都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
2025年東京都人事委員会勧告に対する都庁職の見解と態度

 

2025年10月23日
東京都庁職員労働組合

 

1 はじめに

(省略)

 

2 2025年人事院勧告及び他団体の状況

(省略)

 

3 東京都人事委員会勧告の内容と問題点

1.例月給の較差と給料の改定

 職員給与の報告と勧告では、本年4月における都職員の平均給与が418、577円であるのに対し、民間給与実態調査による民間従業員の平均賃金が432、157円であったとして、例月給の公民較差を13、580円(3・24%)としました。このため、給料表の引上げ改定を4月に遡って行うとし、職級によりメリハリをつけた上で、全級全号給について平均改定率3・4%の引上げ改定を行うとしました。
 今年の春闘では、連合最終集計で5・25%と33年ぶりの高水準の賃上げが報告された昨年を上回る結果が報告されていましたが、比較企業規模の見直し等があったにもかかわらず人事院の勧告では民間春闘結果を大きく下回る3・62%となり、東京都人事委員会も比較企業規模を改悪前の100人以上規模に戻しましたが、勧告では国を下回る較差3・24%(比較企業規模の見直しが無い場合の公民較差は3・05%(12、766円))となりました。私たちの期待に全く応えない、不当な勧告であると言わざるを得ません。また、人事委員会が資料として示している民間賃金の地域差について、全国を100とした時の東京都の指数が121・4となっていますが、昨年度の資料だと東京都は116・7となっています。4%程度は、全国の賃金上昇率に対して都が上回って然るべきであるにもかかわらず、公民較差については国を下回る率・額となっており、果たして精確に東京都の民間従業員の賃金水準を反映しているのか甚だ疑問です。
 さらに、各級においてメリハリをつけた改定として、1級2球の最低改定率が1・2%であるのに対し、3級では2・2%、4級では4・3%としている点も、職責・能力・業績主義の強化を反映した内容であり問題です。

2.初任給

 初任給の改善については、T類B(大卒)16、500円、U類(短大卒)14、100円、V類(高卒)12、300円引上げるとしました。この引き上げにより、国家公務員の大卒総合職の初任給と比較して、I類Bの初任給が同水準となりました。しかし一方で、昇給カーブのフラット化がさらに進み、1級での昇給幅はT類B採用の場合、勧告前後の給料表で12、500円減少しています。

3.特別給

 勧告では、特別給の民間支給月数が4・90月であり、都の現行4・85月を0・05月上回っていることから、都職員の年間支給月数を0・05月引上げ、4・90月とするとしています。なお今回、例月給における比較対象企業規模との整合性を考慮し、特別給における公民比較についても、比較対象を企業規模100人以上とする見直しを行っていますが、見直しを行わなかった場合の民間特別給の支給割合は4・86月分としています。特別給の引上げは、民間従業員の特別給における考課査定分の割合等を考慮し、期末手当と勤勉手当で均等に配分することが適当であるとしています。特別給の引上げは、今年度は12月期の期末手当と勤勉手当をそれぞれ0・025月分(再任用も同様)、2026年度は、6月期、12月期の期末手当と勤勉手当を0・0125月分(再任用も同様)ずつ引上げるよう勧告しました。
 都人事委員会の資料によると、特別給の支給状況は1、000人以上の企業で年間5・16月であり、私たちの要求からすれば、0・05月の引上げでは到底納得できる内容ではありません。また、今回も昨年に引き続き特別給の引き上げ分を期末手当と勤勉手当に均等に配分することが適当としていますが、すべての職員の生活改善が急務である現状からすれば、すべてを期末手当に配分するべきです。さらに、再任用職員の年間支給月数について、定年前の約半分という水準の改善について言及がなされていない点も非常に不満のある内容です。

4.諸手当

 住居手当について、人材確保の困難さが増す中で、都の住居手当支給額が国や他団体と比較して低いことから、採用における競争力向上の観点から、現在の住居手当の枠組みを基本としつつ、新規学卒者のボリュームゾーンである27歳までの職員については、支給額を30、000円とするとしています。しかし、仮に人事委員会の意図するとおり採用希望者が増加したとしても、28歳となる年度に15、000円の月収ダウンが生じる点について、人材の定着という観点からは疑問です。むしろ、家賃等が高騰している昨今の都内の住宅事情を鑑みれば、職員向けの住宅を希望する職員が住みやすい地域に整備、あるいは民間住宅の借り上げ等により確保することが必要です。
 通勤手当については、本年の人事院による勧告について触れ、都においては、職員の自動車等の使用に係る通勤状況が大きく異なっているが、任命権者は国の改正の内容や、都における通勤の実態を踏まえ、適切な対応について検討する必要があるとしています。今後、交渉において整理していく必要がありますが、都においては通勤の際、最寄りの公共交通機関の駅まで自転車等を使用して通勤している例もあるという通勤実態も踏まえた対応が必要であると考えます。
 特地勤務手当等については、本年の人事院による勧告、また昨年の都労連交渉での整理について触れ、任命権者は、都独自の経緯や事情を踏まえ、国の改正内容や、島しょ在勤者の実態等を考慮し、適切な対応について検討する必要があるとしています。昨年度の交渉により、島しょ地域に対しても支給されることとなった地域手当については、本給繰入を行うべきであり、特地勤務手当等については、その手当の性質に鑑みて全額支給されるべきです。少なくとも、本年の人事院による勧告において、地域手当等他手当との減額調整の廃止が勧告されていることから、都においても特地勤務手当等を他の手当と併給調整を行うことは廃止とすべきです。

5.再任用職員の給与

 勧告では再任用職員の給料月額について、「行政職給料表(一)の改定状況を踏まえ」て、1級では7、400円、2級では8、600円の基準額の改定がありました。改定率を見ると、各級において概ね3・7%の改定がなされている状況です。特別給は、0・05月分の引上げを期末手当と勤勉手当へ均等に配分しています。これにより、年間の期末手当は1・425月、勤勉手当は1・175月となり、特別給に占める勤勉手当の割合は、45・1%から45・2%となります。再任用職員の勤務形態は約9割がフルタイムで、仕事も定年前職員と同様になっています。無年金期間が拡大しているにも関わらず、再任用職員の賃金水準は60歳前の約6割という低い水準であり、抜本的な改善がなされるべきです。

6.今後の課題

 都人事委員会は、職員の給与に関する報告の今後の課題として、「職務給の更なる進展」「国の新たな人事制度検討への対応」「定年の段階的引上げを見据えた給与制度の検討」を上げています。
 「職務給の更なる進展」では、本年の給料表の改定に当たっては、職務・職責差を給与へ一層反映させる観点から、管理監督職層について重点的な改定を行うとともに、課長の級における初号の給与水準の引上げや、管理職手当の見直しなど、一層の職務給の進展を図ったとし、今後も、職務・職責の給与への反映を徹底するため、給料表の水準・構造や、昇給制度など、都の実態に即したあるべき給与制度について研究・検討を進めていくとしています。
 「国の新たな人事制度検討への対応」では、人事院が職務・職責をより重視した給与体系を含む、新たな人事制度の構築に向け、給与、勤務時間、任用について一体的に見直し、令和8年夏に措置の骨格、令和9年夏に具体的な措置内容を報告できるよう検討を進めるということについて触れ、都においても、こうした国の動向に留意しながら、都の実態を踏まえ、適時・適切に対応できるよう検討を進めていくとしています。
 「定年の段階的引上げを見据えた給与制度の検討」では、定年の段階的な引き上げに合わせて、60歳を超える職員の給与水準は、当分の間の措置として7割に設定されているが、定年引き上げが完成した後は、60歳前後での給与水準が連続的になるよう、人事院が進める検討状況を注視するとともに、都の定年引上げ等に伴う任用実態の変化や民間における高齢層の給与の状況などについて継続的に把握し、新たな給与制度の在り方に関する研究・検討を進めていくとしています。

7.人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)

 都人事委員会は、多様で有為な人材の確保の「採用制度の見直しと成果」の中で、この間の採用制度の見直しにより今年度の春に実施したI類B採用試験(新方式)では受験者数が前年度比で3・7倍に増加したほか、秋試験では今年度から募集を開始した事務職の申込者数が春試験より1、000人以上多い3、700名に達し、経験者採用選考においても採用予定者数を大きく上回る申し込みがあるなど明るい兆しが見られるとしています。
 しかし、職員の育成・定着の視点なしに、新規採用にばかり力を入れても仕方がありません。「採用後のサポート」の中で、都に採用された後、職員一人ひとりが高い意欲を持ち能力を十分に発揮できるよう、その活躍を後押しする環境を整備することが極めて重要、新規学卒者については、職員に必要な基礎知識等を早期に身に着けるための研修の充実に加え、きめ細やかなアドバイスやコミュニケーションなど職場内におけるサポートの強化、職務経験を有する者などについては、培った経験等を十分に発揮し、自信を持って仕事ができるように行政の仕組みや仕事の進め方等、行政職員として必要な知識やスキルを習得できるよう充実を図る必要があるとしていますが、職員が定着しないのは、現在の都政の職場が、長時間労働や民間賃金を精確に反映していない低賃金など、働きがいのある魅力ある職場となっていないことが原因です。魅力ある働きがいのある職場、「選ばれる都庁」だけではなく「選ばれ続ける都庁」を実現するために、当局は都労連要求に応えるべきです。
 都職員としてのキャリアを描き、成長できる環境づくりの「キャリアを描き、成長できる環境の整備」の中で、国において職員の自己実現や社会課題の解決につながる兼業を可能とする新たな制度の検討を進めており、職員の知識や技能を生かした兼業制度の充実は、自律的なキャリア形成やモチベーションの向上に寄与し、業務にも好影響を与え得るとともに、人材確保の観点からも有益である。都においても、職務の能率や公平性、品位に十分配慮しつつ、都の実情を踏まえた制度の見直しを検討していく必要がある、としています。兼業制度の見直しの検討の方向性については、組合として注視していく必要があります。
 やりがいを実感し、誰もが活躍できる職場づくりの「高齢層職員の活躍」の中では、労働力の確保がますます重要となる中、複雑化・困難化する都政課題に的確に対応していくためには、豊富な知識と経験を有する高齢層職員の活躍が不可欠であるとして、継続的に活躍していくために、環境の変化に柔軟に対応できるよう、新たな立場における役割や職場でのコミュニケーションについて、研修で理解を深めるとともに、DXに関する知識・スキルの習得などのリスキリングの支援も有効としています。しかし、そのような重要な役割を期待される高齢層職員に対して、抜本的な賃金水準の改善をすることもなく、給与改定も低率・低額としている人事委員会の勧告は、ダブルスタンダードであり極めて不当だと言わざるを得ません。

8.働き方改革と勤務環境の整備

 働き方改革と職員の勤務環境の整備では育児・介護を行う職員への支援、長時間労働の是正、職員の健康保持などについて報告しています。
 育児・介護を行う職員への支援では、まず育児について、職員誰もが育児と仕事を両立しながら活躍できる職場の整備が重要になっているとし、女性職員に比べ男性職員は依然として短期間の育児休業の取得が中心となっている現状があることから、男性も子どもの出生直後から主体的かつ長期的に育児に携わることができるよう職場として後押ししていくことが望まれるとしています。しかし、具体的な取組については、これまでの取り組みの枠組みの活用や、雰囲気の醸成といった抽象的な内容にとどまっています。また、介護については、少子高齢化の進展に伴い、要介護者の増加や介護の担い手の確保は日本社会全体の課題となっており、都庁においても、介護事情を抱える職員が増加しているという現状認識の下、介護は先行きが見通しづらく、期間が長期化する場合もあることから、職員が仕事との両立に不安を抱いたり、負担から健康を損ねたりすることのないよう、きめ細やかなケアの在り方などについても検討すべきとしています。さらに、育児と介護とのダブルケアについては社会的な課題として顕在化しているとし、今後、ダブルケアに直面する職員のフォローアップについて、都においても検討が必要としています。両立支援の取り組みを推進するに当たって職場の円滑な業務執行の確保については、育児や介護などの休業期間中の臨時的任用職員や会計年度任用職員等の活用とともに、業務を代行する職員を支援する仕組みについても検討されたい、としています。
 長時間労働の是正については、職員の心身の健康保持、職務に対する意欲や生産性の維持はもとより、「手取り時間」の増加にもつながることから、職員の「ライフ・ワーク・バランス」を実現するための重要な課題であるとし、任命権者の強いリーダーシップの下、従来の取組に加え、より実効性の高い取組を進めて行かなければならないとしています。しかし、具体的な対策としては、AIを活用した職員負担の軽減について述べられているのみであり、そもそもAIの活用が向かない業務に従事する職場はもちろん、AIの活用によって業務負担の軽減につながり得る職場であっても、効率化するための時間も人員も不足しているのが実態です。都庁職としても毎年超過勤務縮減に関する要求書を提出し、当局に改善を求めているところですが、長時間労働は慢性化し、一向に改善されない状況が続いています。業務量に見合った人員配置を求めるとともに、すべての職場で長時間労働の是正を行うために、さらに踏み込んだ対策を求めていく必要があります。
 職員の健康保持については、都の職場においては、令和5年度に心身の故障により休職となった職員は4、325人であり、そのうち、心の不調による休職者が多く占めることから、心の健康保持に向けた取組が重要としています。先日行われた東京都安全衛生委員会においても、令和6年度において30日以上の病気休暇等を取得した理由の7割以上が精神障害であり、2番目に多い取得理由の新生物5%と比較しても非常に多いことが判明しています。意見では、引き続きメンタルヘルスケアの基本である一次予防・二次予防・三次予防の取組を着実に実施できる体制を整備していくことが求められるとしていますが、そもそも職場環境や業務から生じるメンタルヘルス不全を起こさないよう、一次予防である未然防止を徹底する取組の強化を求めていく必要があります。

 

4 都庁職の態度

 都庁職は、東京都人事委員会勧告に向けて、大都市東京に暮らす職員の生活実態を踏まえて、全ての職員の生活改善につながる、物価の高騰を上回る大幅賃上げを求めて、都労連指令に基づく全組合員を対象とした人事委員会要請署名、職場一斉宣伝行動、ステッカー闘争などに職場・支部をあげて取組んできました。
 今回、東京都人事委員会は、例月給については公民較差を13、580円、3・24%とし、人材確保の観点から、初任給を大幅に引き上げるなど若年層を重点的に引き上げつつ、管理職については、全体の平均改定率を上回る重点的な引上げ、監督職層も職責に応じた処遇の強化による引上げを行い、給料表を職級によりメリハリをつけた上で全級全号給について平均改定率3・4%の引上げ改定を行うとしました。その「メリハリ」により、行(一)1級の131号給以上、2級の100号給以上の改定率は1・2%となっている一方で、4級では最低でも4・3%の改定率となっており、給与カーブのフラット化が一段と進み、昇格しないと昇給できない、職責・能力・業績主義の強化を反映した内容であり問題です。この間の急激な物価高騰に対応するため大幅な賃金引上げを望む私たちの期待を裏切り、国家公務員の較差15、014円を下回る、大都市東京の民間賃金実態を精確に反映していない極めて不当な勧告です。また、公民較差の算出にあたって実施した民間給与実態調査の完了率も61・5%と、国の82・4%と比較しても非常に低いうえに、その較差算出過程における数値が全く不透明であることからも、結論だけの勧告内容に不信感を持たざるを得ません。
 特別給について、この間私たちが期末手当での支給を強く求めてきたにもかかわらず、期末手当と勤勉手当で均等に引上げるとしたことは、職員の能力・業績を給与へ反映させることを狙いとしており、都人事委員会が「職責・能力・業績主義」の徹底を図る都側に加担する不当な内容です。また、民間給与調査結果で示されている企業規模1、000人以上の支給状況が5・16月であるにも関わらず、4・90月の勧告にとどまっている点も不満です。さらに、この間改善を求め続けてきた再任用職員の年間支給月数について、定年前の約半分という水準の改善について言及がなされていない点も非常に不満のある内容です。
 本年の報告では、私たちが求めていた、長時間労働の是正や職場環境の改善などについて、具体的な意見の申し出はありませんでした。報告の内容も、全体的に当局の主張に沿ったもので、都労連・都庁職の要請に応えない不当なものであり、中立・公正な第三者機関の役割と責任を放棄していると言わざるを得ません。
 都労連は、不当な勧告と意見の押し付けを許さず、労使交渉による大幅賃上げと都労連要求の実現に向け全力で闘うとしています。
 都庁職は、都政の現場で働く全ての組合員が生活を維持し、誇りをもって働ける処遇改善を実現するために、職場・支部・分会からの運動を基軸にして取組を進めていきます。
 2025年秋季年末闘争において、都労連各単組の統一と団結を固め、要求実現に向けて都庁職の総力を上げて闘う決意です。

以上

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