2024年賃金確定闘争の妥結にあたっての都庁職の見解と態度
2024年11月14日
第31回都庁職執行委員会
10月18日に行われた東京都人事委員会勧告では、公民較差は国、他の大都市と比較しても低率の2.59%として、給料表の改定については1級の初任層に重点を置きつつ、一般職、監督職及び管理職において職務の級の職責差を給与へ一層反映させる観点から、各級においてメリハリをつけた上で、全級全号給について引上げ改定としましたが、1・2級の中高位号給の職員では0.3%の改定にとどまりました。特別給については、期末手当と勤勉手当でそれぞれ0.10月引上げ、再任用職員については、期末手当と勤勉手当でそれぞれ0.05月引上げるとしました。都労連はすべての職員の平均30,000円以上の賃金引上げ、年末一時金については、2.75月分の期末手当での支給を求めてきましたが、今確定闘争では残念ながら勧告の壁を破ることはできませんでした。また、本年の勧告においては、配偶者に係る扶養手当の廃止と、子に係る扶養手当の引上げが勧告され、この点については賃金引上げ幅が僅かな中高齢層職員にとって、実質賃下げ勧告となりうる点について問題点を指摘し続けてきましたが、勧告通りの実施となってしまいました。
今確定闘争では、地域手当、特地勤務手当及びへき地手当の見直し及び会計年度任用職員の報酬額の改定時期の見直し対象となる職員の範囲の取扱いについて、労使が鋭く対立しました。地域手当、特地勤務手当及びへき地手当の見直しについて、当局は、異動保障期間中の地域手当の水準を引き下げ、月収水準を引き下げたうえで、改正前後における年収水準を均衡させるという提案に固執し、また、会計年度任用職員の報酬額の改定時期の見直しについては、その対象となる職員の範囲について、任用される期間が3月以内の者及び週当たりの所定の勤務時間が15時間30分未満の者については対象外とし、国の取扱いや技術的助言を引き合いに出し、これ以上の範囲拡大は困難という見解を示すのみで、島しょ異動保障期間中の月収水準を引き下げない、会計年度任用職員の報酬改定時期の見直しは全職員に、という都労連の主張とは平行線をたどり、交渉は一時膠着状態となりました。
事態の打開を図るため単組による労務担当部長要請、及び単組委員長による総務局長要請を重ね、最終的に示された都側の提案内容は、この間の都労連の主張を受け入れた内容であり、また、その他都労連が求めてきた要求に対しても一定の前進を図ることができました。業務職給料表については、作成方針の改善は図れませんでしたが、行政職給料表(一)の改定内容を基本に、全級全号給について引上げ改定となります。改定額については、最低の改定額で1級が2,500円、2級が3,500円、3級が4,500円と、行政職給料表(一)と比較して高い改善額となっています。
今回の妥結内容は、物価高騰に見合う大幅賃上げを求める私たちの要求からすれば厳しい結果となりました。勧告通りの中高齢層職員にとってはごく僅かな例月給の引上げや期末手当・勤勉手当による特別給の改定、配偶者に係る扶養手当の廃止の実施などについて、不満の残る内容となりました。しかし、島しょ公署について、異動保障期間中の月収水準を維持し、長期赴任者も含めて年収水準の改善が図られたことや、全ての会計年度任用職員について常勤職員の改定時期に準じた遡及実施、夏季休暇の会計年度任用職員を含む全職員の取得期間拡大、公務旅行の前又は後に連続する私事旅行をした場合についても公務旅行に要する旅費の支給、部分休業を補完する制度として子育て部分休暇を新たに導入させることができました。都労連は、これを都労連要求の一定の前進を受け止め、単組代表者会議でストライキ中止の決定をし、都庁職も、都庁職執行委員会、拡大闘争委員会において確認しました。都労連からの批准の求めを受けて、都庁職として年末一時金等について労使合意により妥結する都労連の判断を受け入れるものです。
また、会計年度任用職員の報酬改定額について、改めて「会計年度任用職員の各職の報酬額の決定は、職務の複雑性、困難性、特殊性及び責任の軽重に応じ、かつ、常勤職員の給与との権衡を考慮して、各局等において実施している」という当局の見解が示されました。この「各職の報酬額の決定」については、例えば常勤の平均給与改定率を乗じる際に生じる100円未満の取扱いも含むということについて確認できた点も、昨年度の報酬改定において、多くの職種において引上げがされる一方で、いくつかの職については引上げがされないなど、職によっての不均衡が生じた状況の打開につながる前進と受け止めています。
都庁職として、各支部における会計年度任用職員の報酬改定交渉を支援し、常勤職員の給与の改定率による改定に当たって、全ての会計年度任用職員の報酬の引き上げと、常勤職員と同様に改定時期を遡及しての差額支給を確実なものとしていきます。また、9月に提出した都庁職3要求の実現、10月に提出した特殊勤務手当改善要求の実現、超過勤務縮減等職員の勤務労働条件の改善に向けても、支部・組合員のみなさんとともに、要求実現に向け闘いを進めていきます。
以上
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