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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
物価上昇を上回る賃上げを
都庁職第1回本部委員会を開催

 

 2022年7月14日、都庁職は2022年度の第1回本部委員会を開催し、今年3月の都庁職第55回定期大会以降の取組等の経過を確認するとともに、執行部が提案した当面の闘争方針を全会一致で決定しました。

 本部委員会の開催にあたり、斉藤執行委員長が冒頭に挨拶を行いました。(挨拶概要は末尾記載
 斉藤委員長は挨拶で「この本部委員会では、定期大会以降の取組の報告を行い、当面の闘争方針を検討して頂く」とした上で、ロシアによるウクライナ侵略、7月10日の参議院選挙結果などの情勢に触れつつ、都庁職定期大会以降の闘争やこの間の交渉について言及しました。また、人事委員会勧告に向けた取組、小池都知事による都政構造改革の問題点の指摘などを行いました。最後に、諸課題について力を合わせて闘う意思統一が図られるようお願いし、旺盛な議論を呼びかけました。
 引き続いて、定期大会以降の活動経過報告が行われました。
 経過報告の討論では、衛生局支部の本部委員から「支部は6月18日に臨時大会を開催し、地方独法化に伴い、支部内の3病院の職場組織が都庁職から離れることを決定した。新型コロナウイルス感染症対策に追われる中、都立病院の設置条例を廃止し、地方独法化が強行された。東京都には、地方独法化にあたり現給保障などを認めさせたが、ハラスメント問題、人事考課制度などについては前進をさせることができなかった。今後、人員増を求めていく」旨の発言がありました。
 都庁職本部からは鎌滝書記長が「都立病院の地方独法化については、この間、都庁職本部と各支部が一体となって、反対をしてきた。しかし、コロナ禍にもかかわらず、地方独法化が強行されたことを遺憾に思っている。地方独法化された都立病院に派遣されている都庁職組合員の労働条件の改善は、今後も衛生局支部と共に取り組んでいくことを検討していきたい」との回答を行いました。
 活動経過報告と討論の内容は、全体の拍手で確認されました。

 

秋冬の諸闘争に向けて
当面の闘争方針を決定

 当面の闘争方針は、定期大会後の36協定改定・超勤縮減に向けた取組等や夏季一時金闘争での取組を踏まえ、具体的な運動の課題と進め方を確立し、本部・支部一体の運動の前進を提起しています。
 国政をめぐる情勢としては、ロシアによるウクライナ侵略に言及しつつ、物価上昇や円安状況などに触れ、国民生活悪化を指摘。また、完全失業率悪化など雇用状況と実質的な賃金水準悪化を分析。岸田内閣の骨太方針や新しい資本主義の実行計画などが、当初掲げていた所得倍増とはかけ離れたものであることを批判。参議院選挙の結果は、憲法改正に前向きな政党の議席が、参議院全体の3分の2を超えたと総括し、都庁職は引き続き日本国憲法の改悪に反対する取組を進めるとしています。
 都をめぐる情勢では、小池都知事が進めてきた都庁版働き方改革が実質的に破綻したことを指摘。労働時間短縮は喫緊の課題であるとの問題意識を示しました。また、未来の東京戦略やシン・トセイ2によるデジタル化は、職場に大きな負担を押し付けているとして、オフィス改革などは労使による検討が必要であるとしています。そして、全ての職員のために業務量に見合った人員措置が必要であると指摘しています。
 闘いの課題と進め方は、都労連統一闘争と都庁職の二つの闘いを整理し、方針として提起がされました。
 主な都労連課題のうち、賃金闘争では、都労連の掲げる2万1千円以上の賃上げ、初任給の引上げ、地域手当の本給繰入、一時金・生活関連手当の改善などの要求を確認。人事委員会がこの6年間、低率・低額の公民較差を示し第三者機関としての役割と責任を放棄し、「もう一つの当局」となっていることを指摘しています。人事給与制度の改善と合わせて、大幅賃金改善で組合員の期待に応えるために、全力で取組む決意を明らかにしました。
 高齢期雇用制度については、6月の都議会で定年年齢の引上げに必要な条例改正が行われたことを踏まえ、60歳超の職員の賃金水準の抜本的改善を求めるとしています。また、退職手当の支給水準、役職定年制など多く課題と、定年年齢の引上げに伴う人事制度等の改善を求めています。
 人事制度については、都労連と当局の人事制度検討委員会での実質協議を足掛かりに、複線型人事制度の確立のため、専門区分の拡大や一般職を含めた制度の拡充を求めます。また、効率的な業務の執行が可能となる組織体制の確立を求めています。
 現業人事制度改善では、不当に切り下げられている給与水準の回復を引き続き目指します。
 会計年度任用職員の処遇改善は、一時金支給の労使の議論を含め、都労連の闘争に積極的に取り組んでいきます。
 都庁職の課題では、福利厚生・労働環境改善は、職員住宅の改善について合わせて要求を作成し、当局に提出していきます。
 障害者の雇用及び労働条件の改善に関する要求は、当事者中心に実行委員会での議論を基に要求書を作成し提出していきます。
 島しょ勤務職員の処遇改善については、島しょ勤務組合員の意見等を踏まえた要求書を作成し、改善を求めていきます。
 「都庁働き方改革」に関する取組では、課題を明らかにし、当局に実効性のある施策の充実を求めます。
 超過勤務縮減と36協定改定に関する取組では、当局による労働時間の適正把握を求めるとともに、超過勤務縮減の交渉を通年で実施し、具体的な超勤縮減策の実施を求めます。
 予算・人員については、都庁職本部では依命通達・局要求・知事査定発表の際に、窓口で内容の説明を受けています。支部・局関係では、これまでの取組を継続発展させ、各職場の執行体制を確立することが求められます。都庁職は、各支部の課題について状況を把握し、必要があれば機動的に取組む体制を構築します。
 都立病院等の地方独立行政法人化についての取組では、組合員の労働条件や処遇の改悪を許さない取組みをしていきます。
 特殊勤務手当改善の取組では、新型コロナウイルス感染症対策に係る業務支援者の手当等必要な事項について求めていきます。
 また、都庁職の組織財政を抜本的に見直すことが喫緊の課題とされました。
 当面の闘争方針の提案を受け、2名の本部委員から、1年単位の変形労働時間制の活用、当面の闘争方針の提案の方法、組織財政検討委員会の構成員について意見が出されました。
 執行部からは闘争方針を補強する意見は、受け止めて今後の活動に活かす旨の答弁を行いました。
 2022年度の当面の闘争方針案は、全体の拍手で確認されました。
 今後、都庁職は決定された闘争方針に基づき、本部支部が一体となって、当面の闘争と諸課題への取組みを行っていきます。

 

斉藤執行委員長 冒頭挨拶

 ここ数日のコロナ新規感染者は1万人超になっており、できるだけ短時間の会議運営とするために、ご協力をお願いする。この本部委員会では、定期大会以降の取組の報告を行い、当面の闘争方針を検討して頂く。
 ロシアによるウクライナへの軍事侵略から4カ月が経過した。現在もウクライナ東部を中心に激戦が続き、市民を含む多数の死傷者が生じ、多くの都市が破壊されている。ロシアの侵略行為に断固抗議し、軍事行動をただちに中止して、ウクライナから撤退するよう改めて強く求めたい。
 7月10日参議院議員選挙の結果、憲法改正に意欲的な4党の議席が憲法改正の発議に必要な両院での3分の2の議席を上回った。憲法改悪を許さない取組みが必要だ。
 この間、都庁職は、超過勤務縮減と36基本協定について交渉を行った。基本協定の確認を行ったので、これに基づき各職場では、36個別協定の締結交渉を行って頂いた。
 また、都労連の夏季一時金闘争では、今年は対面での団体交渉が行われ、結婚休暇や長期勤続休暇の取得期間の延長を認めさせたが、一時金は現行どおり支給という結果になった。
 人事院・都人事委員会による民間給与実態調査は、既に終了し、今後、勧告が行われる。ウクライナ侵略の影響による食料品やエネルギー価格の高騰、そして急激な円高で、物価の上昇がとまらない状況だ。今年の闘争では、物価の上昇を上回る賃金引上げを求めて闘いを進めていく。人事委員会要請署名の取組みを各支部で取組んで欲しい。
 小池知事は、2月4日、都政構造改革をデジタル化で進めるための戦略「シン・トセイ2」を発表し、事務執行の迅速化や行政手続きのデジタル化で都民サービスを向上させるとした。
 しかし、デジタル化を進めるための膨大な調査などで職員に多大な負担がのしかかっている。未来型オフィスの展開は、施行されている職場から弊害について意見が寄せられている。
 都庁職は、職員がいきいきと働き続けられる職場の実現を目指して取組んでいく。
 7月1日から都立病院・公社病院が地方独立行政法人となった。コロナ禍が収束しない状況下での地方独法化は、公的医療に対する責任の放棄だ。都民の命と健康を守るため、都立病院の行政的医療の機能を後退させない取組みが必要だ。また、地方独法化された病院に都庁職の組合員も派遣されている。衛生局支部、病院支部とともに組合員の労働条件改悪を許さない取組みを進める。
 本部委員の皆さんの旺盛な討論により、賃金闘争、都庁職課題について力を合わせて闘う意思統一が図られるようお願いする。

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