2008年賃金確定闘争の「妥結」にあたっての都庁職の見解と態度
2008年 11月 18日
東京都庁職員労働組合執行委員会
1.はじめに
政府が進める市場原理主義、新自由主義に基づくによる弱肉強食の構造変革は、「規制緩和」「民営化」「自己責任」で資本・大企業の利益を擁護しつつ、あらゆる分野で猛威を振るい「格差」と「貧困」を拡大させ、社会保障を切り捨て、消費税の増税への地ならしの梃子として「公務員人件費削減攻撃」を活用し、その攻撃を強めています。
このことによって、私たちの賃金の削減のみならず、「官から民」をうたい文句に地方自治体を変質させ、資本・大企業の「もうけの場」として狙い打ちしています。
9月中旬のアメリカの「金融危機」により日本経済は悪化・不況の途を加速化し、調節弁とした「派遣労働者」の雇用を打ち切るなど、働く者の雇用の確保と賃金、そして生き続ける権利、生活が脅かされています。
そのような中で闘う都労連2008年賃金確定闘争は、@不当かつ政治的な都人事委員会のマイナス勧告に屈せず、首都東京に相応しい賃金を獲得すること、A労働時間短縮を実現すること、B引き続き協議事項となっている「現業系職員の任用給与制度」を改善し不当な現業賃金引下げを阻止すること、C教職員への新たな職の設置導入と教育賃金改悪を阻止することなどが重要な課題となっています。
都労連は、「労使交渉・合意による自主的解決」を基本な立場として、都当局に対して都労連要求の真摯な検討と労使対等の交渉・協議を遵守させることをめざして11月12日に一時間ストライキ、最終局面に向けて11月18日一時間ストライキを配置し、08賃金・都労連要求実現に向けて不誠実な都当局の交渉姿勢を改めさせ交渉・協議を展開してきました。そのような中、都庁職も特に現業賃金・任用問題、労働時間短縮の取り組みを最重点事項として職場からの取り組みを積上げて、総務局要請行動を配置し都労連賃金確定闘争の勝利をめざし奮闘してきました。
2.主な取り組みの経過
1)3月5日、都労連は都人事委員会に「2008年人事委員会勧告作業に関する要請書」を提出
都労連は、3月5日に都人事委員会に対し、「2008年人事委員会勧告作業に関する要請書」を提出しました。都労連は、@比較対象企業を従前の100名規模にもどすこと、A生計費保障の原則で勧告すること、B勤務時間を7時間45分とする勧告を行うこと、C「昇給カーブのさらなるフラット化」「職責格差の拡大」を行わないこと、D教員の新給料表の勧告を行わないこと、E勧告対象外の「現業職員の給与」の意見表明等は、労使協議への介入であること、F地域手当を本給に繰り入れることなどを申し入れました。
2)3月6日都庁職「08年賃金・労働条件改善に関する要求書」を提出、3月7日東京都人事委員会に対して勧告作業に関する要請書を提出
3月6日、都庁職は都当局(総務局勤労部長)に対し、「08年賃金・労働条件改善に関する要求書」を提出し、その実現を図るよう要請しました。
これに対して都当局は要求を承ったとし、要求内容が多岐にわたっており、都労連事項との整理が必要として、今後精査していくと回答しました。
3月7日、都庁職は東京都人事委員会に対して、2008年賃金闘争での最初の要請行動を実施しました。
3)3月28日の小委員会:「引き続き協議事項」を確認、「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取組方針」策定し、公表
都当局は、3月28日の小委員会で、今年度への「引き続き協議事項」を確認する中で、不当にも都労連の「賃金・労働条件改善に関する要求」や「現業系職員の任用制度」の改善に耳を傾けず、総務省の求めに応じて、「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取組方針」(@都の業務職給料表の水準が、国と比べて2割以上高いことに強い問題意識を持っている。A国・民間の類似職種の給与水準と比べ、依然として高い水準にあるとの問題意識のもと、少なくとも、実質国並みの水準との均衡を図らなければ、対外的な説明は困難であり、給料表の抜本的な見直しが必要である。)を策定し、公表しました。
しかし、東京都の現業の仲間たちは様々な公共サービスの担い手として職場第一線で業務を遂行し、その職種も多岐にわたっており、一様に民間の類似職種と比較することは困難であり、その調査における民間類似職種の比較において、@企業・従業員規模、A雇用形態、B職務や仕事内容などの比較要件が曖昧であり、単純に比較することは出来ないと考えます。
公務サービスの視点や一方的な「効率・非効率」による比較にも問題があり、公務の平等性、安全性など様々な角度から地方自治体の業務を捉える必要があります。
4)4月23日、都労連が都人事委員会に対して要請行動
都労連は、4月23日に都人事委員会に対して要請行動を行いました。都人事委員会は、「@公民比較の企業規模は、同様の考え方で作業、A特別給・地域手当もこれまでと同様とする、B教員給与は、国の動向や教育委員会の考え方を踏まえて検討する、C技能系職員にも、情勢適応の原則は適用される、D勤務時間は、国や他団体の動向を注視し検討、E人事考課制度は評定者訓練等の取組が必要、F仕事と家庭の両立支援、超勤縮減、メンタルヘルス等は要請の趣旨を踏まえて検討」等と回答しました。
5)4月22日に小委員会交渉、5月13日に小委員会交渉を実施し「2008年度夏季休暇の改善要求」を提出
都労連は、4月22日に小委員会交渉、5月13日に小委員会交渉を実施し、「2008年度夏季休暇の改善要求」を提出しました。当局は、景気回復が足踏み状態、各企業とも一律的な賃上げに難色、都税の減収や歳出の増加による厳しい舵取りが強いられる。さらに現業系職員の給与制度について、総務省から着実な見直しを指摘され、国並みの水準と均衡するよう再構築、職務・職責の一層の反映、年功的給与上昇抑制の必要性を表明しました。
都労連は、「業務職給料表」について、都側は総務省の圧力を背景にした主張を押し付けるのではなく、都労連要求に対して真摯な検討を行うよう強く求めました。
この数年間、民間では一定の賃金の引き上げが行われましたが、私たち都の職員は据置勧告を含み6年間マイナス勧告を余儀なくされています。特に昨年は、国ですらプラス勧告となっているにも関わらず、都においては政治的なマイナス勧告であり、私たち都の職員の生活実態を無視したものとなっています。
6)5月27日、都労連は各単組代表者による人事委員会要請を実施し、対都団体交渉を行い、「2008年夏季一時金要求」(夏季一時金2.5月要求)を提出
さらに、都労連は5月27日に各単組代表者による人事委員会要請を実施し、対都団体交渉を行い、「2008年夏季一時金要求」(夏季一時金2.5月要求)を提出しました。
7)6月12日、小委員会交渉(ゼロ回答)、団体交渉
6月12日午前の小委員会交渉では、夏季休暇改善要求・一時金の支給対象・割合・加算制度改善要求などに対して、都側はゼロ回答を示しました。午後からの団体交渉で示された夏季一時金要求に対する都側の回答は、「現行の条例・規則どおり、期末手当1.60月分、勤勉手当0.5月分、合計2.1月分を、再任用職員については、期末手当0.75月分、勤勉手当0.275月分、合計1.025月分を6月30日に支給する」という都庁職組合員の切実な要求にはほど遠い、不満の残る妥結内容となりました。
都庁職は本部委員会で妥結を批准し、引き続き、都労連に結集し、2008年賃金確定闘争を全力で闘う決意を確認しました。
同日の小委員会交渉において、「主任教諭等の任用に関する基本的な考え方」が示され、7月18日に都教育委員会が人事委員会に対して、「公立学校教員の給与制度について」の要望(@主任教諭設置に伴う新たな職務の級の設定、A都行政職給与を基礎とした教員の職務の特殊性を踏まえた給与水準に設定、B小中学校教育職員給料表と高等学校等教育職員給料表の一本化)を行ったことが明らかになりました。
<「主任教諭等の任用に関する基本的な考え方」(平成20年6月10日、教育庁)>
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○ | 職務内容・・・主任教諭・主任養護教諭(以下「主任教諭」という。)は、特に高度の知識又は経験を必要とする教諭又は養護教諭の職として、以下のような役割を担う。
@校務分掌などにおける学校運営上の重要な役割を担当
A指導・監督層である主幹教諭を補佐
B同僚や若手教諭への助言・支援などの指導的役割
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○ | 任用の方向性・・・
@主任教諭の職への任用は選考によるものとし、平成20年11月以降に実施する。
A選考資格は年齢30歳以上、且つ、国公私立学校教職経験8年以上(ただし、都教職経験2年以上)の者とする。
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○ | 任用開始時期・・・平成21年4月1日
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8)7月8日、都人事委員会は技能労務系の民間調査・対象範囲の拡大を明らかにした。7月16日、30日対都人事委員会要請を実施
7月8日、都人事委員会は、総務局から賃金水準把握の必要性の要望があり、4職種(電話交換・運転手・守衛・用務員)にビル施設管理員、調理員を調査対象職種に加えて、技能労務系の民間調査・対象範囲の拡大を明らかにしました。
都労連は、第三者機関が東京都の意向で調査対象職種の拡大を行ったことに抗議しました。現業賃金は労使協議で決定すべきだとその不当性をただしました。また、7月15日の専門委員会で都当局にも抗議を行いました。
7月16日に都人事委員会要請、7月30日に都人事委員会要請、各単組人事委員会要請を実施しました。
また、7月18日に都教育委員会が、人事委員会に対して、主任教諭設置に伴う新たな職務の級の設定などを内容とする「公立学校教員の給与制度について」の要望を行ったことが判明し、都労連は交渉事項に介入することのないよう強く求めました。
9)8月5日、小委員会交渉(都当局は、「業務職給料表見直しの方向性について」「行政系職員の1級職と2級職のあり方」を示す。)
8月5日の小委員会交渉において、都当局は、「業務職給料表見直しの方向性について」「行政系職員の1級職と2級職のあり方」を示しました。
「現業系職員の給与」について、「少なくとも国並みの給与水準と均衡させる」、「ラスパイレス指数122.3(平成19年度)が100になるよう水準を引き下げる」、「見直し方法」については、現行の「業務職給料表作成方針」で作成した給料表から給料月額を引き下げると同時に、昇給カーブのフラット化を実施する方向性を示しました。
また、行政系職員の1級職と2級職のあり方については、職務・職責が同質化している状況にあるとし、職級の統合の見直しの必要があるとしました。
都労連は、@現業系職員が都政の中で果たしている役割と責任からいって、比較論だけで給与水準を引き下げようとする主張は、断じて許せない、A職級の統合の見直しは、ここだけを切り離して考えることはできない、人事制度改善など都労連要求にきちんと応えよと強く求めました。
最後に、都側が都人事委員会に自らの主張を「要望」として押しつけ、公表し、労使交渉を有利に導こうとする都側の姿勢は、労使交渉のあり方として到底容認できないと厳しく抗議し、労使の信頼関係に基づく、実効ある協議を厳しく求めました。
<業務職給料表見直しの方向性について(平成20年8月5日)>
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1.給与水準の考え方
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(1)少なくとも国の行政職俸給表(二)適用職員並みの給与水準と均衡させる。
(2)都内類似の民間企業従業員の給与水準を踏まえる。
※人事委員会の民間給与実態調査結果も参考にする
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2.引下げ水準
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【少なくとも国並みとした場合】
ラスパイレス指数(平成19年度:122.3)が100になるよう、水準を引き下げる。
※地域手当の支給割合引上げに伴う給料月額の段階的引下げ分を含む
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3.見直し方法
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(1)現行の業務職給料表の作成方針を基本として作成した給料表から、給料月額を引き下げる。
(2)昇給カーブのフラット化を実施し、年功的な給与の伸びを抑制する。
(3)級構成は現行給料表どおり、4級制とする。
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4.見直し時期
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平成21年4月
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【参考;業務職給料表作成方針・基本的考え方(現行)】
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◇業務職給料表は、基幹号給を設定し基幹号給間の昇給幅を4分割する形で作成する。
各級の設定は以下のとおりとする。
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ア.1級は行(一)1、2級の合成。ただし、初任給の水準は現行の基準に合わせる。
イ.4級は行(一)4、5級の合成
ウ.2、3級は上記1級と4級の間をおおむね3分割する形で設定;
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同日の小委員会交渉において、都当局は、「教員の人事制度」について、@「主任教諭」設置に伴う新たな職務の級の設定、A教員の職務の特殊性を踏まえたメリハリある給与、B小中と高校教員給料表について一本化が必要と主張しました。
都労連は、教員給与のあり方は、学校現場の実態、教員の特殊性から、都側の主張する「職責・能力・業績をより一層重視する」見直しは当てはまらないと反論しました。
10)国:人事院勧告(8月11日)
人事院勧告は、官邸の都合を理由として勧告予定日が延期され、8月11日に内閣と国会に行われました。
その内容は、月例給(格差が小さい)及び一時金(おおむね均衡)の改定が見送られ、本府省業務手当の新設、医師初任給調整手当の増額、勤務時間に関して「1日7時間45分、1週38時間45分」に改定するものとなっています。
首都東京圏で生活する実態に見合う賃金引き上げを求める声が大きくなっており、今春闘において民間賃金が微増となっているにも関わらず、月例給や一時金が「見送くられた」ことは不満が残るものです。
また、労働時間短縮に関しては、この間の私達の取り組みの一定の成果であり、その早期実現が大きな課題であり、国に先駆けて実施を勝ち取っていかなければなりません。
政府は15日午前中に第1回給与関係閣僚会議を開催しましたが、結論を得ることはできませんでした。閣議後、町村官房長官(当時)は、「今日の会議でもいろいろなご意見が出たところでありまして慎重に且つ幅広く、この問題については閣僚ベースでも議論を重ねていく必要があるテーマであると、そのように受け止めている」との記者発表をしました。
また、公務員連絡会の要請に対し、官房長官は「都道府県の半分以上が給与カットをしており、それを国民が支持している状況がある。国も地方以上に赤字財政になっており、国は努力しなくていいのかという声が出てくる。その時、政府としてどう考えたらいいのか。今回の勧告は給与を上げるという話はないが、国も地方なみに下げるべきという話が出てきたとき、太刀打ちするのが大変だ。まして勤務時間を短縮するということをどうしたらいいのか。悩ましい問題と認識しており、一生懸命検討していく」と発言しました。
人事院勧告制度の役割や歴史的な経過を否定するなど、断じて容認することはできません。人事院勧告を受けて、都労連・都庁職は、8月13日、9月4日に東京都人事委員会に対して、人事院に追随することなく「公民比較方法の見直し」を従来の方法に戻し、地域手当の本給繰入、現業賃金問題の労使協議の尊重、高齢者雇用の希望者全員の雇用保障・制度の拡充など首都東京圏で生活できる賃金水準を確保することを踏まえた前向きな勧告を行うよう要請をしました。
11)8月22日、技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会「中間とりまとめ」公表
総務省は、「技能労務職員の給与に係る基本的考え方に関する研究会」(2008年4月14日に発足)が、8月22日に「中間とりまとめ」を公表しました。
「中間とりまとめ」は、@給料表作成に当たっての基本的な考え方、A民間給与水準の調査・比較方法、B交渉手続き、C説明責任の4つの論点で議論を展開していくとしています。また、都当局と同様に都庁の第一線で働く現業仲間たちの仕事内容や業務実態を十分に理解せず、闇雲に民間類似職種との賃金比較(賃金センサス)を行い、「現業賃金が高いこと」をことさら強調しています。
この研究会の「中間とりまとめ」は、自治体における自主的・主体的な勤務条件決定を否定し、その上で労使交渉による協約締結権が認められている現業職員の労使関係や労使自治に対する不当な介入を行ってきています。
特に、現業職員が交渉を一般行政職員の職員団体と一体となって交渉していることなどが、給与決定に影響を与えていると指摘するなどその不当な主張を許す訳にはいきません。
12)都労連、都庁職、対都人事委員会要請(8月13日、9月4日)
9月4日の都人事委員会要請時に、都人事委員会は、@所定内労働時間については、平均時間の集計だけでなく、所定内労働時間の設定の状況についても分析、国や他団体の動向を見極めつつ、慎重に検討、A教員給与については、都教委に確認を行い、新たな職務の級の設置や、小・中学校教育職員給料表と高等学校等教育職員給料表の一本化を含む、教員給与の見直しを行う方向で検討、B技能労務系従業員の給与調査について、調査対象約400の企業のうち、およそ4割の企業から回答があり、集計・分析作業を行っている、C勧告日は未定と回答しました。
13)9月12日(金)、小委員会交渉
都側は、@任用制度について、「職能」に基づく新たな任用制度の導入や上位級への任用の大幅な拡大については極めて困難、A給与制度について、給与水準を少なくとも国並みに均衡させた場合、給料月額を平均15%程度引き下げることになる、B早期に具体的な見直し案を示し、より踏み込んだ議論を進めたいと発言。また、教員給与について、新たな職務の級の設置や給料表の一本化を基本に協議を重ねていきたい。と主張しました。
都労連は、現業系給与制度について、@現業職場と現業系職員の果たしている役割と現業系職員の切実な声である都労連の主張を受け止め、納得のいく説明をすべき、A任用制度については、都労連要求と「職務給の原則」を相反するものと決めつけず、整合性を踏まえながら検討すること、B給与制度については、15%引き下げる考え方を示したことに断固抗議し、C「労使の認識は依然として著しい隔たり」があるもとで、都側の主張に基づく具体的なより踏み込んだ見直し案を一方的に提起することは断じて許さない。また、教員給与のあり方や考え方について、「新たな職務の級の設置や給料表の一本化を基本に」という都側の主張を前提とする協議には到底応じられない。主任教諭の導入を断念すべきと主張しました。
14)10月 2日(木)、都労連対都人事委員会要請
人事委員会は、特に、「教員給与」「勤務時間」「技能系職員の給与」の3点は、都労連の重点要請であると受け止めているとして、「教員の給料表」について、二本立ての現行給料表を廃止し、一本化することが適当と考えている、新たな職務の級として主任教諭の級の設置について検討を進めている、「勤務時間」について、都内民間事業所における調査結果は、昨年と同様の結果となる、「技能系職員の給与」について、労使協議で決定していることは十分承知している、調査結果も参考にしてほしいと回答しました。さらに、@公民較差は昨年同様厳しいものになる、A地域手当は、支給割合の改定に合わせ給料月額の引き下げ改定を行う、B人事制度は、昇任制度のあり方など言及したい、C職員の働く環境整備について意見を述べる、D勧告日は今月中旬になると説明しました。
15)10月 3日(金)、小委員会交渉
都労連は、「2008年度人事給与制度改善要求」、「2008年度島しょ職員の賃金・労働条件改善要求」、「2008年度都労連福利厚生事業に関する要求」、「メンタルヘルスケアに関する都労連要求」、「『公益法人等派遣法に基づく派遣制度』の改善要求」、「業務上の事故に伴う身分保障に関する改善要求」「高齢者雇用制度の一層の充実を求める都労連要求」の7つの要求を提出しました。
16)10月16日(木)、都人事委員会勧告
10月16日、東京都人事委員会は、2008年度の「職員の給与に関する勧告・報告」を行った。その内容は、公民較差△372円(△0.09%)とし、月例給の引き下げ改定と、特別給の据え置き(年間4.50月分)というものでした。
改定にあたっては、地域手当の支給割合の引き上げ(14.5%→16%)に伴う本給引き下げ分と月例給の引き下げ改定分を合わせて給料月額を平均1.4%程度引き下げ、さらに昇給カーブのフラット化(初任給付近0.0%〜高齢層△1.8%)を図っています。
勤務時間の短縮については、1日当たり7時間45分(週38時間45分)とすることが妥当とし、実施時期を明言しない等の意見にとどめ、労働基本権制約の代償機関としての役割を完全に放棄したものとなっています。
17)10月16日(木)、都労連、団体交渉
都労連委員長は、勧告は、職員の期待と要望を裏切る不当なものといわざるを得ない、それは、@今年も国の総人件費削減方針に追随したもの、A都労連の要請を拒否して教員に係る新たな給料表を勧告したこと、B労使協議事項である現業給与に言及するに至った、として極めて遺憾であることを表明し、現業賃金・給与制度改善要求の解決にむけた決断と、教育現場に混乱を引き起こすことがないよう都労連要求を受け止めることを強く申し入れました。
これに対して副知事から、勧告内容に言及し、勧告の趣旨を尊重し取扱いを検討する。また、当局として「個」に着目した人事管理を実施することと併せ、職責・能力・業績をより一層処遇に反映させ人事制度改革を推進し、今後、厳しい労使交渉となるが、労使の信頼関係をもとに、労使協議を尽くして解決を図る姿勢に変わりはないと表明がありました。
18)10月21日(火)、小委員会交渉(給与改定交渉期の協議事項の項目整理)
都側は、給与改定交渉期の協議事項の項目整理を示しました。第1に教員給与について(@小中と高校の給料表一本化と、新たな職務の級が設置された「教育職給料表」、A新たな給料
表に対応した諸手当の見直し、B職務段階別加算、退職手当の調整額等の見直しが必要)、第2に現業系職員の給与制度について、国との均衡の観点では平均15%程度引下げる必要がある、第3に勤務時間短縮については、行政コストの増大にも繋がらないよう慎重に判断するとしました。
都労連は、勧告に基づく給与改定に応じることはできない、不当な勧告に縛られることなく、都労連要求実現に向けて労使協議を尽くす決意であることや現業系職員の給与制度について、民間調査なるものはとても同種同等の比較とは言えない、勤務時間の短縮は都として早急に決断することなどを強く求めました。
10月16日の第1回都労連中央委員会において、秋季年末闘争方針を確認し、10月22日の単組代表者会議において戦術確認を行いました(11月12日一時間スト予定、18日一時間スト予定)。
19)10月24日(金)、小委員会交渉
10月24日の小委員会交渉において、都労連は、協議に入る前提として都側の協議に臨む姿勢を質し、都当局は、「現業要求」をはじめ、都労連各要求に関して、真摯に検討し協議することを明らかにしました。
そして、@「教育職員人事制度の改正について(案)」、A「業務職給料表の見直しについて(案)」、B「行政系人事制度の改正について(案)」の具体的な提案説明があり、都労連は、「業務職給料表の見直しについて(案)」の即時撤回を求めました。
<教育職員人事制度の改正について(案)>
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▽ | 主任教諭への任用上の取扱いについて
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@ | 主任教諭選考は、本人申込制に基づく選考。受験資格は、年度末現在、年齢30歳以上60歳未満かつ国公私立学校教職経験8年以上。
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A | 選考方法は、職務レポート及び勤務実績による。
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B | 任用開始時期については、平成21年4月1日。
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▽ | 新教育職給料表の適用に伴う給与制度の改正について
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@ | 新給料表における昇格時の号給決定は、現行のとおり、昇格前の給料月額に級別の一定額を加算した額に対応する給料月額に決定する方式を基本。
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A | 新給料表への切替方法については、対応する新級の同額又は直近上位の号給に切り替えることを基本とする。給料表の切替え前後の昇格者同士において、加算措置又は昇給調整を行う。
なお、切替日における給料月額が切替日の前日に受けていた給料の金額に達しない職員には、原則として、給料月額のほか、その差額に相当する額を給料として支給する。
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▽ | 給料の調整額について
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@ | 調整額については、公民較差に基づく改定に関して、従前の例により改定し、新給料表適用に伴う改定は、新たな職務の級の設置等を踏まえて改定する。
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▽ | 期末手当及び勤勉手当の職務段階別加算制度について
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@ | 現行の経験年数による加算割合を見直す。具体的には、主任教諭である新3級適用者については、行政系職員との均衡も踏まえ、3%加算し、分化後の教諭等の新2級適用者については、加算の対象外とする。
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A | 職務段階別加算制度の区分及び加算割合を基本としている退職手当の調整額についても、同様の改正とする。
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▽ | 旅費について
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@ | 日当、宿泊料等の取扱いについて、行政系と同様、職務の級に応じた区分設定へと改正を行う。
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▽ | 実施時期について
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@ | 新教育職給料表の実施時期に合わせ、平成21年4月1日を基本する。
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▽ | 義務教育等教員特別手当などについて
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@ | 具体的には、平成21年1月から、国庫負担金の取扱いが給料月額の3.8%から3.0%に縮減されることを踏まえ、相当する引下げを行うとともに、新給料表の適用に伴う必要な改定も併せて行います。
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A | 「主任教諭・主任養護教諭に係る任用上の取扱い」、「給料の調整額」及び「義務教育等教員特別手当」に係る具体的な交渉については、教育職員特有の制度であることも考慮し、任命権者と単組との間における協議に委ねたい。
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<業務職給料表の見直しについて(案)>
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▽ | 現業系職員の給与について
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@ | 国や民間の給与との均衡を図る観点から、給料表の見直しを行います。具体的には、給料表の水準について、昇給カーブのフラット化を行いつつ、平均15%引き下げます。見直しに当たっては、現行の給料表作成方針を基本としながら、行政職給料表(一)の1級及び2級の統合を反映しつつ、給料月額を引き下げるものです。なお、初任給については、国に準じた額とするため、付近の号給について、引下げを抑制することとします。
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A | 現在、在職している職員に関する新給料表への切替方法については、職員が切替日の前日に受けていた号給の給料月額の同額又は直近上位の号給に切り替えることとする。なお、切替日の前日に受けていた給料月額が、新給料表における最高号給の給料月額を超える場合は、最高号給に切り替えるが、その差額に相当する額を給料として支給し、期末・勤勉手当及び退職手当等の算定基礎とする。
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B | 切替方法については、同額又は直近上位の号給に切り替えることとする。なお、切替前の職員間の号給差を切替後も一定程度反映させていくため、現在支給されている給料の号給に応じて、1号から3号を基本として昇給調整を行う。
また、給料の調整額については、今回の給料表の水準引下げに合わせて改定する。
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▽ | 実施時期については、平成21年4月1日からとする。なお、勧告給料表の実施時期から平成20年度末までの業務職給料表については、現行の業務職給料表の作成方針に基づき、「業務職給料表の改定について(案)」のとおり。
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<行政系人事制度の改正について(案)>
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@ | 職務分類基準(T)における1級職及び2級職について、職務・職責が同質化している実態を踏まえ、統合した上で新1級職とする。
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A | 任用制度については、今回の職級の統合に伴い、現行の2級職昇任選考を、平成20年度の選考から廃止する。これに伴い、主任級職選考については、現行の必要在職期間等と現行2級職昇任選考に必要な在職年数とを合わせ、新主任級職選考の選考資格とする。
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B | 実施時期については、平成21年の選考からとする。
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C | なお、現行の准看護師3級職選考についても、新主任級職選考の考え方と同様に改正する。
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20)10月28日(火) 専門委員会交渉、29日(水) 専門委員会交渉、小委員会交渉
10月29日、都労連単組書記長、賃対部長会議が開催され、小委員会交渉の報告がありした。都当局は10月24日の都側提案の補足説明として、@教育職員の人事制度については、新たな教育職給料表への切替方法について、対応する新級の同額又は直近上位の号級が基本、職務段階別加算の教諭に対する加算の廃止、退職手当の教諭期間のポイント付与の廃止し、旅費の日当・宿泊料等を職務の級に応じた区分に変更、など説明を行いました。Aまた、業務職給料表の見直しについては、見直しに伴う切替について説明し、給与水準と標準生計費との比較を示しました。B勤務時間の短縮については、今後の国の動向や他道府県の検討状況を引き続き注視し、各局へ影響調査を行い、都民サービスの低下等を招かないよう見定めて行く必要があると主張し、都労連は全面的な反論を行いました。
21)10月30日(木) 団体交渉(一時金要求)
10月30日15時30分より団体交渉を行い、年末一時金要求(3.0ヵ月分を12月10日までに支給)を提出し、11月17日までに回答することを求めました。
(都労連は、同日島しょ要求実現の対都要請行動を実施しました。)
22)11月5日(水)、6日(木) 専門委員会交渉 7日(金)小委員会交渉
小委員会において、都当局は、「都労連要求については、現在検討中、時間を貸してほしい」と回答した。一方@現業賃金見直し案の影響について、現給保障対象者は全体で約6割であり、1級の41%の職員が最高号級に達し、2級は90%、3・4級は100%になる。40歳台前半で達する職員もいる。A教員の人事制度に関して、切替の加算措置は追い越し防止・職責差反映等の観点から、昇給調整は追い越し防止の観点から実施、Bメーデー職免の承認者が減少し、国にはない制度で、制度のある道府県は2団体であり廃止提案をしており今回結論をだしたいと主張しました。都労連は、@現業組合員の役割や責任を正しく評価すれば、このような酷い改悪案は提案できない。A教育職員に「主任教諭」を導入する必要性を納得いく説明を行うことが先決。Bメーデー職免は、労使で見直しを行い、制度的に問題はないと回答しました。都労連要求に早急に回答することを強く求めました。
(5日に都庁職は、都庁職総決起集会、対都要請行動を実施しました。)
23)11月8日(土)、9日(日)、10日(月)事務折衝(機関待機)、専門委員会交渉
都労連は、9日の専門委員会において、速やかに都労連要求の検討内容を示すよう都当局に求めました。当局は9日の専門委員会で「この間の3つの要請を受け、現在検討を重ねている段階で、今示すことは困難であり、時間をかしてほしい。」と回答しました。
都労連は、「協議が進むかは当局の姿勢にあり、早急に都労連要求の検討内容を示す」ことを当局に求め、10日に再度専門委員会を開催を確認しました。しかし、10日の専門委員会においても都当局は「本日も検討内容を示すことができない。時間を貸してほしい」と不当な見解を示し、都労連は、「11日(火)10時から小委員会交渉を実施することとその場で回答すること」を求め終了しました。
(10日、都労連現業要求実現対都要請行動、総決起集会・デモを実施)
24)11月11日(火)小委員会交渉、単組代表者会議、単組書記長要請
(2週間にわたり、都当局は「検討中、時間をかしてほしい」の回答に終始する。)
都労連は、労使交渉で自主解決を図る立場にあり、一方的な都当局提案を押し付けるのではなく、都労連要求の検討結果を示すことを求めた。都当局は、「鋭意検討中で、しばらく時間を貸してほしい」との回答に終始し、都当局の責任で事態打開を図るよう求めました。
単組書記長要請行動において、6単組書記長から各単組の実情に応じて、@交渉態度を改めること、A現業改悪提案の撤回すること、B教員賃金反対であること、C時間短縮を実現すること、D都独自の主体的な判断による交渉姿勢を取るよう求めました。
労務担当部長は、「鋭意検討中、時間を貸してほしい、上司と相談し、早急に回答する」と答え要請を終えました。
要請を受けて、16時30分から委員長・総務局長会談が開催され、総務局長は「@年末一時金での都労連委員長(自主解決、自主決着の立場にあり、都労連要求を受け止め真摯に協議を行い、現業賃金改悪提案を撤回し、労使交渉による速やかな解決を図ること)を重く受け止めている。A副知事は、同団交で「労使交渉で解決する」と発言しており、その立場に変わりない。B当局提案を都労連の意見を斟酌して更に検討し、その結果を早急に示す。C都労連要求の検討状況を速やかに交渉の場で示す。」と回答し、都労連委員長は、「都当局が一方的な交渉態度を改め、提案内容を都労連の意見を踏まえ検討し、都労連要求についても検討状況を示すこと」を再確認し、道義性を確保しつつ交渉を進めていくことを交渉の場で明らかにすることを約束させました。
その結果、12日の一時間ストライキを中止し、29分時間内職場集会で交渉状況を報告し、賃金確定闘争の山場に向けた取組みへの結集を図ることにしました。
25)11月12日(水)29分時間内職場報告、小委員会交渉
昨日(11日)の都労連委員長・総務局長会談を受けて、改めて確認のための小委員会交渉が行われました。
26)11月13日(木)専門委員会交渉、小委員会交渉
16時から専門委員会交渉、16時45分から小委員会交渉が行われ、「教育職員の人事制度の改正に関する修正案」(新教育職給料表への切替えで、新2級適用者の教諭、専修実習助手等の一部について、追い越し防止の観点から、1号から3号の昇給調整を実施実施の対象から、栄養教諭、専修実習助手及び主任寄宿舎指導員を除くというもの)と「現業系職員の任用制度に関する見直し案」(選考種別のAとBを統合し、受験資格を1級職歴19年以上、年齢を58歳未満とした上で、下限年齢を撤廃し、一定の経過措置を設ける。実施時期は、平成21年度の昇任選考から実施というもの)が当局より示されました。
都労連は、「教育職員の人事制度の改正に関する修正案」、「現業系職員の任用制度に関する見直し案」について、都労連要求を一部反映したものの、全体の解決にはほど遠いものであり本質的な問題解決と一日当たりの勤務時間短縮への決断、島しょ要求、福祉関連要求などの諸要求に対して踏み込んだ検討結果を早急に示すことを求めました。
27)11月14日(金)給与関係閣僚会議で勧告の完全実施を閣議決定、専門委員会交渉、小委員会交渉、15日(土)専門委員会交渉、16日(日)専門委員会交渉、単組書記長による人事部長、労務担当部長要請
11月14日(金)には、給与関係閣僚会議が開催され、人事院勧告の勧告通りの実施が閣議決定されました。
また、14日16時から専門委員会交渉、引き続き小委員会交渉が行われました。
都当局は、「人事給与制度に関する基本改善要求」「行政系及び教員系人事給与制度に関する改善要求」「現業賃金・給与制度に関する改善要求書」についての、「現時点での考え方」を示すとともに、「島しょ職員の賃金・労働条件改善要求」「福祉関連要求」「メンタルヘルスケアに関する都労連要求」「労働時間短縮・休暇制度の改善要求」に対する考え方を明らかにされましが、都労連は、全体的に不十分であり都労連の主張や要請を受けて踏み込んだ検討を示すことを求めました。
翌日(15日)の専門委員会では、都当局は「業務職給料表見直し提案や都労連要求について鋭意検討中、時間を貸してほしい」とし、都労連は、このままでは協議が進まないと主張し、早急に対応することを求めました。
16日(日)15時30分からの専門委員会交渉においても、当局は昨日同様の回答を繰り返し、協議を進めていくために17時30分から単組書記長による人事部長、労務担当部長要請行動を実施しました。人事部長は「現在鋭意検討を進めており、全力を挙げて検討中で時間を頂きたい」と回答し、早急に検討結果を示すことを都労連は求めました。
28)11月17日(月)回答指定日であり、専門委員会・小委員会交渉を実施し、検討結果を質す
単組委員長による総務局長要請、都労連委員長・副知事会談
17日(月)9時30分から単組代表者会議が開催され、取り組み状況報告と都労連の最終局面での交渉に臨む決意が表明され、10時15分から専門委員会交渉、引き続き小委員会交渉が行われました。当局は、@教育職員人事制度の改正について(修正案)、A業務職給料表の見直しについて(修正案)、B技能主任職昇任選考の見直しについて修正案、C専修実習助手選考及び主任寄宿舎指導員選考における資格基準の見直しについて(案)、D昇給基準の見直しについて(案)E期末手当における在職期間からの除算制度の見直し、F病気休暇を時間単位で取得できる要件の拡充について(案)、G島しょ赴任職員に係る帰住旅費の見直しについて(案)、H再雇用職員及び専務的非常勤職員の介護に係る欠勤の取扱いの見直しについて(案)、I職員の勤務時間短縮については、今交渉期以降、速やかに協議していく等の提案内容の修正点や都労連要求に対する回答を行ってきましたが、都労連は要求を踏まえたギリギリの回答とは受け止められないとして再考を求めました。
13時30分からの単組代表者会議において、交渉状況の報告を受け、単組委員長・常駐部による総務局長要請を実施していくことを確認し、14時30分から総務局長要請を実施し、15時30分に第五波総決起集会を開催しました。
その後、18時45分に都労連書記長に事務折衝の申し入れがあり、18時50分から事務折衝を行いました。都当局は、都労連委員長に副知事が会いたいというものであり、持ち帰り戦術委員会で議論を行いました。都労連は、当局が最終判断を示すものと受け止め、単組代表者会議に「副知事との会談を受けること」の確認を求め、その上で各単組からの意見を聞き、20時15分から都労連委員長は副知事との会談に臨みました。
副知事・都労連委員長会談で、副知事は「@現業系職員の皆さんが、第一線の現場で、日夜、ご尽力いただいていること、都政の様々な分野において大きな役割を果たされていることは十分に承知しており、そのことに深く感謝しております。A今後も、皆さんのご協力を是非ともお願いします。Bまた、教員の皆さんが、困難な課題が多い学校現場において、児童・生徒の教育に日々ご尽力されていることも、同様に考えております。C委員長からお話のあったことについて、今、私が申し上げたことも踏まえ、交渉責任者として、最終の判断を行いました。是非とも、ご理解願います。」とコメントを明らかにし、次のような最終提案を行ってきました。
@教育職員の期末手当及び勤勉手当における職務段階別加算、A教育職員の退職手当(調整額区分)、B専修実習助手選考(短期)受験資格、C業務職給料表の見直し(ア.給料表の水準を平均8%引下げ、イ.実施時期:平成22年4月1日、ウ.交通局現業職員の給料表は現行どおりの取扱いとする。エ.給料の調整額に給料表見直し分は反映させない。)、D技能主任職昇任選考(A<短期>とB<長期>を統合、1級職歴16年以上、年齢58歳未満、経過措置2年間<平成23年度本則化> 平成21年度:1級職歴18年以上、39歳以上、 平成22年度:1級職歴17年以上、36歳以上)、E子どもの看護休暇<都労連要>(9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子が複数いる場合には、6日以内で必要と認められる期間を取得できるよう改正(子1人につき5日を限度)、実施時期:平成21年1月1日)、F時間短縮については、「早期実施に向けて、協議に入る。」、G現業系職員の任用問題は引き続き協議とする。などと回答しました。
都労連は、戦術委員会、単組代表者会議において、最終回答として受け止め一定の譲歩をさせた部分もあるが、非常に厳しい判断をせざるを得なかった。現業問題をはじめ公務員に対する攻撃は強める傾向にあり、組合員の要求実現に応える組織として取り組みや要求を再構築し闘う決意であり、今回の到達点は合意できるものではないが苦渋の判断として「妥結」していきたい。ストライキの中止を確認し、詳細事項について引き続き協議を進めていくことを確認し、単組代表者会議を終了しました。
都庁職は、この判断を受けて、執行委員会及び拡大闘争委員会を開催し、経過の確認と妥結及びストライキの中止を確認しました。
3.妥結内容(骨子)
■2008年給与改定
○ 人事委員会勧告で示された例月級の改定については、公民較差(△372円、△0.09%)と地域手当の支給割合の引き上げ(14.5%→16%)に伴う引き下げ分と合わせて引き下げ、平成21(2009年)年1月1日から実施し、「所要の調整」は三月期の期末手当において実施する。
■2008年末一時金
○ 年末一時金については、現行条例・規則どおり、期末手当を1.65月、勤勉手当を0.5月、合計2.15月分を、再任用職員については、期末手当を0.95月、勤勉手当を0.0275月、合計1.225月分を12月10日に支給する。
■行政系人事制度
○ 行政職給料表(一)の1・2級統合に伴い、現行の2級職昇任選考を廃止する。
○ 現行の主任級職選考について改正し、新主任級選考として実施する。
■業務職給料表
○ 給料表の水準を平均8%引き下げる。
○ 実施時期は平成22年4月1日とする。
○ 交通局現業職員の給料表は、現行どおりの取り扱いとする。
○ 給料の調整額に給料表見直し分は反映させない。
○ 給料表の水準引き下げに伴い、一定の号給増設を行う(1級及び2級は90号給程度、3級及び4級は60号給程度)。
○ 新給料表への切替えは、切替日の前日に受けていた号給給料月額の同額又は直近上位の号給とする。また、現給が対応する級の最高号給の給料月額を超える場合は、当該最高号給に切り替える。切替日における給料月額が切替日の前日に受けていた給料の金額に達しない場合は、原則、給料月額のほか、その差額に相当する額を給料として支給し、地域手当、期末手当、勤勉手当、退職手当等の算定基礎とする。
■地域手当の支給割合
○ 区部・多摩公署における地域手当の支給割合を14.5%から16%に引き上げ、都外公署においては、13.5%から12.5%に引き下げることに伴い、経過期間中の特例等の支給割合を変更する。
■期末手当における在職期間からの除算制度
○ 期末手当における在職期間の除算事由から部分休業を除外する。
■特地勤務手当及びへき地手当の最高限度額
○ 行政職給料表(一)等の1級及び2級の統合並びに新たな教育職給料表の適用に伴い、特地勤務手当及びへき地勤務手当の支給月額の算定基礎となる給料の月額限度額を改定する。
■昇給基準
○ 介護休暇取得に係る欠勤等の日数換算について、1日をもって1日とする取り扱いを1/2日換算とする。
■島しょ赴任職員に係る帰任旅費
○ 島しょの産休代替職員の任期終了に伴う退職に係る帰住旅費を支給する。
■技能主任職昇任選考
○ 選考種別AとBを統合し、受験資格:1級職歴16年以上、年齢58歳未満、経過措置2年間<平成23年度本則化>
平成21年度:1級職歴18年以上、39歳以上、平成 22年度:1級職歴17年以上、36歳以上)等を改正する。
■子供の看護休暇
○ 9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子が複数いる場合は、6日以内で必要と未止まられる期間を取得できるものとする。ただし、子1人につき、5日を限度とする。
■病気休暇を時間単位で取得できる要件の拡充
○ 「がんに対する抗がん剤、放射線による治療及びこれに準ずるもの」については、おおむね1月以上の期間にわたり2週に1回以上の頻度で治療を受ける場合に取得することができることとする。
■再雇用職員及び専務的非常勤職員の介護に係る欠勤
○ 年度内を初年度として承認した、介護を必要とする一の継続する状態について、雇用更新時においても、介護欠勤を承認することができることとする。
4.都庁職としての見解と態度
都労連は、11月11日の都労連委員長と総務局長会談において、都当局が「都労連の意見・要求などを斟酌し検討し、要求についても検討状況を示す」という回答を受けて11月12日の一時間ストライキを中止し、都労連と都当局の交渉促進が担保され専門委員会・小委員会交渉を取り組みましたが、18日の一時間ストライキを背景にしつつ、当局の不誠実な交渉態度・姿勢を糾し精力的な交渉を都当局に求めました。
そのような中、11月14日に人事院勧告完全実施の閣議決定が行われました。
都労連は、都当局に強く交渉促進を求め、単組書記長による人事部長要請、単組委員長による総務局長要請を実施し、都労連要求や職場からの切実な要請を踏まえての踏み込んだ都当局の回答を求めました。
17日の第五波総決起集会後、都当局から副知事と都労連委員長との会談の申し入れがあり、都労連は、単組代表者会議で各単組からの最終局面での意見を聞き、20時15分から都労連委員長は副知事との会談に臨みました。
副知事・都労連委員長会談では、最終回答が示され、都労連としては苦渋の判断として最終局面での一定の到達点と判断し、各単組に「妥結」の批准を求めストライキを中止し、単組実情に応じた職場報告集会を実施することを決定しました。
都庁職は、08賃金確定闘争の最重要課題である現業任用問題については、引き続き協議を行っていくことや時間短縮を実施していくことを確認しましたが、今後の協議に委ねられた点もあります。また、現業賃金問題は削減内容を押し返したものの不満の残るものとなっており、職場や支部、組合員の理解と納得が十分に得られる到達点になっていませんが、都労連6単組の総合的な判断と今後の取り組みを再構築していくこととし都労連の判断を受け入れて、止む終えないものと判断し以下「妥結」にあたっての見解と今後の取り組みの態度を明らかにします。
(1)給与改定については「都人事委員会勧告どおり、平成21年1月1日実施」、年末一時金については「条例どおり2.15月分(期末1.65月、勤勉0.5月)、12月10日支給<再任用は、1.225月(期末0.95月、勤勉0.275月)>、所要の調整として「本年4月から12月の所要の調整を3月期の期末手当で実施(再任用職員含め)」という最終回答になりました。
都人事委員会勧告は、国及び特別区ですら不十分さはあるがプラス勧告(人事院0.04%:136円、特別区人事委員会0.02%:75円、共に一時金は改定なし)であり、共同調査・データーにも拘らずマイナス勧告(△0.09%:△372円、一時金は改定なし)となっており、極めて不当な政治的勧告だといえます。その上、公民較差でつくられたマイナス原資と地域手当引き上げに伴う本給水準の引下げ分△1.3%のマイナス原資を合わせた平均改定率は△1.4%としていますが、更に給与構造の見直しや職責を反映することなどを理由に「昇給カーブのフラット化(0.0%〜△1.8%)」を行うなど、月例給で4年連続のベースダウンや上厚下薄の賃金構造を強要し、憲法で保障された健康で文化的な生活を保障した賃金には程遠い低賃金を強いるものであり、納得できるものではありません。
今後とも労働基本権の確立とあわせて第二当局化した都人事委員会の不当な勧告や報告に屈することなく、鳴り止まぬ「公務員人件費削減」の攻撃を跳ね返し、首都東京で人間らしく生活できる賃金の獲得をめざし奮闘していくものです。
(2)現業賃金・任用制度問題については、都当局は当初、公民格差などの削減措置に加え、マイナス平均15%の削減(更なるフラット化で△4%から△17%、「現給保障」の名による昇給なしが6割に及ぶ)を提案してきました。一昨年の東交のバス部門の△10%賃金削減問題や清掃・特別区現業労働者に対する△9%賃金削減などの取り巻く環境の厳しさが加わる中で、都労連に結集する6単組の総力と現業労働者の底力、そして職場第一線からの誇り・プライドにより理不尽極まりない当局提案を糾弾し、都政における現業労働者の役割と責任を明らかにさせ、職能に基づく新たな任用制度の確立を求めて取り組みを行ってきました。
現業賃金の水準については、当初の「△平均15%削減」を「△平均8%削減」に押し返し、実施時期を1年引き延ばしましたが、白紙撤回を勝ち取ることができませんでした。
現業の仲間たちの日夜の努力や献身的な業務遂行に水をかける都当局の現業賃金切下げ攻撃を糾弾し、現業の仲間たちの役割と責任対する評価を明らかにしない都当局の姿勢を許す訳にはいきません。今後とも、成果は成果、反省点は反省点として総括し、更なる闘争体制の再構築に向けて奮闘していきます。
また、現業任用制度問題は「引き続き協議」となりましたが、要求を再構築し取り組みの強化を図っていきます。
(3)教員給与問題については、高校と小中学校の教員給料表の一本化や主任教諭の導入に伴う新たな給料表の取扱い(教育労働者の賃金引き下げ)の攻撃に対して、都労連に結集する6単組の団結に基づき取り組みを展開してきました。関係単組と都教委との交渉も厳しいものがありましたが、教員給料表の一本化や主任教諭導入の根拠や理由が不明な中で、長年培ってきた教育労働者の生活と権利、教育への誇りを賭けた闘いが展開されました。
結果として、「教育職員人事制度の改正」に一部経過措置を講ずるなどの修正を勝ち取りましたが、引き続き主任職の設置や新給料表の導入に反対する都高教、都教組の闘いに連帯し取り組みを行っていきます。
(4)行政系人事制度の見直しに関して、1級職及び2級職を統合し、新1級職の新設という結果となり、これにより「1職1級」構成(一般職は1級、主任職は2級、係長職は3級・・・)となり、級格付の廃止からさらに踏み込んで職務・職責に応じた給料表の構造が強められてしまいました。今後とも引き続き「人事給与制度改善要求」の実現に向けて取組みを進めていきます。
同時に人事考課制度の改善に関しては、人事考課制度意見交換会の場において、職場のチームワークやモチベーション低下、メンタルヘルスなどの問題点を指摘し、職場に差別と分断を持ち込む人事管理強化施策に反対し、労使交渉事項とすることを求めて公正・公平・納得・透明性のある人事考課制度と苦情処理制度の確立に向けて取り組んでいきます。
(5)労働時間短縮問題については、都庁職の各職場、支部から「1日15分の労働時間短縮」の声が寄せられ、最重点の取り組み課題となりました。11月14日に人事院勧告完全実施の閣議決定があり、後は「東京都としての独自の判断のみ」という状況の下、都労連6単組組書記長による人事部長要請や単組委員長による総務局長要請の中で強く「東京都の独自の判断」を行うよう求めてきました。
17日の小委員会交渉において、都当局は「実施上の課題に対する検討を図りつつ、今交渉期以降、速やかに協議していく」としていましたが、最終的に「早期実施に向けて協議を行っていく」との回答を引き出し、時間短縮の実施を確認しました。実施時期については、今後の協議に委ねられましたが、試行を含め早期実施できる職場から実施していくことを都労連に要請し、その実現に向けて取組みを強化していきます。
(6)島しょ職員の賃金・労働条件問題に関しては、特に地域手当と特地勤務手当の矛盾を解決することや島しょでの労働条件の改善が強く求められていました。また、人材の育成・確保などの課題も重要な課題となっており、島しょ行政の振興に関して東京都の行政上も大きな課題となっています。
「島しょ赴任職員に係る帰住旅費の見直し」(妊娠出産休暇又は育児休業を取得した教員等の代替として任用され、業務に従事した臨時的任用職員等に対し、その任期満了に伴う退職に係る帰住旅費を支給し、実施時期は、平成21年1月1日以後に退職する職員から適用。)について、一定の回答を引き出し改善を図ることができましたが、島しょで働く仲間たちの労働条件や労働環境の改善に向けて引き続き取組みを進めていきます。
(7)福祉関連要求に関して、「病気休暇を時間単位で取得できる要件の拡充」(病気休暇を時間単位で取得できる要件のうち、「がんに対する抗がん剤、放射線による治療及びこれに準ずるもの」については、おおむね1月以上の期間にわたり2週に1回以上の頻度で治療を受ける場合に取得することができることとし、実施時期は、平成21年1月1日からとする。)や「再雇用職員及び専務的非常勤職員の介護に係る欠勤の取扱いの見直し」(前年度を初年度として承認した、介護を必要とする一の継続する状態について、雇用更新時においても、介護欠勤を承認することができることとし、実施時期は、平成21年4月1日から。)また、「昇給基準の見直し」(介護休暇取得に係る昇給上の取扱いの欠勤等の日数の換算について、1日をもって1日と換算する取扱いを2分の1換算とし、実施時期は平成21年4月1日昇給の判定期間に遡及して適用。)、「期末手当における在職期間からの除算制度の見直し」(部分休業について、期末手当における在職期間の算定の5割除算を、除算事由から除外し、実施時期は、平成21年6月支給の期末手当から適用。)、「子どもの看護休暇」(9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子が複数いる場合には、6日以内で必要と認められる期間を取得できるよう改正(子1人につき5日を限度)、実施時期:平成21年1月1日)などについて、総務局要請行動の発言を踏まえ一定の改善を図ることができました。
以上のとおり、今次賃金確定闘争は、都労連及び都庁職の組織としての存亡賭けた取り組みであり、首都東京で働く労働者の生活権、生きる権利を守る闘いであったともいえます。
政府・財界による新自由主義(市場原理主義)に基づく構造改革の攻撃があらゆる分野で猛威を振るい、消費税の増税の地ならしとして公務員人件費削減攻撃、公務員バッシングの攻撃が強められ、公務員組合に対する解体攻撃や不当な当局の干渉・介入が顕著となっています。
そのような中で、都労連に結集する私たち一人ひとりの組合員の創意と工夫、団結と底力で、不当な総務省や都当局の攻撃を一定程度押し返し、人として働く労働者の生活権、生きる権利を一定程度守り抜いたといえます。08賃金確定闘争で得た組織的な成果を大切にし、不十分さなどを総括しつつ今後の取り組みに生かしていかなければなりません。
都庁職は、今次都労連の妥結にあたっての見解を重く受け止め、更なる職場の団結と組織強化を図りつつ、現時点での到達点とし引き続き現業職員の新規採用や専務的非常勤の制度改善など2009年度予算要求闘争に全力で取り組んでいきます。
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