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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
2023年賃金確定闘争の妥結にあたっての都庁職の見解と態度

 

2023年11月16日
第33回都庁職執行委員会

 

1 主な妥結内容

 

人事委員会勧告の取扱い
◯例月給
・勧告どおり給料表を全級全号給について引上げ改定
・行政職給料表(一)1級・2級の昇給幅を是正
・実施時期:2023年4月1日に遡及して実施

◯特別給
・勧告どおり0.10月分引上げ(4.55月→4.65月)、勤勉手当に配分
※第4回都議会定例会で関係条例を議決後、できる限り速やかに支給


業務職給料表の改定【都労連要求】
◯行政職給料表(一)の改定内容を基本に、全級全号給について引上げ改定

◯実施時期:勧告給料表の実施時期


給料の調整額の改定【都労連要求】
◯給料表の改定率を踏まえて引上げ改定

◯実施時期:勧告給料表の実施時期


勤勉手当の成績率の見直し
◯加算額(成績率の原資)について、以下のとおり見直し
・下位からの減額分6%→13%

◯監督職層及び一般職層の職員を対象
※定年前再任用短時間勤務職員及び暫定再任用職員を除く

◯実施時期:2025年6月に支給する勤勉手当から適用


帰住旅費の見直し【都労連要求】
◯島しょ等赴任職員に係る帰住旅費の支給対象事由に、「任期付職員の任期が満了したことによる退職」を新たに追加

◯実施時期:2024年3月31日以後に退職する職員から適用


旅費の支払におけるキャッシュレス対応【都労連要求】
◯旅費の支払におけるクレジットカード等の利用について、自粛を求めない


主任級職選考の見直し【都労連要求】
◯人事委員会とともに選考内容や受験資格等を見直すことに加え、今後の執行体制の変化を考慮しつつ、合格者数を適切に設定
◯実施時期:2024年度選考から


課長代理級職昇任選考・統括課長代理認定選考【都労連要求】
◯定年引上げの影響、更に高度化・複雑化する都政課題への対応等を踏まえつつ、昇任者数・認定者数を適切に設定するとともに、引き続き、課長代理の専門区分や統括課長代理の政策区分を拡充
◯実施時期:2023年度選考から


フレックスタイム制の見直し
◯勤務時間の割振り後における職員からの変更申請の期限について、変更を希望する日の前日まで延長
◯実施時期:2024年4月1日


「勤務間インターバル」及び「連続勤務の禁止」の見直し【都労連要求】
◯対象を、出先事業所を含む時差勤務が導入されている全ての職場に拡大
◯勤務間インターバルの設定時間を変更
・「8時間から11時間(原則11時間)」→「9時間から11時間(原則11時間)」
◯実施時期:2024年4月1日


育児時間の見直し【都労連要求】
◯利用期間を「生児の出生日の1年6月後の前日の終わりまで」に拡大
◯実施時期:2024年1月1日
※会計年度任用職員の育児時間についても、常勤職員に準じて見直し


災害休暇の見直し【都労連要求】
◯取得要件に「職員及び当該職員と同一の世帯に属する者の生活に必要な水、食料等が著しく不足している場合で、当該職員以外にはそれらの確保を行うことができないとき」等を追加
◯実施時期:2024年1月1日


夏季休暇の見直し【都労連要求】
◯交替制勤務等職員の取得期間を拡大
・「7月1日から9月30日まで」→「6月1日から10月31日まで」
◯実施時期:2024年4月1日


介護休暇の見直し【都労連要求】
◯利用形態を中途変更することができる期間について、「連続する6月の期間内及び期間経過後における各承認期間につき1回」に見直し
◯利用形態の中途変更について、「既に承認された期間を短縮する中途変更はできない」とする要件を撤廃
◯実施期間:2024年4月1日


会計年度任用職員への勤勉手当の導入【都労連要求】
◯支給対象・支給月数等
・基準日に在籍し、かつ、一会計年度において任用される期間が通算して6月以上の職員に支給
・支給日、支給方法及び算定方法は、常勤職員の例による
・支給月数は、一般職員(定年前再任用短時間勤務職員及び暫定再任用職員を除く)における勤勉手当の支給月数を適用(勧告後2.25月)

◯成績率の段階
・標準:下位以外の者
・下位:前年度に業績評価の総合評価が最下位であった者のうち、局長が下位と認めるもの
※基準日時点で任用されている職と同一の職務内容と認められる職において、前年度に業績評価による評定がなされなかった者は、成績率対象外

◯加算額(成績率の原資)
・勤勉手当3%及び下位からの減額分6%とし、全て標準に配分

◯実施時期:2024年4月1日


会計年度任用職員への災害休暇の導入【都労連要求】
◯災害休暇を導入

◯実施時期:2024年1月1日
※休暇の内容は常勤職員の例による


会計年度任用職員の介護休暇の見直し【都労連要求】
◯利用形態を中途変更することができる期間について、「連続する93日の期間内及び期間経過後における各承認期間につき1回」に見直し

◯利用形態の中途変更について、「既に承認された期間を短縮する中途変更はできない」とする要件を撤廃

◯実施時期:2024年1月1日


ハラスメント防止への意識醸成に関する取組【都労連要求】
◯全職員を対象に、ハラスメントに関する法令、定義等の基礎知識及び具体的な事例等について取り扱う研修を定期的に実施

◯ハラスメント防止月間において各職場でハラスメント事例について議論を実施

◯ハラスメント防止啓発教材用DVDの充実

◯実施時期:2024年度


ハラスメント防止等に係る標準職務遂行能力の見直し【都労連要求】
◯部長・課長等の標準職務遂行能力にハラスメント防止や多様性の尊重に関する事項を明記

◯実施時期:2024年4月1日


パワー・ハラスメントに関する取組【都労連要求】
◯マネジメント力向上が必要な管理職を対象に、カウンセリング等を用いた研修を、サーバントリーダーシップ研修として位置付け、試行実施
◯実施時期:2024年1月


カスタマー・ハラスメントに関する相談体制の整備【都労連要求】
◯各局等が外部弁護士による助言等を受けられる体制を整備するとともに、職員が心身に影響を感じた場合、各相談室等を利用できることを改めて周知

◯実施時期:2023年度


「東京都職員『ライフ・ワーク・バランス』推進プラン」関連【都労連要求】
◯「東京都職員『ライフ・ワーク・バランス』推進プラン」の改訂に当たり、取組の進捗状況や今後の方向性について、今年度労使での意見交換を実施


ライフ・ワーク・バランス支援事業における「航路運賃特別割引」の見直し(東京都人材支援事業団実施)
◯航路運賃特別割引における小笠原航路の割引額を増額

◯実施時期:2024年4月1日


介護関係講座の見直し(東京都人材支援事業団実施)
◯日曜日及び土曜日に開催している講座の一部を平日開催とし、職免による受講を可能に

◯実施期間:2024年度

 

2 都庁職の見解と態度

 

 10月13日に行われた東京都人事委員会勧告では、引上げ率は物価上昇に遠く及ばず平均0.9%、行政職給料表(一)1級・2級を中心に賃金カーブがフラット化されており、各級の高位号給の職員では0.2%の改定にとどまりました。特別給については、勤勉手当0.10月の改定、再任用職員も勤勉手当0.05月の改定が勧告されました。都労連はすべての職員の平均24,000円以上の賃金引上げ、年末一時金については、2.7月分の期末手当での支給を求めてきましたが、今確定闘争では残念ながら勧告の壁を破ることはできませんでした。
 また、今確定闘争では、当局の不当な勤勉手当の成績率の見直し提案、会計年度任用職員の勤勉手当の取扱が大きな課題となりました。当局は、勤勉手当の成績率の見直し提案について、下位に決定された職員の自覚や奮起をさらに促すものとして自らの提案に固執し、また、会計年度任用職員の勤勉手当を支給することすら判断せずに、支給する場合には、常勤職員と同様の成績率を適用するという提案をしたため、労使の考え方が鋭く対立する厳しい闘いとなりました。
 勤勉手当の成績率の見直しについては、下位からの減額分を6%としているところを、課長代理級の職員で45%、その他の職員で46%に見直すという提案について、提案を撤回させる闘いを進めました。残念ながら完全撤回を勝ち取ることはできませんでしたが、当局に二度にわたる修正をさせ、減額分を13%まで圧縮させることができました。また、実施時期については1年先送りさせ、2025年6月に支給する勤勉手当から適用とさせました。今後、成績率の拡大を許さず、成績率制度の見直しをさせていくことが必要です。
 会計年度任用職員の勤勉手当について、「会計年度任用職員に勤勉手当を支給する場合、常勤職員と同様の成績率を適用する」と提案しつつも、支給有無や支給月数などについて最後まで慎重に慎重を重ね検討した上で最終的な結論を出していくことが不可欠として、最終局面に至るまで判断を示しませんでしたが、一般職員と同月の支給月数を勝ち取ることができました。また、支給にあたっての成績率については、常勤職員と異なる段階を導入させ大幅に圧縮することができました。
 また、今回実現に至らなかった会計年度任用職員の報酬額改定の実施時期の取扱いについては、引続き都労連に結集し求めていく必要があります。
 業務職給料表については、作成方針の改善は図れませんでしたが、行政職給料表(一)の改定内容を基本に、全級全号給について引上げ改定となります。改定額については、1級で1,100円から7,900円と、行政職給料表(一)に比べ大幅な改善となっています。
 今回の妥結内容は、物価高騰に見合う大幅賃上げを求める私たちの要求からすれば厳しい結果となりました。勧告通りの例月給の引上げや勤勉手当による特別給の改定、勤勉手当の成績率の見直しの実施などについて、不満の残る内容となりましたが、会計年度任用職員の一時金改善をはじめとした都労連要求の一定の前進を受け止め、都労連は単組代表者会議でストライキ中止の決定をし、都庁職も、都庁職執行委員会、拡大闘争委員会において確認しました。都労連からの批准の求めを受けて、都庁職として年末一時金等について労使合意により妥結する都労連の判断を受け入れるものです。
 今回の妥結における、旅費の支払におけるキャッシュレス対応については、都庁職としてもこの間当局と交渉してきたものであり、今後、都庁職交渉を通じて詳細な運用や職員への周知方法について具体化していくことが重要です。また、勤務間インターバル及び連続勤務の禁止が、出先事業所にも拡大することとなりますが、実際に設定した勤務間インターバルを遵守できているか、連続勤務が行われていないか、労使で検証する仕組みを構築していく必要があります。会計年度任用職員の報酬月額については、来年4月から平均改定率0.9%での改定となりますが、個々の職の報酬額改定は、支部局間での交渉事項です。今回の引上げを、確実な賃金引上げに反映できるようにすることが重要です。
 今後都庁職は、9月に提出した都庁職3要求の実現、超過勤務縮減等職員の勤務労働条件の改善に向けて、休むことなく進めていきます。都庁職は、支部・組合員のみなさんとともに、要求実現に向け闘いを進めていきます。

 

以上

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