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「平成17年度東京都予算知事原案」等に対する抗議声明

2005年1月14日
東京都庁職労働組合

 1月14日、都当局は総額12兆5399億円の「平成17年度東京都予算知事原案」を発表すると同時に、2223人の職員定数削減を示しました。都立4大学の地方独立行政法人化と多摩老人医療センターの公社化合わせて1435人の削減をベースに削減の幅は極めて大きなものです。一昨年10月に「第二次財政再建推進プラン」による3年間で4000人の定数削減計画が出されていましたが、今年度の1444人削減と合わせて3667人の削減となります。更に今回、国の政策による警視庁警察官の増員分300人を加えれば、3967人削減となり、2年目で3年分の目標を達成したことになります。
 監理団体派遣職員については、多摩老人医療センター公社化等の影響もあって、全体で56人の増となっていますが、事務事業見直しによる派遣職員削減は334人であり、監理団体の経営に与える影響は極めて大きいと言わざるを得ません。
 予算では、好調な税収を背景に一般会計では5兆8540億円と今年度当初予算よりは1460億円の増額としましたが、4年連続で6兆円を割り込み、依然として緊縮型を変えていません。しかし、5257億円の今年度最終補正予算に見られるように、切実な都民要求に応えることは十分可能ですが、重点事業や知事が力を入れる「都市再生」がらみの大型公共事業には予算を投入し、それ以外の事業については13年連続となる予算の一律マイナスシーリングがかけられ、事業縮小を余儀なくされたり、業務遂行に必要な庁舎の新築・改築や庁有車の更新もままならない事態が続くことになります。
 都庁職は昨年6月以降、来年度予算・人員要求の取り組みを進めてきました。そのなかで、予算編成に係る基本要求や各支部・各職場から積み上げられてきた様々な要求の実現を求めてきました。また、福祉・医療・教育など、都民生活を支える都民施策の充実に都政の重点を置くべきであり、直営組織の民間委譲、公社化、財団化、組織統廃合などを強引に進めるべきではないと主張してきました。査定作業が進んだ11月以降は、要請行動や検討委員会を通じて各支部の重点要求の実現や予想される大幅な定数削減反対を強く迫るとともに、これから指定管理者制度導入にともなって危機的な状況に陥りかねない多くの東京都監理団体に対して、深く関与してきた都当局が経営責任と雇用責任を明確にすべきだと主張してきました。
 しかし、当局はこうした要求にほとんど答えず、「第二次財政再建推進プラン」や「第二次都庁改革アクションプラン」を着実に実行すると繰り返すばかりでした。都庁職は、このような一方的な当局の姿勢や来年度知事原案に示された大幅職員定数削減と都民・職員を無視する内容に、満身の怒りを込めて抗議するものです。
 小泉内閣は、借金まみれの財政を立て直すとして、国民には負担増や我慢を押しつけながら、強引な郵政民営化や地方自治体の三位一体改革を通して「構造改革」を進めようとしてきましたが、根本的な解決の道筋は一向に見えません。一方で、こうした事実を覆い隠すように、無原則に自衛隊のイラク派遣延長を決め、「戦争のできる国」に向けて憲法改正を具体化させる動きを強めています。こうした小泉「構造改革」路線のお先棒を担いできた石原都政は、治安対策の強化や日の丸・君が代教育の推進、「都市再生」への肩入れなど、偏った政策運営を押し進める一方で、都民の負託を受けた行政分野を、委託、民間委譲や新たな行革手法といわれるPFI適用や指定管理者制度の導入、地方独立行政法人化などによって市場原理に直接曝すことによって、自治体の業務を大きく変質させていこうとしています。
 都庁職は、引き続き復活予算や都議会第1回定例会をにらみながら粘り強く取り組みを継続すると共に、全面的な都政リストラ攻撃に対して組織一丸となって反対し、都民と共に都民施策の充実を求めて取り組みを進める決意です。




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