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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

「平成23年度(2011年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明

2010年12月24日
東京都庁職員労働組合


 12月24日、東京都は、一般・特別会計で総額11兆7,642億円に及ぶ「平成23年度東京都予算(原案)」を発表した。都税収入は前年度に比べて1.7%、692億円と小幅な増としながら一般会計は今年度当初予算より280億円減額(△0.4%)で総額6兆2,360億円と6年連続で6兆円を超える莫大な規模となっている。
 投資的経費は、全体予算が280億円減額でありながらも都市基盤の整備や大規模施設の改修などに前年度比2.4%増の8,335億円と増額計上する一方で、福祉・医療・教育・雇用・住宅など都民が切望する施策には、思い切った措置が見られない。
 同時に発表された2011年度職員定数は、知事部局は病院経営本部・スポーツ振興局で純増があるものの全体では170人減となった。監理団体の所要人員は、既存事業等の減で18人減、新規事業や移管事業等で309人増で、総数561人増となったが、都派遣職員は281人の減となっている。
 予算編成にあたって副知事依命通達では「10年後の東京」への実行プログラム事業をシーリングの枠外とした。職員定数削減と事務事業のアウトソーシング、「少数精鋭」の職員体制など都政の構造改革路線を推進するものであった。また、当局は、都庁職との検討小委員会の場で、各局の要求がスクラップアンドビルドが徹底され増減同数であったことについて各局の努力も踏まえて必要人員について精査するとしていた。しかし、スクラップアンドビルドを遙かに超える大幅定数削減は到底納得できない。少なくとも、東京都として責任をもった事業執行を行う姿勢とはほど遠いものと断じざるを得ない。
 都は、予算原案に先立ち、12月17日に「『10年後の東京』への実行プログラム2011」を発表した。「10年後の東京への実行プログラム」はシーリング外で中長期的な視点から石原都政が目指す「構造改革」路線を着実に進めることを基本にしている。今年度もこれまでの取り組みを踏まえ、今後3年間で約2兆円規模とし、来年度は約6,300億円を執行する計画である。基本的な路線は、目標2「三環状道路により東京が生まれ変わる」で3ヵ年計画の予算額は40%である。最も都民が求める目標5「安心できる少子高齢社会の都市モデルを創造する」は12.3%しか予算化されていない。項目は多方面にわたるが予算に占める割合は微々たるものである。
 大企業本位の都市再開発に湯水のように税金を投入しつつ、都民に対しては本来、地方自治体として果たさなければならない施策を様々な手法を使って投げ捨て、「構造改革」路線を推進する方針を今年度予算に全て盛り込んでいる。
 いま都政に求められるのは、「新自由主義」に基づく「構造改革」がもたらした景気悪化の中で、「貧困・格差」の解消に向けて、福祉・医療・教育・雇用・住宅・中小零細企業などへの施策を最優先課題とし、都民生活・都民サービス向上に積極的に取り組むことである。
 職員定数では、各支部からの切実な要求が出され各局からもギリギリの要求が出されたにも関わらず全く無視した結果である。この間、都政の最前線で働く現業職員をはじめ蓄積された技術や知識・技能の継承のための新規採用や、6兆円を超える大きな予算執行に見合う人員配置、合わせて職員が健康で仕事と家庭生活を両立させながら、モチベーション高く働くことができる職場環境の整備等の体制構築が急務であることは明白である。
 このように都民施策に消極的で、都市基盤整備に傾倒し、都政の構造改革の推進と職員定数削減の強行を含む「平成23年度東京都予算(原案)」に、都庁職は満身の怒りで強く抗議する。
 今後は復活予算や都議会第一回定例会に向けて闘いを継続するとともに、引き続き都民が安心して生活できる都政をめざし、都民とともに奮闘するものである。

 
以上

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