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不当な行政処分に抗議し、即時撤回を求める声明
2009年2月16日
東京都庁職員労働組合
2月16日、都当局は、都労連・都庁職の2008年賃金確定闘争をはじめとする一連の行動に対して、都全体で停職18日を最高として79名、都庁職関係では停職1日を最高に30名に及ぶ不当な行政処分を発令した。被処分者は、都労連・都庁職本部役員にとどまらず、各支部役員の多数に及ぶ。
2008確定闘争は、小泉内閣以降、1年ごとに首相が交代するという中でも、連綿と引き継がれた骨太方針を貫く総務省を中心とした「現業賃金引き下げ」「教員賃金・任用」攻撃と、これに追随する人事院の政治的勧告の下で闘われた。人事委員会に至っては、またもや政治的マイナス勧告を行ったばかりか、一昨年に引き続き労使協議事項である現業賃金について引き下げを示唆し、勤務時間短縮では実施時期を明言しない極めて消極的な「報告・(意見)」を行った。
都当局もまた、骨太方針に導かれた総務省の指摘や政治的勧告をよりどころとして、都労連・都庁職要求の真摯な検討を怠り、現業・教員賃金引き下げに固執し、勤務時間短縮にも最後まで消極的姿勢を取り続け労使交渉を難航させた。今次確定闘争は、これまでにも増して、国家権力と都当局がさらに攻撃をエスカレートさせる中、労働条件を守り抜く厳しい闘いとなった。
都庁職は組合員の総意としてストライキ闘争を批准し、都労連に結集し早朝宣伝行動や要請行動をはじめ様々な行動を積み重ね、当局の頑なな交渉姿勢を改め労使合意による解決を図るよう取り組みを行ってきた。
また当局は、2009年度予算・人員要求闘争においても、常設化し2年目を迎えた「検討委員会」について、11月末にようやく2回目の検討小委員会という不誠実な対応を行ってきた。都庁職はこうした状況の中でも各支部要求の実現を迫り、都民本位の都政運営実現をめざして取り組みをすすめてきた。
しかし当局は、これまでと同様、予算・人員は「管理運営事項」という姿勢を崩さず、最終局面では昨年に引き続き総務局長要請を拒み通した。そして、税収減を強調しながらもオリンピック招致を錦の御旗として、引き続き都民に使うべき都財政をオリンピック基金等に積み増し、さらに大規模開発に傾注する予算編成を行った。また職員定数については新たに1,739名削減した。この結果3年間で4,006名の減となり「行財政改革実行プログラム」の削減目標を超過達成させた。世界同時不況の中で、民間企業が正規・非正規労働者の見境無くリストラを強行し、貧困と較差を拡大させている。今、求められているのは、雇用の創出をはじめとした格差是正を行政として打ち出していくことである。しかし、09予算案と長期にわたる定数削減は、都民サービスの後退と職員の労働強化を増大させるものである。
我々が展開した諸行動は、労働組合として要求を実現していく上で当然のことであり、交渉状況を職場に報告すること等は至極当然で正当な活動である。非難されるべきは都当局の交渉態度であり、この様な労働組合活動に対する不当極まりない行政処分など到底受け入れられない。
憲法28条は公務員を含む勤労者の労働基本権を原則的に保障している。公務員の労働基本権制約はILO87号条約(結社の自由・団結権条約)違反である。また、労働基本権の制約に見合う代償措置が本来の機能放棄に加え、国・財界に追随した勧告(報告)を行っている。その下で、労働組合が労働条件に係る交渉状況の報告を行った事等に対し、行政処分を科すことは「裁量権の濫用」である。
都庁職は、不当な行政処分に強く抗議し、都当局に対し処分の即時撤回を求めるとともに、引き続き職員の労働条件改善と都民生活を守るために闘うことを表明するものである。
以上
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