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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

2016年東京オリンピック・パラリンピック招致にかかわるコメント

2009年10月22日
東京都庁職員労働組合


 10月2日未明、IOCは2016年のオリンピック開催をリオデジャネイロと決定しました。
 石原知事が「東京はオリンピック開催地として立候補する」と突然の表明があったのは、2006年2月でした。その後知事の意向に沿い、フラッグ・のぼり・ポスターなどの宣伝、イベントの開催などが多方面で行われました。IOCの来日時は、小学生の校外学習を利用した取組までも行われましたが、招致は失敗に終わりました。
 これまでに、東京がオリンピック招致に向けて使った税金は、150億円程度といわれています。石原知事は、これらの使途を明らかにする意向を表明しましたが、いっぽうで150億円もの税金について、都の財政には「痛くもかゆくもない」と発言し、プレゼンテーション用スーツが1着26万円と報道されるなど、庶民の感覚とズレており、都民の大きなひんしゅくをかっています。
 IOC総会が行われるコペンハーゲンでサポーターを努める「弾丸ツアー」も、予定した人数が集まらず都職員を集め、世論の支持率を上げるための「多彩な」パフォーマンスも、行政主導の招致であるとマスコミ各社が指摘するも理解できます。

 2007年度は都税収入が過去最高の水準に達しました。しかし、これをピークにして、「新自由主義」がもたらしたアメリカ発のリーマンショックが世界同時不況となり、日本にも襲いかかりました。格差拡大に止まらず、職も住まいも失い路頭をさまよう人や、医療・福祉から見放された人、経済的な理由から進学をあきらめた人、働きたくても採用されない人など、多くの人々の生存権も脅かされる状況です。若者が明るい未来を描けず、裕福な人や企業はもっと裕福に、苦しい生活を強いられる人々はもがき続ける中で、「今、なぜオリンピックなのか」という疑問に、招致を推進する人々は答えられませんでした。オリンピックは都民に夢を与えるだけで、大企業をさらに儲けさせるためのツールにすぎないからです。

 東京でオリンピック招致に対する世論がなぜ盛り上がらなかったのか、各局を含めたオリンピック招致にかかわる事業等とこれに関わる支出についてなど、様々な観点から検証し、都民に明らかにする必要があります。2010年度予算は各局要求が提出され査定作業が本格化しますが、オリンピック招致を前提にした予算編成からの転換が必要です。
 都庁職は、4,000億円のオリンピック基金を含め、都民が安心して生活できるセーフティネット機能を強化した都政運営を行うことを、強く望みます。

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