7月13日に都庁職第1回本部委員会を開催
全ての組合員に大幅な賃上げを
当面の闘争方針等を決定し秋冬の闘争へ
2023年7月13日、都庁職は2023年度の第1回本部委員会を開催し、今年3月の定期大会以降の取組等の経過を確認するとともに、執行部が提案した当面の闘争方針等を決定しました。
本部委員会の冒頭、大嶋執行委員長は、豪雨による九州などでの被害者や被災者へのお見舞いについて発言し、情勢や都庁職運動の当面の課題、闘争への決意などについて挨拶を行いました。
本部委員会では、今年3月14日に開催した都庁職定期大会以降の取組等の経過を土橋書記長が報告し、本部委員会全体で確認を行いました。
続いて、山下副委員長から「2023年度都庁職当面の闘争方針」(案)の提案が行われました。
当面の闘争方針案では、現在の社会情勢を踏まえ、現時点での都庁職の諸闘争の到達点と運動の課題を確認したうえで、具体的な運動の課題と進め方を確立し、本部・支部が一体となった取り組み等を提起しました。
国政の情勢では、岸田政権の防衛費の大幅増額や入管難民法改正、LGBT理解増進法の可決などにおける強行的な政治手法を批判。また、「新しい資本主義」の加速とする三位一体の労働市場改革が狙われていることを明らかにしました。
都をめぐる情勢では、小池知事は「未来の東京」戦略version up2023が課題に対して分野横断で重点的に取り組むとしています。また、「シン・トセイ3」は都政のQОS(クオリティ・オブ・サービス)の更なる向上に向け、次のステージに挑戦していくとしていることを明らかにしました。
会計年度任用職員に勤勉手当支給が可能に
闘いの課題と進め方では、都労連統一闘争の課題と都庁職課題の2つの取組を整理し、方針案として提起がされました。
都労連闘争の賃金闘争では、人事委員会勧告に向けた取組が提起されました。消費者物価は41年ぶりの水準です。また、23春闘は高水準の回答となっています。人事委員会署名、要請行動等に積極的に取り組み、不当かつ恣意的な勧告を阻止することが重要です。また、定年年齢引上げとなりましたが、60歳以降の基本給の水準は年齢による賃金差別であり、人事委員会に解決を求めます。
職責・能力・業績主義との闘いでは、民間企業の賃金改善を背景に賃金表の改定が想定され、賃上げとセットとなった昇給・昇格・成績率等に関する改悪提案が想定されます。職責・能力・業績主義を打破し、都庁職要求を実現するため、闘いの準備が必要です。
会計年度任用職員の処遇改善では、常勤職員・非常勤職員共通の要求として、全額期末手当として一時金の大幅増額を求めています。第一報酬の水準も抜本的には改善されていません。4月26日に、会計年度任用職員への勤勉手当の支給を可能とする改正地方自治法が成立。勤勉手当支給とセットとなった成績評価制度の強化等の改悪提案を許さず、都労連要求に基づく期末手当での増額などを求める取組が必要です。
定年年齢の引上げに関する給与制度の整備、2024年に予定されている地域手当の見直し、それに連動する職員全体の賃金カーブの引下げの可能性など多岐に渡る課題があります。
また、人事院の人材の確保と定着のための働き方改革などの動きは、都労連の交渉に大きな影響を及ぼす可能性があり、人事院勧告を注視する必要があります。
現業人事制度の改善については、2008年の8%切り下げ以降、現業職員の賃金は低水準に留め置かれており、給与水準の回復は大きな課題です。業務職給料表の作成方針の改善を含めた大幅な賃金引き上げを求めます。また、複線型任用制度の確立を求めるとともに、技能主任選考、技能長・担任技能長職昇任選考における枠の拡大、昇任基準の改善等を求めます。退職不補充の撤回と業務量に見合った人員配置を実現する必要があります。
組合加入促進のプロジェクトチームを立上げ
都庁職課題では、労働環境の改善等に取り組んでいきます。「職員の福利厚生・労働環境改善に関する要求書」「職員住宅の改善に関する要求書」を当局に提出し、要求実現に向けた交渉を行っています。島しょで働く職員の労働環境の改善は、島しょの厳しい状況を的確に把握し、都庁職として取組むとともに、都労連要求への反映を追求します。職員住宅は、引き続き第三号住宅を存続させ、職員住宅の改善を求めています。
障害者の雇用及び労働条件の改善に関する取組については、障害者雇用の割合拡大とともに、障害者が活躍できる環境改善に取り組んでいきます。「障害をもつ組合員懇談会」や実行委員会等での議論を踏まえ、障害をもつ組合員の処遇改善を求めていきます。
会計年度任用職員等の労働条件改善に関する取組は、都労連と連携して取組んでいきます。特に、改正地方自治法の成立を踏まえ、更なる処遇改善を求めていきます。会計年度任用職員の職ごとの賃金は各支部が、報酬額についての局との交渉を行っていくことになっています。会計年度任用職員の処遇改善に向けて、都庁職は各支部とともに取り組んでいきます。
超過勤務縮減・36協定改定に関する取組は、超過勤務が高止まりしている現実を見ると、当局の超過勤務縮減の取組では不十分です。
実効的な労使協議等、超過勤務縮減に向けた取組を行って、各支部とも協力しながら、継続的な議論を当局と行います。
労働安全衛生の取組は、東京都安全衛生委員会への参加などを含めて取組を進めていきます。
予算・人員に対する取組では、労働環境改善としての予算・人員の協議の幅が広がるように取り組むとともに、職員の労働条件に直結する組織改編、新規事業の実施等は、交渉事項として取り組んでいきます。
都庁職組織・財政強化の取組としては、まず組織財政検討委員会を設置して検討を行い、2024年1月を目途に最終報告と答申を受け、次期運動方針案及び予算案に反映します。また、都庁職加入促進プロジェクトチームを立上げて、組合加入オリエンテーション等で使用可能な動画の作成に取り組むなど、各支部の加入促進を支援するとともに、このプロジェクトチーム自体も若手組合員の交流の場としていきます。
討論を踏まえ諸闘争に都庁職全体で取り組む
執行部からの提案を受け、4名の本部委員から、都人事委員会に対する取組の強化、会計年度任用職員の処遇改善など、障がい者の雇用、予算・人員に対する取組、現業人事制度の改善や現業の退職不補充撤回の取組、休暇などの権利行使に伴う人員の配置について発言がありました。
執行部からは、これらの意見に対する見解を回答するとともに、闘争方針を補強する意見として受け止めて、具体の取組に活かしていく旨の答弁を行いました。当面の闘争方針は、本部委員会の全体の拍手で決定しました。
また補正予算案が提案され、全体の拍手で決定しました。
今後、都庁職は決定された方針に基づき、当面の闘争に取り組んでいきます。
大嶋英行執行委員長
九州地方の豪雨による被害で、亡くなられた方もいる。ご冥福をお祈りし、被害者と被災された皆さんにお見舞い申し上げる。
本日は、大会以降の取組みの報告と当面の闘争方針をご議論頂きたい。
3月14日に開催した定期大会では、新たな都庁職の執行体制を決定した。新三役のうち、委員長と副委員長とが非専従、もう一人の副委員長は都労連副委員長と兼務という体制となった。都庁職の組織と財政は、今後も検討する必要があるため、組織財政検討委員会で検討を進めていく。
高止まりしている超過勤務の縮減について当局と議論し、来年4月から適用される医師の時間外労働の上限規制に対応するため、36協定基本協定の改定を行った。超勤縮減は今後も継続して議論を行っていく。
夏季一時金・夏季休暇改善などの都労連闘争では、総決起集会などの取組を実施し、一時金の大幅増額を求めて闘った。夏季一時金は条例・規則どおりの支給で関連要求もゼロ回答となり、夏季休暇の取得期間は5年ぶりに本則通りとすることで決着した。
今年の春闘は約30年ぶりの高水準で決着したこと等を背景に、今年の人事院・人事委員会勧告はプラス改定が期待されている。都人事委員会宛ての要請署名は、昨年比2割以上増の集約数となり、組合員の期待の大きさを表しているが、行(一)1・2級職の見直し等の制度改悪は断じて容認できない。今年度は定年年齢引上げに伴い、定年退職者が不在となる最初の年度だ。今後、人事院の動きにも注視していく必要がある。
ロシアがウクライナへ侵略して1年4カ月が経過した。多数の市民が犠牲となっており、予断を許さない事態だ。戦争の無い平和な世界の実現に向けた努力が求められる。食料品やエネルギーに至るまで値上げが続いて暮らしを直撃している。物価上昇に見合った大幅賃上げを求め都労連に結集し闘っていく。
本部委員のみなさんによる旺盛な討論で、賃金闘争と都庁職課題を団結して闘っていく意思統一が図られるようお願いする。
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