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健康 メンタルヘルス講座(1)
部下をうつにさせない上司とは
達成感や裁量権がメンタルヘルスの向上に!
現在、日本の職域におけるメンタルヘルスの悪化は大きな社会問題となっています。人員削減による1人あたりの仕事量の増加、都民からの多種多様なニーズなど、都の職場も例外ではありません。そこで、職場でのメンタルヘルスを向上させる実行可能な対策を、数回にわたりお話しさせて頂きたいと思います。
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第1回目は上司による仕事の適切なマネジメントについてです。
突然ですが、多くの人は何故、苦しい思いをしてまでも富士山に登るのでしょうか?それは自分のペースで一歩一歩足を進め、日本一の山に登ったという達成感が登頂時にあるからではないでしょうか。もしも富士山の高さを今の半分にすることができたら、今よりも多くの人が富士山に登ろうとするでしょうか?
もちろん山が高すぎれば、人は登ることができません。仕事もこれと同様で、あまりに膨大な仕事が割り振られても、それを遂行することができません。結果として深夜にまで及ぶ連日の過重労働がメンタルヘルスの悪化に影響してしまうのです。
しかしながら、単純に仕事量を減らすだけではメンタルヘルスの向上には直結しないのです。
筑波大学の松崎一葉助教授(東京都健康管理担当医)らの研究によると、達成感や裁量権を向上させる方が約3倍もストレス軽減に効果があるとの結果が出ています。
「とにかく俺の言った通りに仕事をすればよい」と言う上司と、「この仕事は○○の点で都民の役に立っており、やり終えたときには都民はもちろん君にとっても△△のようなメリットがある。だからこの計画表に沿って実行していきたい。細かなペース配分は君に任せるから」と言う上司。それぞれの部下の受けるストレスの違いは大変大きいと考えられます。
人員は増やせないが、仕事量は減らせないといった昨今において、メンタルヘルス向上のキーワードは、やりがい、達成感、裁量権、適切な支援だと考えられます。このような時代だからこそ、上司による仕事のマネジメント能力が部下のストレスにも直結するのです。
(産業医の立場から 筑波大学吉野 聡)
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