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東京都教育委員会の不当な懲戒処分と
再雇用採用取り消しに抗議する都庁職声明

2005年4月14日
東京都庁職員労働組合

 東京都教育委員会は、今年も昨年に引き続き3月31日、「平成16年度卒業式において、『君が代』斉唱時に『日の丸』に向かって起立し斉唱することなどの校長の職務命令に違反し起立しなかった」ことを理由にして、減給、戒告などの不当な「懲戒処分」を52名の教職員に行った。また、同様の理由で、戒告処分と併せ1名の教職員に対して再雇用採用合格を取り消すなどの不当処分を行った。
 昨年は、入学式を加え248名の教職員に不当な処分を行い、全国での処分の9割が東京都教育委員会の不当な処分であった。
 これは、東京都教育委員会が2003年10月23日に卒業式や入学式で「@『日の丸』を壇上正面に掲揚すること。A『君が代』斉唱時、教職員は『日の丸』に向かって起立し、斉唱すること」などの実施指針を通達し、それに基づく各校長の職務命令に違反したことに対する処分だとしている。
 しかし、昨年の都庁職声明で明らかにしたとおり、この「10.23通達」は、思想・信条、内心の自由を保障した憲法第19条に違反し、教育への「不当な支配」を禁止した教育基本法第10条にも違反するものである。その上、国旗・国歌法案審議の過程で、卒業式などの学校行事の際、生徒や教員に強制するものではない旨の政府答弁が繰り返された経過などを一切無視した違法な「ルール」である。
 今年のある高校の卒業式では、卒業生が「東京都教育委員会のみなさん、これ以上、先生たちをいじめないで」「生徒の不起立をチェックし、先生を処分するのは、教師を人質にとった思想統制だ」という主旨の発言があったが、まさに卒業式の主人公からすれば当たり前の主張である。このことは、「日の丸」、「君が代」を強制することは、思想・信条の自由、内心の自由を脅かすものであり、基本的人権を尊重することが学校教育において最優先されなければならないことを物語っている。
 卒業式は、先生と友達との学校生活の思い出を語り、新たな希望を胸に抱き、次への人生の出発点だといえる。主人公である生徒を大切にし、その自主性に基づき創意工夫された式典にしていくことが必要である。
 石原都知事をはじめとする「皇国史観」「愛国心教育」に基づく強権的な教育介入を断じて認める訳にはいかない。「日の丸」、「君が代」は旧天皇制国家に余りにも深く結びついており、侵略戦争遂行に利用された歴史的な背景を有している。
 都庁職は、民主主義の否定を許さず、平和憲法と教育基本法、教育の自主性と思想・信条・内心の自由を守るため、憲法「改悪」、教育基本法「改悪」の策動と連動した今回の都教育委員会の不当処分や再雇用採用取り消しなどの暴挙に断固抗議し、不当処分の撤回を求め闘い抜くことを表明する。




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