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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

「平成20年度(2008年度)東京都予算(原案)」に対する抗議声明

2008年1月18日
東京都庁職員労働組合

 1月18日、東京都は一般・特別・公営企業会計で総額13兆3,855億円の「『10年後の東京』の実現に向けた取り組みを加速し、それを支える持続可能な財政基盤を築き上げる予算」と位置づけた「平成20年度東京都予算(原案)」を発表した。この「原案」は過去最高の都税収入(5兆5,097億円)を見込み、一般会計は今年度当初予算より2,540億円増額(3.8%増)の6兆8,560億円と3年連続で6兆円を超えるものとなっている。
 原案の内容は、「『10年後の東京』への実行プログラム2008」が掲げる三環状道路(首都高速中央環状線・外環・圏央道)など交通網の整備をはじめとした都市基盤整備に莫大な予算を投入する上、オリンピック基金1,000億円積み増し(計3,000億円)など、オリンピック関連事業に大きくシフトしている。本来、行政が担うべき福祉・医療・教育・雇用など都民生活に直結する施策の配分は低く抑え、「受益者負担の適正化」を口実に、一般埋蔵施設使用料(多磨・小平霊園)や都立高校授業料の値上げ等使用料・手数料の「見直し」を行っている。あわせて発表した「平成19年度最終補正予算(案)」と「原案」を一体的に編成し、同「補正予算(案)」の税収増分を主体に「法人事業税国税化対策」の基金を創設して2,185億円を投入する等「備え」を行うとしている。
 また職員定数では1,102人減(知事部局471人減)が示され、主な内訳は、徴収初動業務の一部委託化・老人医療センターの調理業務委託等である。その一方で、東京オリンピック招致推進体制には増員している。
 監理団体所要人員は、組織再編等の「事務事業見直し」で389人削減、新規事業等で335人増員され、総数で54名の減とされた。内訳は都派遣職員の118人減員で固有職員の割合が増加している。
 組織改正は、東京オリンピック招致体制を強化する一方で、都民サービスの低下につながる23区都税事務所の法人二税にかかわるブロック化や、総務局の人事部と勤労部統合等問題がある。
 さらに都政の「構造改革」推進のため、都立高等専門学校の地方独立行政法人化をはじめ事業の指定管理者・民間委託などで一層切り捨て、行政の公的責任放棄などアウトソーシングが一層推進されるものである。

 これらは「行財政改革実行プログラム」と昨年の「追加実施計画」が掲げる都政リストラと少数精鋭の職員体制、3年間で4,000名の職員削減など都政の構造改革を推進するものであり、容認できない。さらに昨年12月21日発表の「『10年後の東京』への実行プログラム2008」が掲げる、オリンピック招致に向けた「都市戦略」を口実とする大企業のための大規模開発を最優先としたものである。
 いま都政に必要なのは、予算をオリンピック関連事業やオリンピック招致を口実としたインフラ整備に優先させ、莫大な都税収入増を「基金」に貯め込むことではない。政府財界の進める構造改革路線により深刻化している「格差社会」に対して、福祉・医療・教育・雇用・住宅などの都民生活を支える施策や環境改善に大きく振り向け、都民サービス向上に積極的に取り組むことである。あわせて都民サービスの最前線で働く現業職員の補充をはじめとして、蓄積された技術や知識・技能の伝承や仕事量に見合うゆとりある人員配置、職員が健康で安心して働き続けることができる職場環境の整備を行うことである。しかし「原案」は、これら都民や都庁職の要求に全く応えていない。
 都庁職は、都民の生活をかえりみず、都政の構造改革とリストラを推進し、一方的で大幅な職員定数削減の強行、オリンピック招致やこれを口実とした都市基盤の整備に傾斜した「平成20年度東京都予算(原案)」に、満身の怒りを込めて強く抗議する。都政を一層変質させる攻撃に対して、組織一丸となって反対するとともに、今後は復活予算や都議会第一回定例会に向け、ねばり強く闘いを継続し、都民のための施策の充実を求める決意である。
 引き続き、都民が安心して生活できる都政をめざし、都民とともに奮闘するものである。

以上

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