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こんな職場、こんな仕事(第30回)
安全な食肉を供給する芝浦の食肉市場
中央市場支部 食肉市場
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右から今井支部書記長、鈴木副支部長、神山分会書記長、松丸副分会長、上倉副分会長、前列 森田支部文厚部長、今橋支部教宣部長 |
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2月23日(木)に中央市場支部の職場で芝浦にある食肉市場を訪問しました。食肉市場は品川駅から歩いて5分ほどのところにあります。
会議室に案内され、場長と副場長が挨拶に見えて職場の概要を説明してくれました。「食肉市場は、昭和11年に創設され、70年が経過し、牛は年間10万頭を解体・処理する国内最高の取扱量。設置当時とは周辺も全く変わり、多くの課題を抱え環境対策も大きな課題です。また、食肉市場の食の安心・安全、安定的供給の役割や、食べ物が人の手を経てつくられ、はじめて食べられることの理解をもっと拡げなければならない。BSE検査は全頭行って安全だが、都職員の行う解体処理前には患畜が分からない。職員は、職場に生き甲斐と誇りをもって働いているが、なかなか理解されていない。特殊勤務手当の見直しも大きな課題になっている」と強調されていました。
手作業が欠かせないと畜現場
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1日1400頭の豚が搬入される |
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汚水の浮遊物は集められ廃棄処分へ |
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枝肉はせりにかけられ消費者へ |
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国産高級和牛が全国から集まる |
食肉市場分会の神山書記長より人権問題に関する研修を受け、白衣・長靴に着替え、と畜現場に入りました。豚は、柵に沿って誘導され、1頭ずつ炭酸ガスで麻酔にかけられていく。手際よく自動送り装置に吊るされ放血し、次の工程にいく。頭、足、尻尾を切除し、前処理がされる。その後内臓が摘出され、衛生検査所の職員が検査を行う。皮を機械で剥くため高速回転の鋸で前処理するなど。すべてが手作業で行われる。
豚の解体を見て、休息場に入る。休息場は広くない。と畜現場では83度の熱湯で細菌を消毒するため蒸し暑く、夏は体調を崩す。牛の現場はさらに牛の体温が高いので、大変な暑さとなる。休憩は15分。先頭のポジションから順次とる。豚の作業は、2ライン90名、牛は3ライン145名で作業している。
牛は、係留所から1頭ずつと室に誘導され、額を銃撃し脳震盪を起こさせ倒れ込む。すかさず牛が暴れないように額からピッシングワイヤーを入れ、神経破壊と同時に放血する。その後、頭を切除し舌を分け、特定危険部位の脊髄を吸引する。皮を機械で一気に剥くため、手作業で少しずつ前処理を行う。皮剥きのあと、内臓を摘出し、大型の糸鋸に似た機械で牛を縦二つに切断する。最後にBSE対策で脊髄、硬膜を切除し、冷蔵庫に一晩保管される。牛肉のせり場にも案内された。二つに切断された牛が1組で、A5・A4など15段階のランクに格付され、せりにかけられ値段がつく。
と畜を支えるボイラー・電気・水処理
牛のと室を後に、ボイラー室に案内された。と室内の給湯、空調を管理している。6トンボイラーが4台。蒸気は1日102トン、お湯は850トン。ナイフ消毒のため83度以上の熱湯にして送り温度管理している。電気係は設計・工事を行い、事故があれば現場で復旧作業を行う。電気は水に弱く絶縁不良から機械が止まることも頻繁に起こり修理する。電気関係は全部直営で行っているが、理由もなく削減が強行された。水処理センターはと畜に伴う汚水処理を行っている。肉片等の前処理と微生物化学処理の本処理がある。汚水を浄化し下水処理場に流す。5年前に脱臭装置を設置し臭気を外に出さないようにした結果、夏は40〜45度にまで気温が上がる。エアコンはなく、汗水流しての作業となる。また、と室内で出る危険部位をはじめとする廃棄物を処理すると畜衛生の職場、と室内に張り付き機器類を保守管理する工作職場等、肉を口にするまでに様々な職場の努力と苦労に触れることができた。
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