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大阪府庁総務事務を大幅スリム化

都庁職が事務の「アウトソーシング」を実態調査

 全国の自治体で、IT化の推進に伴う事務の外部委託化=アウトソーシングが進められようとしています。都庁でもTAIMS端末の個人配備が進む中で当然のように事務の「アウトソーシング」の検討が始まっています。
 このため都庁職では6月20日、大阪府庁で進められている「アウトソーシング」の説明を現地で受けると共に、大阪府職員労働組合と自治労大阪府職総務支部から、対応方針や職場の実態を伺ってきました。その直前には財務局の「途半ばにある財政再建」が公表され、その中で職員定数削減の手法に「アウトソーシング」をあげています。その意味では、時宜にかなった実態調査となりました。

内部事務を切取りアウトソーシング
目的は定数削減に

 最近はどこの自治体でも流行に遅れないようにと「電子○○」と銘打って職員一人1台のパソコン配備を進めています。その結果、理論の上では、人事給与関連等の個人情報を個々人が端末から入力することが可能だということで、その情報を集める場所を従来の各組織の庶務部門ではなく、別の組織(大阪府では「総務サービスセンター」)に集約して処理する、その「総務サービスセンター」を民間に委ね、大阪府7万人の職員の内、350人を超える定数削減を目指すということでした。

様々な問題を無視し強引かつ性急に

 大阪府ではバブル崩壊で新庁舎建設が頓挫、旧来の庁舎で配線も天井からの配線です。スペースにも余裕がありません。そしてパソコン一人1台体制といっても、現業職場、教育現場、病院職場では進んでいませんし、個々人の理解の差に対応した研修の充実が必要なことや、健康管理も当然重要です。
 また、来年4月以降のアウトソーシング実施後の個人情報保護やセキュリティの不安は現実の問題です。
 そしてなによりも、庶務的な事務が、個々人が入力することで処理できるほど簡単なことなのかという疑問が当該の職員から起きています。実際に様々なノウハウの蓄積を基礎に処理している事務を、軽く見ているとすれば稼働後、混乱も起きかねません。

自治体は違っても進めるのは一握りの会社

 大阪府でIT化を進める計画は「電子府庁」アクションプランといいます。どこかで聞いたようなネーミングです。そしてIT化を推進するために職場に「ITインストラクター」を置いていることも、都庁の「ITリーダー」と同じです。ITの知識があるということで「利用」されがちな実態も同じです。
 今回の「アウトソーシング」も大阪府や愛知県、静岡県等が先行して、東京都が追いかける形ですが、自治体は違っても、提案する会社は最初の実績をネタに同じだからと売り込みを図る寸法です。
 ITをめぐり全国一律に進もうとしている「アウトソーシング」が定数削減を主要な目標としていることは極めて問題ですし、業者主導で進むことは将来に問題を残します。都庁OA化の教訓はそこにあります。

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