローテーションや研修、配置の見直し、管理監督者の役割などにふれているに過ぎない。こうしたことから、既に公表している「東京都における人事制度の現状と今後の方向U」(人事制度白書U)であきらかにしているように、従来の手法を踏まえたものと想像される。しかし、定数削減だけでも影響が大きいのに、一方で機械的なジョブローテーションを繰り返して職員、組織の力を削ぎ続けるといった、当局自身もその弊害を認めてきた手法は止めるべきである。
4、都庁職の態度
団塊の世代の大量退職時代を迎えて、民間会社でも技能伝承などが問題となっていることは最近のマスコミ報道でも明らかである。そうした意味で人事部が「動向と方向」を公表したことは時宜にかなったものと言えるが、内容は大量退職によるマンパワーの減少は現実だが、引き続き定数削減を含む都政リストラを進めるというものであり、身も蓋もない新自由主義丸出しの論理である。対応策についても、今後発生する困難の解決に逆行するものであり、各職場では「またか」という落胆の声があがっている。
都庁職はこうした「動向と方向」の内容に抗議すると共に、まもなく公表される予算編成に関する副知事依命通達から始まる、来年度予算人員要求の取り組みの中で、今後大量退職に伴って職場に生じる問題を意識的に取り上げるなど、職場の実情を踏まえて職員定数削減に反対して闘いを進める決意である。同時に、都政の変質によって影響を受けざるを得ない広範な都民と共に、都民生活を守る取り組みを繰り広げるものである。
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