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行政のあたたかい支援で
三宅島民の生活基盤の確立を
00年9月に三宅村全島民に避難命令が出てから4年4ヶ月になろうとしています。昨年の12月2〜3日、都庁職の河野書記長・柴田調査部長・西村教宣部長は、本年2月の三宅島への本格帰島に向けて奮闘している三宅支部の組合員への激励も兼ねて現地調査を行いました。島では、主要道路や水道、電気、電話などのライフライン復旧が急ピッチで進み、商店2軒、郵便局・食堂・床屋(各1軒)、民宿6軒が開業、2月の復帰に向けて準備は着々と進行していました。しかし、島では、昨年11月8日から12月8日まで注意報(2PPM以上で屋内避難またはガスマスク着用)21回、警報(5PPM以上で避難)1回が出るなど、安心・安全と断言できない状況です。本格帰島に向け現地で裏方として奮闘している組合員の生の声と島の現状を聞いてきました。
安心・安全でない所での勤務はストレスが蓄積する
都庁職の現地調査団は、12月2日の夜竹芝を出発、翌朝5時過ぎに三宅の錆が浜港に到着、帰島支援現地対策本部の山上さんの車で支庁へむかいました。
3交代勤務者で毎朝8時30分からのミーティングに参加しました。当日の朝方は、11月30日に2年ぶりに噴火して以来2回目の噴火があり、被害状況の報告、早番、宿直、他部署からの報告・引き継ぎなどが行われていました。
ガス不安・まずい水 携帯電話何とかして
終了後、組合員との懇談を行いました。
組合員からは、「ガス噴出の続く三宅島に長く滞在することによる健康不安」「水道は復旧したが、浄水器を使用している人もいる。賞味期限の近い災害対策用のペットボトルを使用してきたが、もう底をついた。なんとかしてして欲しい」「携帯電話は、ドコモしか使用できず、一部公用携帯はあるとはいえ、全員分は無く買い換えをしなければならず、事実上『公用』となり、プライバシーの点からも、料金個人負担の面からも問題だ」「三宅島は湿気が多い、火山ガスが発生すると窓は開けられない。これから来る人のためにも、エアコンを設置してほしい」「精神・肉体的負担が重たいのだから特別手当を」など、厳しい環境の三宅島で働いている職員の心からの訴えがありました。
被害のあった箇所と無い箇所の違いの大きさに驚き
懇談後、山上さんの案内で調査を行ないました。案内でショックを受けたのが三池地区の住宅被害の凄まじさ、屋根と壁は吹き飛ばされ、自動車は火山灰に埋まり、車の運転席には雑草が生えているありさまです。三宅空港から山頂に向かって右側半分の斜面の杉林が、ほぼ全部ガスの被害によって立ち枯れし、皮がはがれ、真っ白の景観は不気味でした。中腹から空港近くに降りて来る途中、辛うじて青葉を出している椿・サカキ・ススキの生命力の強さに感動しました。なぜ全島避難しなければならなかったのかが現場をみて初めて実感できました。
商店では、一定の物は揃っていますが、タマネギ1個80円、大根280円など生野菜類の高いのにビックリしてしまいました。
保健所は、現在5人で対応しており、1月に医師、2月に獣医・検査技師・保健師が着任し13名体制になるとの事です。島民離島後、猫の大量発生を防ぐための避妊手術の話など苦労話なども伺い、職務住宅の修繕状況の見学を行いました。
「公から民」では果たせない自治体の役割
これから本格帰島が始まりますが、村の調査では、9月現在、2052人が帰島(避難時の島民は、3829人)を希望しているとのこと。村営住宅210戸の改善・建設、被害の少なかった住宅の屋根・壁・畳の修繕、シロアリ対策や小・中・高(各1校)が4月1日開校に向けて準備が進んでいます。しかし、農地(200戸)は、草が生い茂っており、灰の撤去は未着手、公営住宅を使えない職員の職務住宅の確保(地元高濃度地区居住者)等これから解決しなければならない課題が多いとのことです。職員は都独自事業の推進、関係部署との調整と日夜奮闘しています。現地取材することにより、自治体の果たす役割の大きさ、重要性をあらためて痛感しました。
都庁職は、自治体が帰島した島民・帰島できない島民が安心して生活を営むことができるよう万全の対策を行うよう強く求めます。05年は三宅島民にとってスタートの年です。安心して暮らせる島にするためにともにがんばりましょう。
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