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都庁職新聞5月号
都庁IT化の行く末を危ぶむ


 2001年3月、石原都政改革の柱の1つとして「電子都庁推進計画」が公表されています。計画では今年度中(平成15年度)に全面稼働するとされています。
 内容は、職員1人1人にTAIMS端末(パソコン)を配備することを基礎に、電子メールや庶務事務の一部(旅費)や文書管理・決裁、支払い事務など「内部管理事務」のIT化をはじめ、都民向けの「電子申請」や「電子調達(入札)」「公金オンライン支払い」「行政情報提供」が含まれています。 
 現在各家庭でもパソコンが普及し、インターネットや電子メールを通じて、これまでは考えられなかった広範な情報に個々人が触れることが可能になり、商品の取引も行われているのも事実です。そうした実態が職場のIT化推進の背景にありますが、個人の責任の範囲であれば、止めることもできる性格のものです。職場の「業務」がIT化されれば、後戻りも困難で、それを使わなければ仕事ができなくなることを意味します。慎重な対応が必要な理由です。

なぜ危ぶむのか

 新宿庁舎移転を前に「都庁OA化計画」に基づいた膨大なシステムが稼働し始めてまもなく、経費の増大に危険信号が出て、見直しから規模縮小を余儀なくされたことがありました。これは、企業主導で東京都自身が導入効果を判定できなかったことにも原因の一つがあるといわれています。「可能であること」と「必要なこと」は別の問題です。 今回のIT化は、そうした経験を踏まえているとは思いますが、そうならない保障はありません。なにしろ政府がIT産業を景気回復の柱にしようと考え、自治体を巻き込んで「電子政府」構想を実現しようと躍起になっているからです。 世界的なITバブル崩壊という事態を後目に、政府・業界一体となった産業振興という「動機」が、不純な要素を滑り込ませる可能性をはらんでいるのです。
 この3月末、某マンモス大学で何万人もの学生の履修登録を一挙にパソコン端末から行った結果、登録が一時期に集中して、管理者側は「サイバーテロ」だとうろたえ、学生はいくら連絡しても登録できず、結局失敗に終わって元のやり方に戻したという笑えない話が残っています。
素人目にも不安は明らかだったのに、業者の口車に乗った結果です。

様々な問題が予想されます

IT化の進展に伴い、様様な問題が起きることが予想されます。

@内部管理事務のIT化が進むことで、人事給与情報の入力が個人や直属の管理職に分散される結果、集約業務自体を会社に委託するアウトソーシングの動きが強まります。実際に大阪府や愛知県、静岡県で検討が進められていますが、目的は庶務部門の定数削減にあります。

A今回の異動名簿を職場のITリーダーが入力させられたことは極めて問題です。かなり負担となった部署もあり、サービスで庶務事務を分担したことになります。

BOA・IT化の進展に伴い、職場から「共同作業」が無くなり、職員個々人が自分で仕事を完結できるような態勢が整いつつあります。成績主義の強化と相まって、職員同士のつながりの切れた会話のない荒涼たる職場が目に見えます。

C長時間のVDT作業に伴う、健康問題も無視できません。

D個人情報保護については都民、職員個人の両面から問題にしなければなりません。住民基本台帳ネットワーク導入の際に問題にされた個人情報は現実に自衛官募集に使われました。様々な都庁のシステムに取り込まれる都民の個人情報も例外ではありません。保護が必要です。同時にTAIMS端末から取り込まれた職員の個人情報も管理者側からは丸見えであり、保護が必要です。

電子都庁のメリットについて

@窓口に来訪する時間・交通費の節約となるとしていますが、高齢化社会を迎えて、高齢者の比率が高くなるなかで、電子申請が便利と受け止められるとは限りません。そして現実にはも本当に申請できたのかどうか確認できず、不安が残ります。
 また、電子申請を行っていると言うことで、パソコンを使えない個人や事業者を排除する「動機」が生まれます。

A事務効率の向上によって職員の余裕とコスト削減、ペーパーレス化が図れるとしていますが、余裕は人事部によって定数削減に読み替えられますから現実には不可能です。また、コスト削減といいますが、例えば廃止された「週間とちょう」の替わりにTAIMS端末配信されている「とちょうi」ですが、情報量や記載内容から見ても似ても似つかぬ代物で、余り見られていないようです。「週間とちょう」は単に廃止されただけになりました。コスト削減が先行し必要なモノを削るのであれば賛成できません。
 最近、まだ全体に行き渡っていないのに、TAIMSに載っているからということで説明をすませようという傾向が強まっていると聞きます。余裕が失われ相手の置かれた条件への配慮が無くなりつつあるとすれば心配です。
 ペーパーレス化については、都庁OA化の際のふれこみでした。しかし実際には職場は書類に埋まっています。なぜなのかという反省もなく、電子情報化によるリスクや現実の書類を無視した議論は不毛です。

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