石原知事の都職員に関する 「余っているよ」発言についてのコメント
2007年11月8日 東京都庁職員労働組合
第2回執行委員会
石原知事は2007年10月26日に行われた定例記者会見で、「猪瀬副知事からの提案でしたが、自治体から求めがあれば、職員の派遣や受け入れも行っていく。具体的には北海道夕張市に2名の職員を2年間程度派遣する」と発表した。さらに記者からの質問に対して「人はたくさんいます」とか、職員は「余っているね。まだ余っているよ」「余っているから出しているんだよ」と発言した。
知事はこれまで、障害者や女性をべっ視する発言を行い、都民や職員のひんしゅくをかってきたが、今度は石原都政を支えて働く職員に対し、業務の内容や職場実態を全く顧みない許しがたい発言であり、都庁職は強く抗議するものである。
石原都政は3期目に入ったが、これまで2回にわたる「財政再建推進プラン」「都庁改革アクションプラン」、さらに「行財政改革実行プログラム」により都職員の定数は大きく削減されてきた。とりわけ知事部局においては、17,375名もの削減となっている。その内訳は、あらゆる角度からの業務の「見直し」と、福祉施設・都立病院・公園・体育施設などの廃止・統合、あるいは民間委託・移譲、監理団体、指定管理者、公社等への丸投げである。その結果、都民サービスの低下をもたらしていることは明白である。職員の状況を見れば、恒常的に長時間・過密労働が強いられており、とりわけ都庁舎の超過勤務は、職員一人あたり年平均231時間、36協定職場においても163人が年360時間を超える超過勤務を行っていると報告されている。職員の健康状況も深刻であり、30日以上の病気休暇等取得者の割合は、増加の一途をたどり、その半数以上は精神疾患となっている。いずれも石原都政下で職員定数削減が強められ、その結果で現れてきた事実である。
これらが示すように、職員は日夜業務を全うするため、自分の時間を削り、健康を脅かしながらも働いている。どこにどれだけ「人が余っている」のか具体的に示すこともせず、行政のトップである知事が職場実態を無視した無責任な発言をすることは許されるものではない。
この間、2次にわたる「財政再建推進プラン」で示された都税収入見込みに対して、決算額は総額3兆2千億円も増収となっている。しかし、当局は「財政危機」を理由に、不当にも職員定数削減や給与カットを強行してきた。
折しも、「オリンピック招致」に向けた取り組みが大きく展開されている。全職員に対しても署名やバッチが配布されているが、都庁職は記入や着用の強要に強く反対するものである。
都庁職は、引き続き石原知事による都政運営を厳しく監視し、必要な意見表明するとともに、都民生活の向上と職員の労働条件改善に向けて奮闘するものである。
以上
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