都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
都庁職第57回定期大会を開催

 

人員増で超勤の縮減を 都庁職規約と諸規程を改正
全組合員の大幅賃上げ求め闘い進める

 

 都庁職は2024年3月14日、第57回定期大会を開催しました。定期大会は、執行委員長のあいさつに続いてご来賓による連帯挨拶、議事として、2023年度一般経過報告、2023年度組織財政検討委員会の報告、2023年度各会計決算報告、同会計監査報告が行われ、討議後に承認されました。休憩を挟んだ後半には、第1号議案から第5号議案が提案・討議され、2024年度運動方針、2024年度各会計予算、都庁職規約及び規程の改正、特別執行委員及び顧問の選出を決定しました。

 第57回都庁職定期大会は、大崎の南部労政会館で開催されました。この3年間の都庁職定期大会は、コロナ禍の影響で書面開催や規模縮小の開催が続いてきましたが、4年ぶりに通常開催となりました。
 大会は、大嶋執行委員長が執行委員会を代表して挨拶を行いました。また、ご来賓の和田都労連委員長及び石澤特区連委員長からご挨拶を頂きました。
 第56回大会以降の一般経過報告は土橋書記長が報告し、建設支部の小野寺代議員から、会計年度任用職員の報酬改定の遡及適用についての発言がありました。
 小野寺代議員からの発言に対する執行部の答弁の後、代議員全体の拍手で承認されました。
 次に2023年度組織財政検討委員会の答申が西村副委員長から報告され、代議員全体の拍手で承認されました。
 また、2023年度各会計決算報告と会計監査報告についても西村副委員長から報告後、代議員全体の拍手で承認されました。
 休憩後、第1号議案の2024年度都庁職運動方針案が山下副執行委員長から提案され、3名の代議員から発言がありました。
 衛生局支部の河原崎代議員からは、感染症対策の職場の状況、看護学校の人員不足、慢性的な超過勤務の状況やハラスメントに関わる問題などの改善を求める意見が出されました。
 建設支部の福島代議員からは、新規採用者の研修実施に関する実態が報告され、中央研修の実施方法や会場について改善を求める意見が出されました。
 同じく建設支部の小野寺代議員からは、会計年度任用職員の報酬改定の遡及適用を求める運動について要望が出されました。
 各職場の代議員からの発言を踏まえて執行部が答弁を行った後、運動方針案は代議員全体の拍手で可決され、2024年度の都庁職の運動方針が確立しました。
 続いて第2号議案の2024年度各会計予算案が西村副執行委員長から提案され、1名の代議員から発言がありました。
 税務連合支部の大塚代議員からは、都労連への組合費納入と60歳超離籍専従役員の処遇について組織財政検討委員会答申も踏まえた上での執行部の見解を求める質問がありました。
 当該代議員の質問に対する執行部の答弁の後、2024年度各会計予算案は、代議員全体の拍手で可決され、2024年度各会計予算が決定しました。
 次に第3号議案の都庁職規約の改正案が山下副執行委員長から提案され、大会代議員の一票投票に付されました。一票投票では投票総数27票のうち、賛成票が27票、反対票と無効票・白票が0票で、都庁職規約の改正は可決されました。
 続いて第4号議案として、都庁職各規程の改正案が山下副執行委員長から提案され、代議員全体の拍手で可決されました。
 最後に第5号議案の都庁職特別執行委員と顧問の選任は、山下副執行委員長の提案後、代議員全体の拍手で可決されました。
 その後、大会決議案、大会宣言案、大会スローガンがそれぞれ提案され、代議員全体の拍手で採択・確認がされました。
 大会の締めとして、大嶋執行委員長の音頭による団結ガンバローが行われ、大会は終了しました。

 

超勤は高止まり 人員措置を求める

都庁職執行委員長 大嶋 英行

 能登半島地震で多くの方が亡くなっている。お悔やみを申し上げ、1日も早い復旧・復興を願う。
 ロシアのウクライナ侵略から2年。多数の市民が犠牲となっている。一刻も早い停戦とロシア軍撤退を願い、改めて暴挙を強く非難する。戦争のない平和な世界の実現に取組んでいきたい。
 東日本大震災・福島原発事故から13年。未だ2万人以上が福島県外で避難生活をしており、生活支援が求められる。原発の運転期間の延長などの動きは容認できない。反原発の取組を進めていく必要ある。
 自民党裏金疑惑は異常事態。真相究明には程遠く岸田内閣の支持率は史上最低レベルだ。
 物価高の中で国民の暮らしをどう守るのか、日本を取り巻く安全保障にどのように対応するのかなど、課題は多岐。国民の命と暮らしを守り、戦争する国づくり阻止、憲法を守る国民的な運動を広げる必要がある。
 春闘は、物価高騰に賃金が追いつかない状況で、昨年を超える賃上げを求めて闘われている。経済の先行きは不透明だ。景気回復を図るため、大幅な賃上げで内需拡大が求められている。
 昨年の賃金闘争は、全級全号給の引上げ改定だが、初任層に重点を置き、行(一)1・2級の給与カーブのフラット化を強行、一時金は勤勉手当での引上げという不当勧告での闘いだった。
 当局は、勤勉手当の引上げを慎重に検討するという考えを示し続け、厳しい労使交渉だった。勤勉手当の成績率下位の見直し提案は2回の修正で実施時期を1年先送りとさせ、例月給や一時金は勧告通り。会計年度任用職員に定年前職員と同じ月数の勤勉手当が支給されることとなった。
 妥決結果は、厳しい内容だが、最後まで奮闘した到達点だ。組合員が職場から奮闘したことに感謝申し上げる。
 定年引上げに伴い、この3月は定年退職者が不在となり、暫定再任用制度に加え、定年前再任用短時間勤務制度が導入される。60歳超の職員の賃金水準改善は大きな課題だ。人事院勧告に注視する。都人事委員会に対する取組も強化する。
 超勤実績は高止まりで、大きな改善は見られない。掛け声だけではなく、人員措置も含めて求めていく。
 『未来の東京』戦略や『シン・トセイ』は、都政の実態から乖離。地に足のついた人員増が必要だ。
 都庁職は職場を基礎に取組を進めていく。

 

連帯挨拶

都労連 和田委員長

 日頃からの都労連への結集に感謝申し上げる。昨年の闘争では、例月給は全級全号給の引上げ勧告だったが、中高齢層の改定幅は著しく低かった。一時金の引上げは勤勉手当に配分された。また行(一)1・2級の給与の改悪を強行する不当勧告だった。都労連は大衆行動を背景に交渉を行った。物価上昇を上回る賃上げはできなかったことは重く受け止めている。成績率改悪提案は2回の修正提案をさせた。また会計年度任用職員の勤勉手当は常勤職員同様の支給月数とさせた。春闘は集中回答日を迎えている。公務員への影響も大きい中小企業の闘いを注視したい。公務員の勧告は民間実勢を反映するように改善することが求められる。
 人事院関係では、扶養手当の見直しや地域手当の大括り化などが示されている。給与カーブの見直しと合わせて人事給与制度の見直しが争点となってくる。また、60歳を超える職員の給与水準の問題、会計年度任用職員の報酬改善も問題なども重要な課題だ。都労連は当面の闘争方針を確立し、今年の賃金闘争を開始する。今年も要求実現のために奮闘する。

 

特区連 石澤委員長

 先日の特区連大会で執行委員長に就任した。よろしくお願いしたい。物価高騰が続き実質賃金が下がり続けている。春闘は昨年を上回る状況だが、中小企業の状況を注視したい。公民比較方法で、特区連は大きな課題を抱えている。特別区の賃金水準は、現在全国平均を下回っている。管理監督職の枠を増やすなどは一向に達成されていない最悪の状況だ。昨年の闘いでは、会計年度任用職員の処遇改善で大きな前進があったが、再任用職員の一時金支給月数は取り残されてしまっている。国の制度準拠の状態になっているため、一筋縄にはいかないと思うが、特区連としては人材確保の観点から取組みを進めていく。今年の人事院勧告では、地域手当の大括り化など給与制度のアップデートが示されると言われている。特別区固有の職員構成比適正化の課題、物価高騰に見合った全ての職員の大幅賃上げなど課題は山積している。しかし、困難な中でも23区職労との統一と団結の下、組合員の生活と権利を守るために奮闘していく。引き続き同じ東京都内で働いている仲間の都庁職と都労連の闘いに固く連帯して、特区連も共に闘っていく決意を表明する。

 

【経過報告の質疑】
会計年度任用職員の報酬改定の遡及適用は

会計年度任用職員の報酬改定の遡及適用の対応は

建設支部 小野寺代議員

 会計年度任用職員の報酬改定についてだが、昨年末に総務省から通知が出ている。会計年度任用職員の報酬改定の遡及適用についての通知だ。この件に関して当局と何らかのやり取りをしているのか、確認をさせてもらいたい。

 

会計年度任用職員の報酬改定時期の見直し求める

土橋書記長

 報酬全体に関わる事項については都労連事項となっていることから、都庁職として当局と交渉はしていない。会計年度任用職員の報酬の改定時期の見直しについては、都庁職としても都労連要求とするよう求め、2023年賃金確定闘争の都労連要求書においてその意見が反映され取り組んできたが、前進には至らなかった。これについて、先日の都労連第2回中央委員会で、今年は春の時点から取り組んでいくとして、基本要求書・要求項目の確認がされている。遡及改定については、2024年賃金確定闘争の中で改めて議論されていくものと認識している。

 

【各会計予算の質疑】
組合員の都労連への登録数は重要
離籍役員の定年は今までと同じか

登録組合員数は機関決定を 60歳超の役員処遇の考えは

税務連合支部 大塚代議員

 2点について質問する。1つは、都労連への組合費の上納が、組合員7千5百人で計上されている。その組合費の積算は、どのような根拠に基づいているのか。都労連大会後は6千名になるということだが、そうだとしても都庁職の現在の組合員の実数とは違うのではないか。昨年度の大会ではあえて踏み込んだ質問はしなかったのだが、組合員の登録数という重要な項目でこのような判断をする際には、本来は、何らかの形で機関に諮るべきだ。
 2つ目だが、役職員給は、離席専従が1名、在席専従が2名で積算されているようだ。具体的な積算の内訳を教えてもらいたい。
 再質問であるが、役職員給が属人的に積算されていないことは理解した。組織財政検討委員会で、60歳超の離籍専従の処遇について答申があった。都庁職では、これまで役員は60歳定年で退任してきた。この従来の考え方を変えないかを確認したい。答弁は、最終的には委員長にお願いしたい。

 

<組財報告>
経費や組織強化の課題 今後も検討していく

西村副委員長

 執行委員会が諮問を行い、支部代表4名と執行委員4名で2023年度組織財政検討委員会が構成され、課題の検討が行われた。答申事項は、組織拡大、都庁職財政の確立、60歳以降の役員の有り方・処遇の検討、その他に整理されている。これらの答申内容に基づいて、必要な規約・規程の改正を本大会で提案することとなった。昨年度から引き継いだ課題は一定の方向が示されたが、経費精査や組織強化の課題は、今後も的確に検討していく必要がある。

 

組合役員だけがお手盛り
「あり得ない」と議論した

大嶋執行委員長

西村副委員長答弁
 都労連組合費は、予算案作成後の都労連の組織財政検討委員会で6千人の登録が確認された。都労連大会で確定後、予算を補正する。役職員給は専従3名、書記2名で積算。属人的な積算はしていない。

大嶋委員長追加答弁
 2023年度の組織財政検討委員会からは60歳以上の離籍役員の処遇は「引き続き職員と同等の処遇を基本とし、諸規定等について必要な改定を行うべきである」と答申があった。
 この答申の議論の過程で支部代表の委員から「今年度からスタートした定年延長制度で、職員が年齢に応じた経過措置での退職を受け入れているのに、組合役員だけがお手盛りで上乗せの処遇を受けることはあり得ない」という意見が多く出された。その議論を踏まえた答申だ。
 この答申を踏まえ、執行部は必要な規約・規程の改正案を大会に諮っている。
 執行委員会が答申と大会決定後の規約・規程に厳密に従って判断することは当然で自明の理だ。役員人事は、必要な時期に適切な判断をする。
 必要に応じ本部委員会に諮り予算補正を行って対処する。

 

【運動方針の質疑】
感染症対策で保健衛生行政の重要性は明らか
大幅な人員増で安心して働ける職場に
北療育医療センターは都立直営で建て替えを
新規採用者は研修所への長距離通勤で疲弊
会計年度任用職員の要求実現で組織強化を

感染症対策の体制強化必要
人員増で業務環境改善を

衛生局支部 河原崎代議員

 新型コロナ感染症拡大で感染症対策を担う職員は都民の命と健康を守るため働き、保健衛生行政の重要性が明らかになった。来年度、感染症対策に関わる定数の見直しが行われる。五類に位置付けられ感染症対策部門の業務はピーク時より落ち着いたが、新たな感染症対策など体制強化が必要。保健所と多摩地域の市町村との連携を強化も既存の組織再編だけで不十分だ。
 看護学校では看護教員の不足が深刻な状況。看護教員の大幅な人員増が必要。
 年休取得日数は前年より増えたが、感染症で年休を取得した職員が多い。育児や介護をしている職員も多くいる。感染症に対応する新たな休暇制度が必要だ。
 人員不足で必要な休暇を取得しにくい。職場のコミュニケーション不足がハラスメントの要因になる。大幅な人員増で安心して働ける職場して欲しい。
 北療育医療センターは、施設の老朽化で建て替えが必要。都立直営で建て替えること求めていく。

 

研修で長距離移動は負担
適切な形式で研修実施を

建設支部 福島代議員

 昨年度までの数年は、感染症対策で新規採用研修はオンライン開催だったが、今年度から集合形式の研修も再開した。
 建設支部の新規採用者は多摩部の事務所に配属されることが多く、福生の職員住宅に居住している人が少なくない。
 福生の職員住宅から臨海部の研修所までは非常に遠く、実質的に2時間かかる。新規採用者は、地方から上京しており、慣れない乗換なども含めて、研修に通うだけで疲弊してしまう。
 半日研修も多いのだが、朝に職場へ出勤しても、研修所まで時間が掛かるため、10時に職場を出なければならない状況だ。
 研修を集合形式、オンライン形式を適切に実施することが重要で、サテライトオフィスの活用も提案し、働きかけて欲しい。障害をもつ職員も研修で長距離を移動するのは負担だ。
 職員住宅を便利な立地で拡充させていくことを求めていくとともに、中央研修所に多摩の分校を設置することも求めていくことをお願いしたい。

 

組織強化の取組が重要
会計年度任用職員の加入を

建設支部 小野寺代議員

 会計年度任用職員の報酬改定について改めて発言する。都庁職の組織強化では、会計年度任用職員の組合加入を推進することが求められている。労働組合の仲間として、闘争で勝ち取った成果を分かち合う喜び合うことは大切。しかし、会計年度任用職員の報酬改定は遡及適用されていない。都労連事項ではあるが、都庁職としても会計年度任用職員の組合員のために、当局に要求としてぶつけて、勝ち取ると言う明確な意思を示していかなければならない。それが、一緒に闘っていこうと会計年度任用職員に組織加入を呼びかけることに繋がる。
 会計年度職員の中には、報酬改定が遡及適用されないことに不満な気持ちを持つ人も多いと思う。
 都庁職の運動方針として、都当局に対してもそれを求めていくし、都労連にも運動として働きかけることが必要。
 建設支部も、会計年度任用職員や任期付き職員などへの組合加入への働きかけをこれまで以上に強めていきたい。

 

会計年度任用職員の
遡及改定を求めていく

山下副委員長

 衛生局支部の河原崎代議員からは、予算・人員に関する支部の活動を中心とした発言があった。
 コロナ禍において保健・衛生行政の必要性が認識され、地方行財政改革で保健所が削減されてきたことへの反省が社会的に共有化されたはず。都の組織改正で人員増がないのは問題だ。
 感染症対策等で業務上の理由から年休を取らざるを得ない実態があるとの報告もあった。都労連福祉関連要求の意見集約の中で対応していく。
 庁舎回収問題を含む予算・人員への取組については、都庁職として、支部活動の後押しを含め、出来る限りのことはやっていく。
 建設支部の福島代議員からは、多摩の職員住宅や事業所など、職員研修所に行くのが困難な場所に居住・勤務する職員が多い中、研修の実施方法についてのご意見を受けた。職員に負担を掛けず必要な研修を実施できる合理的な改善案であるので、労使の窓口を活用し当局へ提言していく。
 建設支部の小野寺代議員の発言にあった会計年度任用職員の賃金改善については、昨年の確定闘争期においても、都庁職として遡及改定を求め、都労連の要求書にも反映させている。
 昨年は勤勉手当の支給対象の問題を優先したため遡及改定が実現しなかったが、来年度こそは、都労連と共に実現を求めていく。

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