都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
HOME 都庁職へようこそ 見解 都庁職新聞 ギャラリー リンク
HOME > 見解 > オリンピック招致と連携した緑の東京募金街頭キャンペーンに対する都庁職の見解
見解
 

オリンピック招致と連携した緑の東京募金街頭キャンペーンに
対する都庁職の見解


2008年 2月 7日
東京都庁職員労働組合

1.主な経過

(1)1月23日(水)に、当局の窓口から「情報提供」として、「オリンピック招致と連携した緑の東京募金街頭キャンペーンヘの協力について(依頼)」の概要が都庁職に示された。
 都庁職は、24日(木)の執行委員会において、@1月25日に都庁職として当局に申し入れを行う。A同日、書記長会議で経過と申し入れ状況を報告する。B産別の顧問弁護士の助言を求める。C1月28日の正式な当局の発文以降、各支部で取組みをすすめる。ことなどの「緑の東京募金街頭キャンペーンの経過と取り組みについて」を確認した。
 そして、25日(金)に各支部書記長会議を開催し、キャンペーンの内容などの状況を報告し、関係支部と局との協議を進めることをお願いした。
 都庁職は、@職員を緑の募金のキャンペーンに職務命令で従事させることを強要しないこと、A内心の自由にも抵触するものであり、拒否した場合にも職務命令違反としないこと、B職員自身への当該募金の強要を行わないこと、C職員がキャンペーンに参加したこと、拒否したこと、募金の有無等で、業績評価の対象としないこと等の「申し入れ」を行ったが、都当局は、「事業として『職務命令』で行うものであり、見解が違う」とレて、1月25日(金)午後5時に不当にも「募金キャンペーンの依頼文」を関係各局に発した。
(2)「オリンピック招致と連携した緑の東京募金街頭キャンペーン」の内容は、@実施日は2月2日(士)、規模は、緑の都市づくり構成局の9局を中心に1,000名、A実施場所は、上野公園、都内主要駅頭で、東京駅を起点とすると、立川駅が一番遠く、2時間程度かかる。1班5名程度で、管理職が1名以上入り、1班でキャンペーングッズ150セットを配付し、募金を募る。そして、集まった募金は、班の内の代表(管理職)が、都庁まで届ける、B旅費・休日給等は各局負担し、時間単価平均とすると約2,500円×2時間×1,000名=5,000,000円と旅費、日当(管理職員特別勤務手当)となるという内容であった。
(3)都庁職は、1月28日(月)に委員長を除く三役・専門部長で勤労部長に対して抗議を実施し、その後、勤労部は情報提供の案件であり、交渉ルールを無視した対応を理由として、窓口閉鎖を行ってきた。
(4)こうした状況を踏まえ、2月1日のプレス発表後の勤務時間終了後に都庁職の「抗議声明ビラ」を机上配布するよう指令した(都庁職闘争指令第12号)。また、プレス発表直後に報道機関に抗議声明を配布(投げ込み)することとし、こうした書記長会議後の都庁職の取組み経過を各支部にFAXで報告した。
(5)2月1日(金)の知事記者会見の直前に、都当局から「職務命令で実施することになっていた緑の東京募金街頭キャンペーンについて、ボランティアで実施することになった」旨の連絡が都庁職に入った。
 石原都知事は、「・・・1,000名ほどボランティアを募ってやるのかと思ったら、休日出張費を出すんだって。そんなバカな話はないでしょうって。『いくら出すんだ』って(聞いたら)、給料によってね、違うけども1人2000円単位のお金が出るというから、それはこっけい千万な話でね。いったいその1人がね、街頭に立っていくら募金を集めることができるかわからないけど、どう考えたって逆ざやでしょ。こういう発想が出てくるというのはやっぱり官庁の特徴なんだな。何を考えているか知らんけど・・・」と記者会見で述べた。これは、ボランティアだと思っていた猪瀬副知事が、超過勤務手当や旅費などの支給を知り、石原都知事に伝えて手当など支給の中止が決まったとのことである。
 都庁職としては、今回職務命令で実施が予定されていた「緑の東京募金街頭キャンペーンについて」の在り方などに疑義や内心の自由を侵す危険性もあり、都当局とは基本的に見解を異なるものとして、「緑の東京募金街頭キャンペーンについて」に対して「申し入れ」や抗議を実施してきたところである。
 キャンペーンの前日のこのようなことを受けて、机上配付を中止することとし(都庁職闘争指令第13号)、都庁職は都庁職三役で都当局に対して解明を求めた。
 都当局は、ひたすら「お詫びする。当局の意思確認が不十分であり、職員のみなさんにご迷惑をかけることになり、大変すまない。」と釈明を行ってきた。
 当初都当局は、情報提供として、一方的に実施する姿勢を改めず、都庁職としての「申し入れ」や抗議に対して一切耳を傾けない頑なな態度を取り続けてきた。都庁職は、職務命令で、休日に募金キャンペーンや募金活動に職員を1,000名も従事させることは明らかに労働条件の問題であり、違法性の高い問題であることを主張してきた。率直にそのような都当局の態度を今後改め、@強制にわたらせないこと、A今回のことで無用な不利益を組合員や職員に与えないことや組合員・職員の納得のいく説明と処置を講ずることBキャンペーン実施後問題などがあれば再度申し入れを実施すること都当局に申し入れた。
 そして、2月1日に都庁職として、現場調査を実施することを確認した。

2.都庁職としての基本的な立場

(1)緑の募金は、オリンピック招致のためのパフォーマンスであり、緑化推進は行政が行わなければならない本来業務であり、募金により行うことに疑義がある。
(2)職員がボランティアとして、自らの意志で街頭で募金活動することは妨げられないが、職務命令で街頭に立たせることは、内心の自由の侵害となる。
(3)職員を緑の募金のキャンペーンに職務命令で従事させることに反対である。
@強要しないこと。
A拒否した場合にも職務命令違反としないこと。
B今後、職員自身への募金の強要を行わないこと。
C参加したこと、拒否したこと、募金の有無等で、業績評価の対象としないこと。

3.都庁職としての見解

(1)当初都当局は、職務命令で東京緑の募金キャンペーン・活動を実施するとして、都庁職に情報提供を行ってきたが、都庁職は明らかに休日に1,000人もの職員・組合員に対して「職務命令(超過勤務命令・休日出勤)」を強要するものであり、労働条件に関わる事項であり、都庁職との協議を行うことが必要であることを主張した。しかし、都当局は「見解の相違」を主張し繰り返し、平行線の主張のままとなった。
 猪瀬副知事の発案によるものとのことではあるが、トップダウンで強引に「職務命令」の名の下に職員・組合員を動員することには問題があり、「職務命令」に従わない場合は処分もあると交渉窓口で豪語してきた。
 職員・組合員の内心の自由を侵害するものであり、募金活動=公務労働、事業の一環とすることなど都庁の行政・事業を拡大解釈した横暴な対応は断じて認める訳にはいかない。一般的に募金活動はその業務を掌る部署を除けば、今回の関係9局の大半の職員・組合員は分掌事務上は、通常業務外であり公務労働には馴染まないものであり、募金活動に賛同する職員などがボランティアとして対応することが筋ではないのかと都庁職は都当局に主張してきた。
 その上、超過勤務手当や旅費、日当などを支給することを勘案すれば、当日の募金総額などと比較すれば問題があり、超過勤務手当が充分に支給されていない都庁の職場実態を省みない都当局の理不尽な対応を許すことはできない。このような立場から、都庁職は都当局に抗議を実施してきたところである。
(2)ところが、「東京緑の募金キャンペーン・活動」の実施日の前日である2月1日午後3時の記者会見で、石原都知事は、「ボランティアで対応する」ことを明らかにした。
 このことは、「職務命令」から一転して「ボランティア」となり、職務命令を受けていた職員・組合員を騙し打ちにするもので、さらに半強制的に「東京緑の募金キャンペーン・活動」に参加させるものであり、東京都の組織をなり振りかまわず振り回し、行政の私物化以外の何物でもない。もともと都庁職が主張していたとおり「ボランティア」対応し、都庁職との協議を行っていれば、このような事態にはならなかったといえる。しかし、今回都当局の「ボランティア」は名ばかりのものであり、実質的に「半強制的な勤労奉仕、ただ働き(サービス残業)の『職務命令』」というのが実態である。結局、管理職を含む職員や組合員が迷惑や不利益を被る結果となり納得いくものではない。
 また、集会当日、猪瀬副知事は「都職員が率先して募金キャンペーン・活動を行い、都民の賛同を求めていく」と開会集会で気勢をあげており、「ボランティア」など枕言葉にすぎないことを物語っている。
(3)募金キャンペーン・活動実施後、各支部から@前日、対象者全員に意向調査を行うことができなかった局があり都当局との約束や確認と相違している、A職務命令から「ボランティア」となっても断りづらい面が強くあり、実態は半強制的である、B今後も実施することを猪瀬副知事は公言しているが、堪ったものではない。職員の善意をどのように感じているのか。などの声が都庁職に寄せられており、実施後の問題点を取りまとめ再度申し入れを実施していく。そして、都庁職としての抗議の意思を表明するとともに組織的な行動を展開していく。
(4)最後に、この間、石原都知事は、警視庁職員派遣問題や夕張市派遣など庁内合意を取り付けることなく、一方的にマスコミ宣伝し職員・組合員の意見を無視した対応を取り続けている。このことは、都政におけるファシズム化が進んでいると言っても過言ではない。強引な石原都知事や猪瀬副知事のトップダウンによる行政の引き回しを許さず、都政の民主的な運営を確立していくために多くの組合員のみなさんの都庁職の取り組みへの結集を呼びかけるものである。

以上

ページのトップへ戻るページのトップへ戻る
 

Copyright (C) Tokyo metropolitangovernment laborunion.