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独立行政法人化では中小企業の技術振興ははかれない
都の責任で試験研究の充実を 産業技術研究所
都立産業技術研究所は、中小企業の抱える技術的な問題の解決について、相談・指導、依頼試験、開放試験、研修の開催等を通じて支援している試験研究機関で、年間1万社を超える企業が利用しています。しかし、東京都は、産業技術研究所と城東・城南・多摩地域中小企業振興センターの技術支援部門の直営をやめ、06年度から地方独立行政法人に移行させようとしています。
中小企業の求める支援を
産業技術研究所は、試験研究機関を独自に持てない中小零細企業にとって、なくてはならない技術支援の公設試験研究機関です。
工場数で全国の製造業の1割を占める東京の中小企業は、平均従業員数が10人と小規模。長期不況の中でピーク時に10万社あった製造業は現在5万社に半減しています。経済のグローバル化に伴う空洞化や後継者難がその要因です。
世界の企業と競争している東京の中小製造業にとって、製品開発力や技術力の向上が大きな課題です。
中小企業・都民の課題に応えて
産業技術研究所は、皮革と食品以外の全ての製造業を対象にしています。
北区の西が丘庁舎では、機械、エレクトロニクス、情報、化学、金属、環境などの業種を対象に支援をしています。
墨田庁舎では、繊維製品の企画、デザイン、生産技術、品質評価などの研究、各種性能試験を。八王子庁舎では、糸から織物を作る一連の設備を有し、研究、各種技術支援とともに、品質試験やクレームの解析試験を。駒沢庁舎では、放射線照射や計測などの放射線利用技術や、放射線の生物的影響評価などの研究や技術開発を行っています。
また城東・城南・多摩地域の中小企業振興センターに研究員を派遣し、地域に密着した業務を行っています。
しかし、東京都は昨年5月に、「行政権限を行使する試験研究機関以外は、来年度より原則として直営を廃止する」という方針を出しました。産業技術研究所の独法化はこの方針に沿って進められています。
中小企業と連帯産業技術研究所の役割発揮を
経済支部は、この一年間、独法化問題についての学習会、宣伝活動などを行うとともに、産業労働局に対し、なぜ独法化なのか、検討経過を含め明らかにせよと迫ってきました。しかし、局は、十分説明をしないまま、独法化を進めています。
利用者である中小企業者からも多くの疑問、不安の声が上がっています。
「民間の検査機関では儲けに繋がる試験ばかりにシフトし、しかもパートでこなしているため、技術レベルが低く、試験結果に信頼性がない。この点、産技研のデータは信頼性が高く、社会での評価、信用度が高く、試験結果に対しての技術的な指導も受けられる。やる気のある中小企業や人材の育成を、これまでどおり継続するためにも都立産技研の存続を」の声が、また試験手数料が引上げられるのでないかなど、懸念する声が多数寄せられています。
関口邦彦支部長は、「独法化は、『行革推進』のための手段であり、徹底した人件費抑制を目的としたものです。
独法化されれば、経営面での『採算性』『独立性』『効率性』が優先され、依頼試験手数料の引上げ、技術相談などの有料化、中小企業が必要とする事業の廃止などが行われる危険があり、中小企業の技術振興を図るという東京都の責務は果たせなくなります。中小企業の振興を図るという都の責務を果たすためにも、また、職員の身分、働く権利、労働条件を守るため、厳しい経営を強いられている業者と連帯して、引き続き運動を進めていきます。」と決意を語っています。
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研究で光触媒を合成中 |
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絹糸の加工に関して技術相談に訪れた染色業者さんに対応している |
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建学に訪れた専門学校生に染色について解説している |
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製造関連開放機器(ニードルパンチ機:不織布の製造に使用するもの)を使用中の業者さん |
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ニット業界団体に関して行った研修会でニット製品に関連した様々なクレーム(変色、変形、穴あき等)について事例とその対処方法について解説している |
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