都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
HOME 都庁職へようこそ 見解 都庁職新聞 ギャラリー リンク
HOME > 見解 > 「平成22年度(2010年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明
見解
 

「平成22年度(2010年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明

2010年1月22日
東京都庁職員労働組合


 1月22日、東京都は「大幅な税収減に直面し、今後も厳しい財政環境が想定される中にあって、都財政の健全性を堅持するとともに、東京の『現在』と『将来』に対して、今日都が為すべき役割を積極的に果たす予算」と位置づけた「平成22年度東京都予算(原案)」を発表した。一般・特別・公営企業会計で総額12兆4,223億円に及ぶ。この「原案」は都税収入を4兆1,514億円(前年比△12.7%)とし、一般会計は今年度当初予算より3,340億円減額(△5.1%)の6兆2,640億円としているが、5年連続で6兆円を超える莫大な規模である。

 これに先立ち、1月15日「『10年後の東京』への実行プログラム2010」が発表された。これまでの取組を踏まえ、今後3年間で1兆9,000億円規模とし、来年度は約6,000億円を執行する計画である。3ヵ年計画の42 %以上は、「三環状道路により東京が生まれ変わる」とする三環状道路(首都高速中央環状線・外環・圏央道)や骨格幹線道路の整備、空港・港湾機能の強化である。「安心できる少子高齢社会の都市モデル」は約12%に止まり、その内容も病院の再編整備、既存ストックを活用した高齢者用ケア付き住まい等の整備等で、高齢者や子ども、障害者が求める安心した生活にはほど遠い。「10年後の東京」策定から3年、シーリングの枠外として、単年度の予算規模は年々ふくれあがっているが、多くの都民が求める施策への対応は、全く不充分である。

 原案では、「都税収入の減少」を誇大宣伝しつつ、道路・空港など都市基盤整備のための投資的経費は今回も増額し、8,055億円を計上している。福祉・医療・教育・雇用・住宅など都民が切望する生活改善に直結する施策には、思い切った措置が見られない。福祉や雇用は予算増額されたが、国の施策との関連を見きわめる必要がある。
 職員定数は全体で6人減、知事部局は270人の減となった。警察は110人増で、引き続き増員された。監理団体の所要人員は、既存事業の見直し等で48人削減、新規事業や移管事業等で340人増員され、総数で292名の増となったが、都派遣職員は132人の減員となっている。
 組織改正では、東京オリンピック・パラリンピック招致本部が廃止(△77人)され、引き続く業務は知事本局(12人増)での対応となった。
 さらに都政の「構造改革」により、都立公園で指定管理者制度拡大・福祉施設の民間移譲も進められ、都民サービスの後退・行政の公的責任放棄に直結するアウトソーシングが、検証も不十分に加速され、都立三小児病院も廃止・統合される査定となっている。

 これらは「行財政改革実行プログラム」路線を踏襲した副知事依命通達が掲げた職員削減と事務事業のアウトソーシング、「少数精鋭」の職員体制など都政の構造改革を推進するものである。さらに「『10年後の東京』への実行プログラム2010」における一部大企業の利益のための大規模開発を最優先としている。いま都政に求められるのは、「新自由主義」に基づく「構造改革」がもたらした景気悪化の中で、「貧困・格差」の解消に向けて、福祉・医療・教育・雇用・住宅・中小零細企業などへの施策を最優先課題とし、都民生活・都民サービス向上に積極的に取り組むことである。
 職員定数では、都政の最前線で働く現業職員をはじめ蓄積された技術や知識・技能の伝承のための新規採用や、6兆円を越える大きな予算執行に見合う人員配置、職場環境の整備等の体制構築は急務である。しかし「原案」は、これら都民や都庁職の要求に全く応えていない。たとえば、雇用拡大に向け、都が自ら正規職員の採用をもっと積極的に行うべきである。
 このように都民施策に消極的で、オリンピック招致に未練を残し、都市基盤の整備に傾倒し、都政の構造改革の推進と職員定数削減の強行を含む「平成22年度東京都予算(原案)」に、都庁職は満身の怒りで強く抗議する。今の都民生活・職員の状況からとても容認できない。都民のための施策展開を強く求める。合わせて職員が健康で、仕事と家庭生活を両立させながら、モチベーション高く働くことができる職場、業務量に見合う充分な職員配置が必要である。
 今後は復活予算や都議会第一回定例会に向けて闘いを継続するとともに、引き続き、都民が安心して生活できる都政をめざし、都民とともに奮闘するものである。

 
以上

ページのトップへ戻るページのトップへ戻る
 

Copyright (C) Tokyo metropolitangovernment laborunion.