東京都人事委員会による夏季一時金
0.20月凍結の臨時勧告に対する抗議声明
2009年5月18日
東京都庁職員労働組合
東京都人事委員会は5月15日、知事及び都議会議長に対して、暫定的な措置として6月の一時金の支給月数について0.20月分(すべて期末手当)を凍結する臨時勧告を行った。
この臨時勧告は、先に人事院が行った、国家公務員の夏季一時金について0.20月分の支給を凍結する勧告に追随し、また地方公務員についても国の取扱いを基本として対応するよう求めた総務省の指導に屈した政治的な勧告であり、われわれはこれを断じて認めることはできない。
人事院勧告の背景に、一部与党における、解散総選挙を控えた政局絡みの公務員給与削減策動があることは明らかであり、「公正・中立」であるべき人事院がこの政治的な圧力に屈して行った勧告は、公務員の労働基本権制約の代償機能としての勧告制度を破壊する暴挙にほかならない。
このためわれわれは、東京都人事委員会に対しても、人事院勧告に追随することなく、政治的な圧力を排除して「公正・中立」で自立的自主的な立場を貫くことを求め、公民比較における精確さ、信頼度を確保するため通常の民間給与実態調査に基づき判断すべきであると主張してきたのである。
しかし、都労連が再三にわたって要請を行い、国に追随した勧告を行わないよう求めてきたにもかかわらず、東京都人事委員会は極めて不当な臨時勧告を強行した。
われわれは、憤りをもって抗議するとともに、断固糾弾する意思を明らかにする。
人事委員会はこの臨時勧告にあたり、人事院が行った「特別調査」の対象の多くが都内民間企業であることや、過去20年間の民間企業の夏季一時金決定状況から、全国主要企業と都内民間企業とでおおむね同様に推移していることを理由に、「都内民間企業においても夏季一時金は同様に減少傾向にあると推定」されると説明している。
しかし、人事委員会が主に根拠としている人事院の「特別調査」は、調査対象の2割に満たないわずか全国で340社の妥結状況という不精確なものであり、さらに人事委員会はその340社のうちの、都内企業数や産業別構成等をも精査することなく勧告を行っている。
もはや、精確な公民比較を行うべき役割を人事委員会自らが放棄したといわざるを得ない。
われわれは、「減少傾向」が「推定」されるため一時金を一部凍結するなどという、不精確かつ不当極まりない勧告は断じて認めない。
また、0.20月の支給凍結について、「民間や国と比べて業績反映の度合いがいまだ小さい」ため、すべて期末手当で実施するとしたことも、本来であれば通常の民間調査結果に基づき秋の本勧告において検討されるべき問題であり、夏季一時金の対前年増減比に限られた調査結果によって行う不当性は明白である。
都庁職は、公務員労働者の労働基本権制約の代償機関としての役割と存在理由を放棄して政治的勧告を行った人事委員会に対して厳しく抗議するとともに、不当な公務員賃金削減攻撃に断固対決する決意を明らかにする。
あわせて都当局に対して、国・総務省の指導に屈することなく、労使協議による自主的解決・都労連夏季一時金要求実現を求め、都労連に結集し都庁職の全力をあげて闘いぬくものである。
以上
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