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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

「平成21年度(2009年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明

2009年1月16日
東京都庁職員労働組合

 1月16日、東京都は「日本経済が危機に直面する中にあって、短期・中長期両面から、都政が今日なすべき役割を確実に果たすことによって、都民へ『安心』をもたらし、『希望』を指し示す予算」と位置づけた「平成21年度東京都予算(原案)」を発表した。一般・特別・公営企業会計で総額12兆8,338億円となっている。この「原案」は都税収入(4兆7,577億円、前年比△13.6%)の減を見込み、一般会計は今年度当初予算より2,580億円減額(3.8%減)の6兆5,980億円としつつ、4年連続で6兆円を超えるものである。
 「都税収入の減少」を誇大にキャンペーンする中で、原案の内容は、三環状道路(首都高速中央環状線・外環・圏央道)など交通網の整備をはじめとした都市基盤整備に引き続き大きな予算を投入している。さらにオリンピック基金1,000億円積み増し(計4,000億円)など、オリンピック関連事業にもシフトする姿勢を変えていない。本来、行政が担うべき福祉・医療・教育・雇用など都民生活に直結する施策の配分は低く抑えている。
 職員定数では1,739人減(知事部局1,162人減)で、3年間で4,006人の定数を削減し、目標を超過達成させた。主な内訳は、老人医療センター・老人総合研究所の地方独立行政法人化・豊島病院の公社化、さらに廃棄物埋立作業等の包括的委託、職員研修の委託、築地市場の電話交換業務の委託拡大等である。その一方で、警察(62人)や東京オリンピック・パラリンピック招致本部等には増員している。監理団体の所要人員は、組織再編等の「事務事業見直し」で584人削減、新規事業・豊島病院の公社化など都からの移管事業等で917人増員され、総数で333名の増となった。内訳では都派遣職員が208人増員されている。
 組織改正は、東京オリンピック招致体制を引き続き強化する一方で、都民サービスの低下に直結する老人医療センターの地方独立行政法人化(東京都健康長寿医療センター)や豊島病院の公社化等大きな問題がある。
 さらに都立公園や福祉施設等で指定管理者・民間委託も進められ、都民サービスの後退・行政の公的責任放棄に直結するアウトソーシングが、充分な検証もなされずに推進された。
 これらは「行財政改革実行プログラム」が掲げた3年間で4,000名の職員削減と事務事業のアウトソーシング、「少数精鋭」の職員体制など都政の構造改革を強引に推進し、昨年末の「『10年後の東京』への実行プログラム2009」が掲げる大企業の利益のための大規模開発を最優先としている。いま都政に求められるのは、オリンピック関連事業やオリンピック招致を口実としたインフラ整備を最優先する施策ではない。「新自由主義」がもたらしたアメリカ発の金融危機に伴う景気後退の中で、一層顕著になった「貧困・格差拡大」に対し、福祉・医療・教育・雇用・住宅・中小零細企業などへの施策を最優先課題とし、都民生活・都民サービス向上に積極的に取り組むことである。
 職員定数では、都政の最前線で働く現業職員をはじめ蓄積された技術や知識・技能の伝承のための充員や、仕事量に見合うゆとりある人員配置、職員が健康で安心して働くことができる職場環境の整備を行い、6兆円を越える大きな予算執行に見合う職員体制を整えることが必要である。都政の「構造改革」による事業の切り捨て=公的責任の放棄を中止し、直営に戻すことは急務である。しかし「原案」は、これら都民や都庁職の要求に全く応えていない。
 また緊急に雇用の拡大が求められる時、都が直ちに正規職員の採用拡大を行うべきである。
 このように都民施策には消極的で、オリンピック招致と都市基盤の整備に傾倒し、都政の構造改革の推進と目標達成のための職員定数削減の強行を含む「平成21年度東京都予算(原案)」に、都庁職は満身の怒りを込めて強く抗議する。現在の経済・都民の生活・職員の状況からみて、とても容認できない。都民のための施策展開と充分な職員配置に転換させるため、今後は復活予算や都議会第一回定例会に向け、ねばり強く闘いを継続するとともに、引き続き、都民が安心して生活できる都政をめざし、都民とともに奮闘するものである。

以上

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