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こんな職場、こんな仕事(第37回)
当局の都立施設不要論の中でがんばる小平福祉園
福祉保険局支部 小平福祉園
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案内していただいた篠原分会長 |
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今にも雨が降り出しそうなどんより曇った9月26日、西武新宿線花小金井駅から歩いて15分程度の所にある、今回の職場訪問「小平福祉園」を訪ねました。玄関で出迎えてくれた篠原分会長に、早速園内を案内してもらい、利用者の日中活動の様子や小平福祉園の沿革と支部・分会の取り組みについて、お話していただきました。
小平福祉園は、知的障害者福祉法に規定する知的障害者施設で、18歳以上の視覚障害のある方の入所施設として1973年10月に開園しました。開園当初は入所定員60名でスタートしましたが、支部の入所定員緩和の「定数闘争」を東村山福祉園や八王子福祉園と一緒に闘った中で、1990年に新しいコンパクトなユニットが出来た時に42名定数にして男女混合棟になりました。
地域移行のためのさまざまな取り組みを展開
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みんなの健康に留意する(医務室) |
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粘土で陶芸作品 |
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居室は座敷で落ちつく |
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棟ごとに食堂がある |
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温かいものは温かく、冷たいものは冷たく |
さらに、地域支援事業としての取り組みを行い、1997年から始めたトワイライトサービス事業は、民間の作業所とか授産施設に通っていて、4時以降8時までお預かりするという事業です。家族が働いていて、帰ってくるまで一人になってしまうので、通所施設から来て夕食を食べてお風呂に入っていただいて、8時頃に家族が迎えに来て帰るという事業です。
1998年には、デイサービス事業を開始しました。小平市や地域で暮らしながらここに通ってくるという方で、音楽・朗読・陶芸・木工等の日中活動に参加していただいています。定員は5名ですが現在は3名です。ついこの間、ここのデイサービスから一般就労したという方もおります。2000年には、職員宿舎を転用して自立ルームを設置しました。
さらに、夏期デイサービス事業を開始し、夏の8月いっぱい、養護学校等が休みになったり、通所施設の休み等で、その間必要な日中活動を提供するためお預かりして、結構好評を得ている事業です。2001年には、土曜・日曜・祝日の日中にお預かりして、くつろぎの場・昼食の提供を行うホリデーサービス事業を開始しました。
また、2002年からは、在宅の知的障害者で、保護者等の入院等の事情で、家庭における介護が一時的に困難になる方を対象に最長3ヶ月間お預かりする短期入所事業を行っています。この辺の事業展開について篠原分会長は「このころは、盛んに地域サービスを都立施設も私たちも言い出して、事業団が設立されてそれまでの直営よりも事業がやりやすくなったし、都立施設の閉鎖的なイメージが変わったと思います。
家庭で暮らせなくなった方たちが施設へという流れから、どんな障害を持った方でも誰でも地域へという支部の運動もありましたから」と、語ってくれました。
2003年度からは支援費制度への移行に伴い、利用者一人ひとりのニーズに合わせた適切な援助を行うために、各生活棟の役割を明確化しました。生活支援棟は60歳以上の方で、ゆったりと日々穏やかに暮らせるような方が暮らしています。
自立準備棟は、自立支援移行には援助面での充実が必要な方が、そして自立支援棟には、ここの分園型グループホームなど重度生活寮などをめざす利用者がいて、生活棟で職員のもとに暮らして、職員宿舎をある程度利用して、さらに地域生活移行を目指して「地域体験室」として、近隣にアパートを借り上げています。
民間移譲阻止の闘いへ
こうした園をあげての取り組みをしているにも関わらず、東京都は小平福祉園を2009年には民間移譲する事を決めてしまいました。その辺の今後の闘いについて篠原さんは「民間移譲に反対していますが、現実的にはこのままだと移譲されてしまいます。
そこで、私たちが考えているのは、社会福祉事業団による、これまでの一体的な運営を確保するための新たな運動展開です」と語ります。さらに「もう10年若ければなあ」という、篠原さんの最後の言葉を胸に、雨の降りしきるなか、小平福祉園を後にしました。
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