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こんな職場、こんな仕事

環境行政を推進する研究機関として

第22回
首都公害支部
環境科学研究所

右から大橋さん、鎌滝さん、横山さん 1985年に移転・名称も環境科学研究所に
      

 地下鉄東西線東陽町駅から徒歩10分ほどの東京都環境科学研究所を訪ねました。案内していただいたのは鎌滝支部執行委員、大橋公害研究所分会長、横山分会書記長です。1968年4月に美濃部都政下で公害の実態やその影響等を研究するために「東京都公害研究所」として千代田区有楽町に開設され、1985年4月「東京都環境科学研究所」と名称を改め、現在の江東区新砂に移転しました。また、2000年4月には旧清掃研究所(1960年設立)を統合し、廃棄物関係を含めた総合的な環境科学の研究を行う機関として現在に至っています。基礎的な調査研究を行う基盤研究部、環境改善の応用的調査研究を行う応用研究部、測定分析法及び精度管理の調査研究を行う分析研究部があり、事務部門を入れて47名(04定数)の体制です。毎年の定数削減により80人ほどの体制が半数近くまで削減されたとのことです。

地道な自前のデータ蓄積が大事

屋上緑化実験施設です 大型車の排ガス性能試験もできます

長年の成果を車公害規制に活かす


 東京都では02年1月に「環境基本計画」を策定しています。この計画では大気汚染対策、地球温暖化の阻止、ヒートアイランド対策、自然の保全と再生、都市づくりの環境配慮の強化など5つの戦略プログラムを示しています。環境科学研究所では環境行政を推進するための研究が行われています。最近では特に行政に密着した研究が要請されています。また、外部評価部会委員制度もあり、研究成果の「評価」がされています。しかし、話題性のある研究テーマは認められても、地道なテーマはなかなか認められない傾向があるとのことです。研究職職員の年齢構成も若返り、行政職との関係や人事異動など、研究職のあり方も課題となっています。また、アクションプランでは地方独立行政法人化の検討も示唆されており、所も含め反対しているそうです。



健康で安全な環境の確保をめざして

 大気汚染の代表的な汚染物質には窒素酸化物(NOX)や浮遊粒子状物質(PM)があげられますが、主な排出源は自動車であり、その多くがディーゼル車から排出されています。環境科学研究所では設立当初から自動車排出ガスの研究を開始しました。76年以来実際の走行パターンを再現した自動車排出ガスの実態調査を行い、規制の実効性を検証してきました。また、DPF(ディーゼル車排出ガス処理装置)についても、88年から研究を開始し、99年にはDPFが使用過程車へ装着可能な段階であることを明らかにしました。こうした研究成果がディーゼル車走行規制の実施やDPFの指定制度のもととなっています。また、こちらでは大型シャシダイナモ(路上走行模擬装置)を使用した大型車の排出ガス低減装置の性能試験もおこなっているそうです。



有害化学物質やヒートアイランド対策への取組も

 ダイオキシンや環境ホルモンなど社会的な関心を集めている物質もあります。そのため大気汚染防止法や環境確保条例などで排出基準を定めたり、排出量の届出を義務付けたりしています。しかし、有害化学物質は種類が多く、汚染経路や環境中での反応が複雑なことなどから、全ての物質に基準値を設定して規制することは困難です。まだ規制されていない光化学スモッグの原因物質として増えている非メタン炭化水素などの揮発性有機化合物(VOC)の測定をおこなっています。
 また、都区部100校の小学校に設置されている百葉箱を活用し、ヒートアイランドの実態を調査しています。その結果、都区部におけるヒートアイランド現象の地域分布の実態が明らかとなりました。都は条例で一定規模以上の施設の新増改築時には敷地や屋上の緑化を義務付けています。都立や民間の研究機関のほか、大学等との共同研究により、屋上緑化に関する実験施設をつくり、ヒートアイランドの緩和効果についての調査研究を行っています。その結果、植物の種類や土壌の水分状態等によって効果が異なることなどが明らかとなっていますが、正確な効果の把握には、少なくとも3年の調査研究が必要だとのことです。
 研究機関では地道に自前のデータの蓄積が大事と認識を新たにしました。施設の一般公開を控えて忙しい時期に現場を案内していただいた3人に感謝し、帰路につきました。

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