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こんな職場、こんな仕事
第13回
衛生局支部
府中療育センター

 府中療育センターは、西国分寺南口から府中病院行きのバスで10分足らず、武蔵野の面影を残す一角にありました。
  副分会長で事務の飯島さん、書記長で看護師の山城さん、分会教宣部長で保育士の石井さんに職場を案内していただきました。
 1週間前に文化祭が行われたとのことで、廊下にはカラフルな手作りの工作物が並べられ、暖かい雰囲気が醸し出されていました。

築地

運動機能の維持・生活改善を
めざして訓練する

左から吾妻さん、山城さん、
飯島さん、 石井さん

一人一人の障害に合わせた丁寧な対応

  府中療育センターは1968年に開設され、主に重症心身障害児(者)の医療を伴う福祉的施設として運営されています。施設は大別すると入所施設と在宅重症者を対象とした通所施設(1992年開設)から成っています。
  最初に案内された訓練科では、理学療法、作業療法、言語療法の三部門があり、入所者や通所者に対し運動機能の維持・生活改善をめざした訓練や援助が行なわれています。 
  理学療法では変形拘縮の改善・予防などの訓練の他、障害の程度に合わせた車椅子をデザインすることも重要な仕事のひとつです。高さや長さ等を一人一人の身体にあわせ、その人だけのかけがえのない車椅子を作るのです。作業療法や言語療法の果たす役割も、個々人に見合った訓練等を行なう他、病棟スタッフとの協力や家族への指導など、多方面にわたります。
  病棟は10病棟から構成され、入所者の状態別に医療に重点を置く医療病棟と生活に重点が置かれる生活病棟に分かれています。職員の勤務も利用者に適時適温の食事を摂ってもらうために、朝夕の食事時間帯に人手が必要で、遅出・早出を含めて変則5交代勤務です。

入所者と職員の信頼の絆がひとを育む

 医療病棟である3‐1病棟の定数床は24床、内17床は長期療養者用、7床は支援費制度による短期の利用者用です。人工呼吸器も4〜5台ありました。食事では、チューブを挿入して直接胃や腸に栄養物を注入して摂取している人が20〜22名と大多数を占めていました。口から食事を摂取できる人でも、重度の心身障害者は自力で座位が取れない場合も多く、唾液が気管に入らないよう車椅子を傾けて座らせるなどの工夫が必要です。入浴の時は、変形拘縮のある人には着替えに3〜4人、移動に2人、身体を洗うのに3〜4人の職員が必要となり、病棟全員での対応となります。
  2階にある生活病棟で石井さんが入所者に声を掛けると、合図を送り返してきたり、お尻をずらしながら寄ってきて石井さんと握手をするなど、入所者と職員の間に信頼の絆が築き上げられていると感じられました。
  通所部門は、養護学校卒業後の重症者や在宅の重症者に対し家庭とは別の生活体験を提供し、ひとりの人間として生きるための手助けを行なっています。現在暫定的に1日20名の定数で運用していますが、家族の希望に基づき、民間委託のバスで毎日、多摩各地の在宅重症心身障害者の送迎を行い、通所訓練を実施しています。

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