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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

「平成24年度(2012年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明

2012年1月20日
東京都庁職員労働組合


 1月20日、東京都は、一般・特別・公営企業会計で総額11兆7,742億円(前年度比0.1%増)の「平成24年度東京都予算(原案)」を発表した。都税収入は、4兆1,195億円で、前年度比1,010億円(2.4%)減となっており、5年連続で下降している。一般会計の歳出は、6兆1,490億円で前年比870億円(1.4%)減となっているものの、7年連続で6兆円を超える歳出規模となっている。歳出における起債依存度は微増ながら増加しており、基金残高は平成24年度末で8,369億円と平成20年度基金残高1兆5千億円余を頂点にして減少してきている。
 原案では、厳しい財政環境を強調しながら、「施策の効率性や実効性を向上させる取組を徹底し、歳出総額の抑制を図る」として、一般歳出は前年比608億円・1.3%の減で4兆5,231億円となっている。
 一方で投資的経費については、前年度比0.2%増で8年連続増であり、2004年との対比で50.6%増となっている。貧困と格差が拡大する都民の生活に直結する施策については予算配分を抑制し、民間への市場開放を目的とした行政の民間移譲・委託を拡大する都政の「構造改革」路線が引き続き貫かれている。
 予算原案は、昨年12月22日に公表した「2020年の東京」及び「『2020年の東京』への実行プログラム2012」に掲げられた「東京が大震災を乗り越え発展を続け、日本を牽引していく道筋を提示」する方針に基づき、「防災対策」に全会計合計で2,281億円を計上している。また、大都市の環境・エネルギー政策、放射能対策等を附加している。しかし、本質的には「10年後の東京計画」を踏襲して、経済の低迷に対する公共事業投資の膨張による経済活性化を眼目とした大規模開発・インフラ整備を優先した政策と断じざるをえない。
 同時に発表された2012年度職員定数は、国の35人学級実施に伴う教員の増、国の政令に基づく警察官の増、東京消防庁の増に対して、事業の委託拡大などにより、知事部局160人、公営企業158人が減員されている。監理団体の所要人員は、既存事業で92人増、新規・移管事業等で252人増、合計344人となったが、都職員派遣は177人の減となっている。
 当初の「各局所要人員要求」では、23人の増要求で、ほとんどの局が現状維持となっており、これ以上削減されれば、職場は維持できないという状況であったことを考えると、今回は正に「乾いたタオルを更に絞る」に等しい査定であり、職場の状況は限界を超えている。石原都政13年間で約2万人が削減され、職場は恒常的超過勤務や過密労働により疲弊している。さらに、団塊の世代の大量退職・長年の採用抑制の影響、大幅定数削減により業務知識や経験の継承、人材育成が深刻な課題となり、職員の負担は過重なものとなっている。長期病気休暇、罹患率は「精神障害」が増加し続けており、行政の最前線を担う職場の安定的執行体制の確立が喫緊の課題となっている。
 現業職員については、当局は、予算・人員検討小委員会において「退職不補充方針ではなく、民間でできるもの等精査している」としているが、現実には、調理・巡視・公園管理・道路巡回業務など現業職員の民間委託の拡大、退職不補充が進められており、総定数抑制方針が貫かれている。都民に必要な施策の実施、公共サービスの充実、危機管理、防災対策の充実のためには、業務量に見合った職員配置が前提であり、不可分である。東日本大震災の現地派遣や支援活動について、経常業務の水準を維持し全職員が都政を担い、都民と直接結びついて業務を執行している現実をないがしろにして「都民の安全・安心」は実現できない。教員及び警察・消防職員の増員と引き替えにしたかのような、知事部局職員の大幅削減は断じて認められない。
 都庁職は、「平成24年度予算原案」及び都庁職の要求に全く応えていない「平成24年度職員定数」について断固抗議するとともに、石原都政の「構造改革路線」と対決し、都民と結びついた「ひとが支える都政」の実現をめざして、引き続き奮闘していくものである。

 
以上

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