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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

「平成25年度(2013年度)東京都予算(原案)」
等に対する抗議声明


2013年1月18日
東京都庁職員労働組合


 1月18日、東京都は、一般・特別・公営企業会計で総額12兆838億円(前年度比2.6%増)の「平成25年度東京都予算(原案)」を発表した。都税収入は、4兆2,804億円で、前年度比1,609億円(3.9%)の増となっており、6年ぶりの増となった。
 一般会計の歳出額合計は、6兆2,640億円で前年比1,150億円(1.9%)の増となっている。一般歳出は、平成20年度から平成24年度まで5年連続して都税収入が減少し、一般歳出も平成21年度から4年連続して減額となってきたものが、来年度は微増ではあるが増となっている。
 歳出における起債依存度は平成22年度から3年間連続増となっていたが、平成25年度は前年度比450億円(9.1%)減となり4,485億円を計上している。
 基金残高は平成25年度末で8,741億円と平成20年度基金残高1兆5千億円余を頂点にして減少していたものが、昨年の8,369億円から増額となった。
 経常経費は、「内部努力に取り組み給与関係費を削減」する一方で、「少子高齢化対策や中小企業への支援などに的確に対応」したとしている。給与関係費については、平成20年度から連続して減少し続け、「退職手当見直し」等で前年度比154億円減となっている。
 投資的経費については、前年度比0.9%増の8,582億円で、9年連続増となり、「都民の安全・安心」として災害対策やインフラ整備の推進、「社会資本の整備」「新たな雇用や需要の創出」として、経済波及効果を強調している。
 都税収入は「復興需要等により」法人二税が14.0%の増となった関係で6年ぶりに増に転じているが、当局も述べているように、景気変動の影響を受けやすい税目であり、世界経済の不安定な状況が続いている中で、日本経済が安定化に向かっているとは言えず、今後の税収動向を見極める必要がある。また、復興需要についても、政府予算が適切に執行されず、被災地復興とはかけ離れたものとなっていることも明らかになっており、都税収入は微増に止まっている。
 同日発表された「『2020年の東京』へのアクションプログラム2013」は、「実行プログラム」という名称を「アクションプログラム」に変えただけの石原前知事の政策・方針を忠実に継承するものである。予算原案は、2020年オリンピック招致をはじめ、都民の安全・安心や災害対策を掲げながらも、投資的経費を毎年増加させ続けて、経済の低迷に対する公共事業投資の膨張による経済活性化を主眼とする大規模開発・インフラ整備を優先した政策の継続と断じざるをえない。子育てや高齢者対策、医療、住宅、障害者支援などはほとんど昨年予算と横ばいである。石原都政が大型公共投資で「経済活性化」を行おうとしたにもかかわらず、雇用状況、賃金水準の低下など都民の生活実態は年々厳しくなっている。
 都民の安全・安心の確保のために、防災対策や老朽化した公共施設・道路等の補修、改築は当然のこととしても、都民の生活に密着した施策の充実がこれまで以上に求められているが、予算原案ではこれまでの路線を大きく変更する内容にはなっていない。
 同時に発表された2013年度職員定数は、国の35人学級実施に伴う教員の増はあるものの、知事部局121人、公営企業110人が昨年に引き続き削減されている。
 監理団体の所要人員は、既存事業で156人、新規・移管事業で143人増、合計299人増となったが、都職員派遣は156人の減となっている。現業職員の派遣解消は退職不補充による民間委託の推進につながっている。
 平成24年度の知事部局職員は160人削減であり、引き続き平成25年度も121人削減となっているが、平成24年度、25年度の「局別所要人員要求」では、スポーツ振興局を除き全ての局が現状維持であり、なんとしても定数削減だけは避けたいという要求であった。
 昨年は、「乾いたタオルを更に絞る」に等しい査定として抗議したが、まさに職場の状況は限界を超えている。当局との超勤縮減協議でも、平成24年度上半期は前年度・前々年度に比して超過勤務が増加している。石原都政から連続して人員削減が強行され、職場は恒常的超過勤務や過密労働により疲弊している。さらに、団塊の世代の大量退職・長年の採用抑制の影響、大幅定数削減により業務知識や経験の継承、人材育成が深刻な課題となり、職員の負担は過重なものとなっている。「少数精鋭」「スリムで効率的な事務運営」という名での削減は、行政運営の水準の低下を来しかねない危機的状態になってきている。長期病気休暇、罹患率は「精神障害」が増加し続けており、行政の最前線を担う職場の安定的執行体制の確立が喫緊の課題となっている。
 現業職員については、平成25年度定数査定においても、自動車運転や道路巡回、施設管理、調理などの退職不補充・民間委託が進められている。
 公共サービスの充実、危機管理、防災対策の充実のためには、業務量に見合った職員配置が前提であり、とりわけ都民サービスの最前線で業務を遂行する現業職員の配置は不可欠である。知事部局職員の大幅削減は断じて認められない。
 都庁職は、「平成25年度予算原案」及び都庁職の要求に全く応えていない「平成25年度職員定数」について断固抗議するとともに、真の安全・安心を確保できる予算及び執行体制を求めて引き続き闘いぬくものである。


 
以上

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