1 |
本給と地域手当の配分については、都職員の実態を踏まえ、地域手当の本給への繰入を基本とする抜本的な改善を行うこと。また、島嶼や都外公署に勤務する職員にとって、制度的な矛盾が拡大している事態を解消するよう具体的な改善措置について勧告すること。 |
2 |
民間給与の実態調査については、団体交渉によって賃金・労働条件を決定している企業とし、調査対象企業規模は1,000名以上とすること。また、追加較差については、賃金改定状況を正確に把握するために、積み残し事業所を追跡調査し、その較差を算入すると共に、定期昇給率調整をやめること。 |
3 |
比較給与の範囲については、公民の実態が大きく異なる住居手当を除外すること。また、住居手当については、国及び民間の実態を正確に把握し、制度の抜本的改善と首都圏の住宅事情を反映した支給額の大幅な引き上げを行うこと。 |
4 |
標準生計費については、実態と大きく乖離している現行の算定方式を改め、大都市東京の生活実態にあったものに改善すること。 |
5 |
給料表の構造については、都職員の生計費保障を基本に改善を図ること。また、これ以上の昇給カーブのフラット化拡大は行わないこと。また、昇格メリットについては、すべての職員の処遇確保の観点から、格差拡大や管理職優遇につながる改悪は行わないこと。 |
6 |
都政における専門性の維持・向上、人材の育成・確保は急務となっており、その観点から行政各分野において一般職の専門職制度を確立し、専門職(スタッフ職)給料表を創設すること。 |
7 |
一時金(特別給)については、都の職員数規模などからみて、企業規模1,000人以上の民間との比較とするとともに、給与と同様に「同種・同等」原則に基づき、同種・同等ではない従業員を比較対象から除外するよう早急に比較方法を改めるとともに勤勉手当を廃止し、期末手当に一本化すること。また、民間における支給水準や臨時的給与等の支給実態を正確に把握し勧告に反映すること。 |
8 |
都における人事考課制度については、希望者全員に第一次評定の本人開示が行われることとなっているが、依然として業績評価の公平性・納得性・透明性や、苦情相談の実効性に対する職員の不信は払拭されていない現状である。また、最終評定(相対評価)が開示の対象とされていず、その評定の実態や活用方法は不明のままである。人事考課制度が労使協議事項であることを明確にすることとともに、評価の公平性・公正性・透明性・納得性を確保し、評定の全面開示と実効ある苦情解決システムの確立を図るよう、積極的な提言を行うこと。 |
9 |
都における人事給与制度については、労使協議事項であり、公正かつ自立的な機関として、労使双方の主張を十分踏まえた対応を行うこと。 |
10 |
勤務時間については、引き続き民間の所定内勤務時間・休日・休暇などについて正確に把握すると同時に、週35時間、年間総労働時間1,800時間以下に短縮するよう調査結果を確実に反映させて1日当たり所定労働時間の短縮を勧告すること。 |
11 |
育児・介護を行う職員や短時間勤務制度導入に伴う超過勤務規制を含め、実効ある超過勤務規制を行うこと。 |
12 |
「次世代育成支援対策推進法」に基づく「特定事業主後期行動計画」の着実な実施のため具体的な条件整備に向けた対応を行うこと。
短時間勤務制度の導入に伴う代替措置・公的負担金の軽減などについて職場の意見・要望を踏まえて検討すること。また、休暇制度等の取得促進のための条件整備し、とりわけ男性職員の育児休業をはじめとする子育て参加促進のため、具体的な措置を講じること。さらに、短期介護休暇の新設等両立支援の取組を一層推進すること。 |
13 |
メンタルヘルス対策について、都の職場における深刻な実態を調査し、具体的な対策について検討を行い、任命権者が行うべき方策について勧告すること。 |
14 |
セクシュアルハラスメントのない男女平等の公務職場の実現や福利厚生制度、福祉施策の拡充に向けて積極的な対応を行うとともに、「仕事と生活の両立支援」を進めるための具体的措置を講ずること。また、パワーハラスメントの定義付けを行い、防止にむけた具体的な対策について任命権者が行うべき方策を勧告すること。 |
15 |
人事院に追随し、国の圧力に屈する形で 一昨年・昨年と2年連続して労使協議事項である現業賃金について不当な言及を行ったが、二度と労使協議に介入しないこと。 |
16 |
再任用制度について、生活保障の観点にたって拡充をはかること。そのために、定年前職員に準じて、給料表や休暇制度などの改善を図ること。 |
17 |
東京都における非常勤職員・臨時職員の賃金・労働条件について、十分な実態調査を行い、職務の実態にみあった適正なものとなるよう具体的な改善の方策を勧告すること。 |
18 |
公務員制度のあり方に関することについては、国の動向に安易に追随せず、地方自治や地方公務員制度の理念、都の実態、労使交渉の到達点などを十分尊重し、労働基本権確立をはじめとして民主的公務員制度の実現に向けた検討を行うこと。 |
19 |
都職員の採用にあたっては、国籍条項を撤廃すると共に障害者雇用枠と雇用領域を拡大すること。 |
20 |
勧告基礎作業及び勧告を行うにあたっては、労働組合と十分協議すること。 |