都庁職（東京都庁職員労働組合公式サイト）

　10月18日、東京都人事委員会は、職員の給与に関する勧告・報告（意見）及び人事制度及び勤務環境等に関する報告（意見）を行いました。
　例月給・特別給ともに3年連続の引上げ改定となりましたが、物価上昇分には遠く及びません。例月給は、初任層に重点を置き、初任給を大幅に引上げましたが、公民較差の引上げ額・率は国や特別区を下回りました。また、一時金は期末手当と勤勉手当に配分するなど、全体として組合員の期待を裏切る不当な勧告となりました。
　例月給は、全級全号給の引上げ改定ですが、行（一）1級の最高号給は千円しか改定されず、さらに、行（一）1級・2級を中心に、すべての級において昇給幅が縮小され、賃金カーブが大幅にフラット化されています。また、各給料表とも高位号給では1級・2級よりも3級の改定率が上回っており、昇格しなければ昇給が抑制される職務給の考え方へさらに偏重がされました。こうした内容は、新たな人材確保や中堅ベテラン職員のモチベーション維持の観点から見て大きな問題です。
　諸手当等については、配偶者に係る扶養手当の廃止に言及しましたが、許すことはできません。地域手当の制度改正については、区部・多摩地域は一律20％とすることが適当であるとしました。その他の地域については、地域の区分に応じて支給される関連手当も考慮し、所要の調整を行うことが適当としています。通勤手当については、支給限度額を新幹線等の特別料金等の額を含めて1か月当たり15万円に引上げる等が適当であるとしました。また、在宅勤務等手当を新設すること等が適当であるとしています。
　再任用職員は、例月給・特別給ともに引上げ改定ですが、賃金水準の抜本的引上げ等の処遇改善については一切言及がありません。
　昇給制度では、職務給の更なる進展等、能力・業績を反映した給与制度の更なる進展、新たな給与制度の在り方についての検討を今後の課題とし、職責・能力・業績主義の一層の拡大を進めようとしています。
　人事委員会勧告等は、全組合員の大幅賃上げへの期待を踏みにじるもので、到底容認できません。
　都労連は、10月21日に団体交渉を行い、第二波総決起集会を開催し、秋季年末闘争を本格的に開始しました。勧告で明言されなかった会計年度任用職員の処遇改善の課題解決など、全職員の労働条件の抜本的改善を求め、都庁職は全力で闘っていきます。