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こんな職場、こんな仕事(第24回)


清掃支部 有明清掃工場

身分移管後の業務職採用が課題

明るい色の有明清掃工場

 6月末に臨海副都心にある有明清掃工場を訪問しました。案内していただいたのは岡沢分会長と箱田支部執行委員です。
 23区内の清掃事業は2000年4月から特別区へ移管され、職員も来年4月からは完全に身分移管されることになっています。ごみの収集・運搬・中継は各区が行い、中間処理施設としての清掃工場等は23区が一部事務組合を結成し、共同して運営し、最終処分場の設置管理は都が行うこととされています。


岡沢さん(左)と箱田さん 分別を徹底するため、ごみ質調査を実施


臨海部開発で建設の有明工場

 23区内には立替中の工場を含めて21の清掃工場があり、有明工場は95年12月に竣工しました。時計の組み込まれた煙突は高さが140mもあり、臨海地域のどこからでも見ることができます。1日に200トンの焼却能力をもつ炉が2つあり、計400トンと比較的小規模ですが、収集車による事業系ごみの搬入と共同溝を利用したごみ管路収集システムに特徴があります。
 年間約12万トン(02年度)のごみを受け入れています。また、ごみの焼却により5600キロワットの発電能力をもち、余熱は地域冷暖房や隣接の有明スポーツセンターに利用されています。
 現在、配置職員数は機械や電気、業務職など全体で67名が配置され、2交代で勤務しています。




転落事故に注意してごみ投入

管路収集されたごみは
直接ごみバンカーに

 ごみ収集車は計量してから、ごみバンカーに投入することになります。投入口は6枚の扉があり、自動制御による指示で投入します。大きな扉が開くとごみバンカーが覗けます。入り口に立つと深くて急なバンカーには足がすくみます。転落事故に注意しながら収集車は次々とごみを投入していきます。この日はごみの分別がされているか一斉調査する日ということで、職員がごみ質調査に立ち会っていました。不燃ごみがあると持ち帰ってもらうそうです。
 ごみバンカーにはクレーンが2基あり、ごみを移し替えたり、焼却炉へごみを投入したりしています。クレーンの運転は自動制御されているそうです。

クレーンで焼却炉へ投入 臨海部各地からごみを運ぶ輸送管


世界最大規模の管路収集システム

 ごみ管路収集システムは利用者設備に貯留されたごみを、自動的に輸送管内を空気の力で清掃工場まで運ぶものです。そのため、臨海地区の地下にはりめぐらされた共同溝を利用して縦横にごみ輸送管が配置されています。基本的な原理は家庭の電気掃除機と同じです。管路内にごみが集中しないように、各施設からの収集は光ケーブルで結んだ制御装置により自動コントロールされているそうです。コントロールセンターではシステムの全体が一目でわかるようになっています。収集できるのは概ね25センチメートル以下の可燃物です。臨海地区の端から約1分で工場のごみバンカーまで到達するそうです。システムに異常があれば警報がでて、場合により故障現場にでかけて直します。



悪臭や危険の多い職場実態

小学生の社会科見学にも積極的に対応 熱や粉じんの中でも
日常的点検は欠かせない

 清掃工場では見学者を積極的に受け入れています。見学コースは悪臭も気にならず、ビデオや模型などを使った説明がされています。しかし、清掃工場を円滑に稼働させていくためには、現場での日常的な点検や異常時の迅速な対応などが要求されます。悪臭と危険なごみクレーンの点検や高熱とダイオキシンの出る焼却炉・灰クレーンなどの点検などヘルメットやマスクの着用が必要な作業も多く、実際には大変な作業です。工場によって焼却炉のメーカーも違い、使用されている部品やセンサーの数も多いため、いざ異常が起きた場合に適切な対応をするためにはその工場に経験の長い職員がどうしても必要だそうです。
 身分切り替えの時期を来年4月に控え、職場には身分上の不安感があるといいます。これまで清掃工場では技術職と業務職が一体となって運営してきましたが、現在の職員が退職後に業務職の採用がされるのか不安だということです。「工場のすみずみまで知り尽くした業務職員の必要性を特別区側にどうしても理解してもらいたい」という岡沢分会長の言葉が印象的でした。



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