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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
令和5年人事委員会勧告等の概要

 

令和5年10月13日
東京都人事委員会

1 ポイント

 

2 職員と民間従業員の給与比較

 

(1)比較の方法

・企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の都内11,186事業所を調査母集団とし、そのうち1,242事業所を無作為抽出して調査
 (調査完了754事業所調査実人員52,485人)
〈例月給〉
 職員と民間従業員の4月分支給額を調査し、ラスパイレス方式により、主な給与決定要素である役職、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を対比させ、職員の人員数のウエイトを用いて両者の給与水準を比較
〈特別給〉
 民間従業員に対する直近1年間(昨年8月から本年7月まで)の賞与の支給実績を調査し、職員と比較

 

(2)比較の結果

 

3 給与の改定

 

(1)改定の考え方

・民間従業員の給与が職員の給与を上回っていることから、給料表を引上げ改定配分[給料2,968円、はね返り(地域手当など)601円]
・特別給についても、民間の支給割合が職員の年間支給月数を上回るため引上げ

 

(2)改定の内容

ア給料表


イ特別給
・民間の支給状況を踏まえ、年間支給月数を0.10月分引上げ
 (指定職給料表適用職員等は0.05月分引上げ)
・引上げは勤勉手当で実施

 

(3)実施時期

・給料表の改定は、令和5年4月に遡及して実施
・特別給の引上げは、令和5年12月支給の期末・勤勉手当から実施

 

4 在宅勤務等手当

 

・人事院が本年勧告した手当については、国との制度均衡を考慮しつつ、都の実情や法改正を踏まえた検討が必要
・在宅勤務等手当を支給する場合は、併せて通勤手当の取扱いも検討すべき

 

5 今後の課題

 

(1)能力・業績を反映した給与制度の更なる進展

・特別給については、期末・勤勉手当への適正な配分等を引き続き検証
・昇給制度については、任命権者による見直しや定年引上げの影響を含めた運用実態を分析し、適切な対応を検討

 

(2)職務給の更なる進展等

・定年引上げ等による職級構成の変化を注視し、適切な対応を検討

 

(3)新たな給与制度の在り方についての検討

・本年、人事院が示した給与制度のアップデートに関する事項について、国の動向を注視し、都の実情を踏まえ必要に応じて対応を検討
・定年引上げ完成後、60歳前後での給与水準が連続的になるよう、新たな給与制度の在り方について研究・検討

 

6 人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)

 

・都を公務部門間のみならず民間企業との間でも有為な人材にとって魅力ある職場とするため、人材マネジメントに対する企業の考え方やキャリア展望に関する就業者の意識の変化を十分に考慮の上、多くの人から「選ばれる都庁」とするための取組を積極的に進めることが必要
・ライフスタイルや働き方が多様化している状況では、個々の職員の違いを認め、多様な人材を生かし、能力を最大限に発揮できるようにすることも欠かせない

 

(1)多様な人材の確保・育成・活躍の推進

ア 人材確保・育成に向けた取組

・人材獲得競争が激化し、採用試験の申込者数が減少。都では、10年前の3分の1程度の水準にまで落ち込んでおり、危機的状況
・「選ばれる都庁」になるためには、自らの現状を把握・分析した上で、都庁の強みを生かすとともに、弱みを改善していく地道な取組を迅速に進めることが必要
・採用制度については、試験の方法の見直しや採用チャネルの多様化を進める
・民間経験者等向けの採用試験について、適性検査の導入を拡大していく
・技術職の民間併願者等の受験を誘引するため、具体策を速やかに検討
・実施
・特定の分野に限定せず、キャリアを有する人材に開かれた採用を積極的に行う
・主任級職選考は、若手職員にもこれまで以上に都政の課題分析や施策立案につながる能力が求められていくことや、職員のモチベーションの維持・向上を図る必要があることを踏まえ、速やかに制度改正を行う
・管理職選考については、受験率の低迷が長年の課題。昇任後における不安感や管理職の働き方に対する抵抗感を払拭し、受験の負担を軽減するための取組を推進するとともに、自らのキャリアデザインを描いていける環境の整備が必要
・国や民間など多様な主体との交流を活発化させ、外部の知識やスキルを積極的に取り込んで職員の知見を向上させることも大切
・若手のうちから成長を実感でき、一人ひとりのキャリア形成を支援する人材育成や能力開発に引き続き積極的に取り組むことを望む

イ 誰もが活躍できる都庁の実現

・様々な個性や事情が配慮され、全ての職員に活躍できる環境が公平に提供される、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)が尊重された都庁を実現することが重要
・「障害者活躍推進計画」に定めた取組を着実に推進し、障害を有する職員にとって働きやすい職場づくりが必要。周囲の職員が相談できる環境をはじめ、組織に対するサポートを充実していかなければならない
・高齢層職員については、リスキリングの実施とともに多様な働き方を実現できるよう配慮することが重要

 

(2)働き方改革と勤務環境の整備

ア ライフ・ワーク・バランスの推進

・柔軟で多様な働き方の推進は、誰もが活躍できる勤務環境を整備し、生活と仕事の両立支援を図る上で極めて重要
・テレワークについては、行政サービスを維持しつつ、希望する職員が実施することに障壁がないよう、ハード、職場風土、業務の在り方等の継続的な改善を期待
・昨年度の本庁における一人当たりの平均超過勤務時間数は引き続き高い水準。管理職のマネジメント意識・能力の向上、デジタルツールを活用した業務改善等に不断に取り組むことが必要
・長時間労働の是正に向けては、原因を分析した上でその対策を講じていくことが肝要
・令和7年度の男性職員の1週間以上の育業取得目標を90%に上方修正し、育業を推進していることを評価。全ての任命権者において、育業等をしやすい勤務環境の具体的な整備を一層推進することを期待
・職員一人ひとりが、性別等によるアンコンシャス・バイアスの存在を自覚した上で、その意識を見直し、お互いを尊重する職場風土を醸成することが必要

イ 職員の勤務環境の整備

・管理職は率先垂範して、ハラスメントを防止し、組織としてハラスメントを根絶する強い意志を持って取り組むことが重要
・精神疾患を理由とする長期療養者数が増加傾向。メンタル面の不調は、誰でも抱え得る問題であることを前提に、引き続き支援が必要

 

(3)公務員としての規律の徹底

・全ての職員が都民の信頼に応える高い倫理観と高潔な使命感の下、公共のために働くという責任と誇りを持って誠実かつ公正に職務に精励することを強く望む

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