都庁職第55回定期大会を開催
都立病院等の地方独法化は公的医療の後退
コロナ禍に対応できる執行体制の確保を
都庁職は2022年3月10日、第55回定期大会を開催しました。大会では、一般経過報告、組織財政検討委員会の報告、各会計決算報告、会計監査報告が行われ、討議後に承認されました。続いて第1号議案から第3号議案が提案・討議され、2022年度運動方針、同予算等を決定しました。
第55回都庁職定期大会は、コロナ禍でのまん延防止等重点措置中の開催となったため、感染症対策で代議員の委任状での参加を認めての開催となりました。
大会では、議長団選出後、斉藤執行委員長が挨拶を行いました。
第54回大会以降の一般経過報告では、病院支部と衛生局支部の職場から、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化に反対するなどの意見が2人の代議員から出されました。
一般経過報告は、執行部の答弁の後、全体の拍手で承認されました。
2021年度組織財政検討委員会の報告では、2021年度に検討委員会を設置する予定でしたが設置できず、2022年度に改めて検討委員会を設置することが報告され、全体の拍手で確認されました。
各会計決算報告と会計監査報告は、全体の拍手で承認されました。
第1号議案の運動方針については5名の代議員から発言がありました。
建設支部の職場からは、鉄道会社が行った大規模なダイヤ改正による勤務体制への悪影響を懸念する意見が出されました。
病院支部の職場からは、都立病院等の独法化反対、医療現場の執行体制確保や処遇改善についての意見が出されました。
税務連合支部の職場からは、特殊勤務手当改善闘争と各職場の来年度の予算・人員要求についての意見が出されました。
都市整備環境支部の職場からは、感染症対策等の職場支援の問題、定年退職後の生活保障などについての意見が出されました。
福祉保健局支部の職場からは、特殊勤務手当改善闘争、非常勤職員の現状等の学習会、定年制度の学習会の意見が出されました。
運動方針に対する討議に執行部が答弁し、運動方針は全体の拍手で決定しました。これにより要求実現を目指す闘いを展開する方針が確立しました。
第2号議案各会計予算は、提案後、全体の拍手で決定しました。
第3号議案の特別執行委員と顧問の選任は、提案後、拍手で可決されました。
大会宣言、辺野古新基地建設反対・憲法改悪阻止・ウクライナ共和国への侵略に抗議する決議、都立病院の地方独立行政法人化に反対する決議、大会スローガンは、全体の拍手で採択と確認がされました。
最後に、斉藤執行委員長の団結ガンバローで、第55回大会は終了しました。
都立病院の地方独立法人化反対
都庁職執行委員長 斉藤修二
2月24日、ロシア軍によるウクライナへの侵略が始まり、ウクライナ国民に多くの犠牲者が出ています。ロシアのプーチン大統領を厳しく糾弾するとともに、即時の停戦とロシア軍の撤退を求めます。
本日3月10日は、東京大空襲の日です。戦禍で亡くなられた多くの犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、戦争のない平和な世界の実現に向けて取り組んでいきます。
東日本大震災・福島原発事故から11年となりますが、廃炉に向けた調査すら始まらず、多くの人が避難を余儀なくされています。改めて、原発ゼロに向けた取組が重要になっています。
日本の平均賃金は、この30年の間に4%しか増えていません。一方で資本金10億円以上の大企業の内部留保は、2020年度に7・1兆円増加し、466・8兆円となっています。大企業がため込んだ内部留保を労働者の賃上げと雇用確保に充てさせていかなければなりません。
2021年度は、都庁職課題として特殊勤務手当の見直し交渉を行いました。残念ながら、税務事務特別手当については、当局の提案を一定押し返したものの改悪を許す結果となり、当該支部の皆さんには大変厳しい判断をしていただくこととなりました。一方、福祉等業務手当については、ほぼ要求通りの改善を勝ち取ることができました。この間の改善闘争にご奮闘いただいた組合員の皆さんに感謝いたします。
新型コロナウイルス感染が急拡大する中、都立病院では、率先して感染者を受け入れ、多くの都民の命と健康を守ってきました。しかし、小池知事は、都立病院の地方独立行政法人への移行に向けた手続きを強行しようとしています。東京都として新型コロナウイルス感染症に打ち克ち、感染症に強い都市の実現を図るならば、都立病院の直営を堅持し、医療体制の充実を図るべきです。
都庁職は、都立病院の地方独立行政法人化に断固反対し、病院支部と衛生局支部の組合員と一緒に取組を進めます。
都庁職は、職場を守り、組合員の賃金・労働条件改善、職員が安心して働き続けられる職場環境の実現に向けて、職場を基礎に組織の総力を挙げて奮闘していきます。
独法化反対運動の取組
都民の意思は署名で明確
衛生局支部 平岩代議員
支部は、小池知事が都立病院を独法化すると表明してから反対運動に取組んできた。多摩メディカルキャンパスで3つの病院の組合員を組織している。特に三多摩地区などでは、地域の都立病院を守る会と一緒に、街頭宣伝、署名活動、ビラ配布などの反対運動に取組んできた。
3月15日の都議会厚生委員会で独法化関連の審議が行われる。独法化中止を求める請願署名は5万7千超が提出された。都民の意思は明確だ。7月1日に移行すれば都職員6、838名が減員になる。支部は独法化中止を求めて闘う。
都立病院などの独法化
公務員の身分奪われる
病院支部 大工原代議員
2022年7月1日に病院経営本部の定数6870人を削減し、都立・公社の14病院を地方独立行政法人化することが強引に進められている。全国的にも例の無い大型独法化であり、公務員定数削減だ。職員はコロナ禍で業務に追いまくられ、考える時間も知る時間も与えられない中で、公務員の身分を奪われようとしている。許せない。
地方独立行政法人の労働条件は、都労連や都庁職が勝ち取ってきたものを簡単に改悪する内容だ。かなりの部分が都の制度を踏襲する。引き続き都庁職とともに頑張る。
経過報告答弁
強引な地方独法化
当局の責任を追及
鎌滝書記長
都立病院・公社病院の地方独立行政法人化については、都庁職本部も大きな問題として捉えており、これに反対する声明及び見解や態度を示してきた。
現在のコロナ禍において、医療に関連する業務に全力を尽くしている都立病院や公社病院の職員を不安にする組織変更をやめるべきとの意見を述べてきた。
しかし、都の来年度予算案では、都立病院への予算を7月までとしており、設置条例を廃する条例を今議会にかけていることなど、地方独立行政法人化への手続きを当局は強引に進めている。
反対運動を引き続き行うことは重要であり、続けることが必要である。支部が本部に求めることがあれば、それに対して応援や支援をする。今の状況は厳しいが、反対の運動は続けてもらいたい。人事・給与制度等を押し付けるような心配があれば、情報を提供してもらいたい。
また、多摩の小児総合医療センターも、地方独立行政法人化の予定に組み込まれていると聞いている。
どのような方向性になるかわからないが、組織の変更は当局に責任がある。万が一、組織改正が原因で何か問題が起こった場合や小児医療の役割が損なわれることとなれば、当局に対してその責任を追及していかねばならない。
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