都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
2022年も要求実現のために
職場・組合員と一緒に取組みます

 

 新年明けましておめでとうございます。
 都庁職新聞は、今号で600号を数えることになりました。なお一層、組合員の皆さんにために、情報を発信してまいります。
 昨年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、ほぼ1年間を通して緊急事態宣言などの行動制限が出される中での生活となりました。8月13日には、5900人を超える新規感染者が確認され、医療体制はひっ迫し、入院できずに自宅療養を余儀なくされ、在宅のまま死亡する方が出てしまう深刻な事態となりました。また、飲食店やサービス業を中心に、営業が困難な状況が長期化し、経営や雇用について厳しい状況が続きました。
 この間、都民の命を守り、暮らしを支えるために奮闘してきた全ての職員の皆さんに心から敬意を表します。
 2021年の賃金確定闘争は、例月給については事実上6年連続の改定見送り、一時金については2年連続の引下げという不当勧告に加え、定年年齢の引上げに伴う60歳超職員の給与水準や定年制度の構築を目指した闘いとなりました。当局は、最後まで勧告や国制度との均衡を理由として、都労連の要求に応えないという厳しい姿勢を示し続け、厳しい労使交渉となりました。最終的に、例月給や一時金については勧告通りとなり、定年年齢の引上げに伴う60歳超職員の給与水準についても押し返すことができませんでした。都労連要求に関わっては、赴任旅費の移転料の改善、不妊症・不育症に関わる病気休暇取得単位の改善、会計年度任用職員の育児・介護と仕事の両立を支援する制度の改善など一定の前進を勝ち取ることができました。妥決結果は、私たちの要求からすれば厳しい内容ではありますが、都労連・都庁職に結集して闘った到達点です。改めて組合員のみなさんが最後まで奮闘いただいたことに感謝します。

 

都立病院等の独法化に反対
労働条件を守るために奮闘

 東京都は、この間様々な超勤縮減の取組を行ってきましたが、毎年超勤実績は前年を上回っています。掛け声だけの超勤縮減ではなく、人員措置も含めた実効性ある取組を求めていく必要があります。
 小池知事は昨年9月の第三回定例都議会の所信表明で、都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行を今年7月に行うことを表明し、「地方独立行政法人東京都立病院機構定款」を成立させました。昨年の新型コロナウイルス感染爆発の中で、率先して感染者を受け入れ多くの都民の命と健康を守ってきた都立病院・公社病院を感染が収束しない状況で独立行政法人化することは、極めて重大な問題です。都立病院の独法化は、患者負担の増大やサービス低下だけでなく、職員の身分や処遇に関わる問題です。
 都庁職は、都立病院の独法化に反対し、住民の命と健康を守り、職員の労働条件を守るために全力で奮闘していきます。

 

特殊勤務手当の改善を求めて闘います

児童相談所職員の処遇を改善し人員確保を【福祉保健局支部】

 近年、相次ぐ死亡事例などをきっかけに児童虐待に対する社会的関心が高まっています。その最前線で児童や保護者の相談支援にあたっているのは、10か所の東京都児童相談所に勤務する、私たちの仲間です。児童相談所では、児童や保護者への全般的な相談支援を行う児童福祉司をはじめ、それを心理的な面でサポートする児童心理司、一時保護所で児童の生活援助を行う保護所職員などの常勤職員だけでなく、会計年度任用職員(虐待対応協力員や司クラークなど)がチーム一丸で業務にあたっています。
 昨年11月下旬に厚生労働省が発表した統計資料によると、2020年度中に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は統計開始から初めて20万件を超え、この5年間で約2倍に増加。東京都内の児童相談所が対応した件数は2万5736件と、この5年間で2・5倍以上増加しており、都内の児童相談所を取り巻く現況は、全国的にも大変厳しいものとなっています。また、心理的虐待に関する相談件数が増加するなど相談内容も年々多様化しており、これに伴い児童相談所で働く職員の業務も年を追うごとに複雑かつ困難なものとなってきています。
 このような状況を背景に、当局も毎年児童相談所職員の体制強化を図ってきていますが、残念ながら実人員の配置、育成が追いついておらず、2021年度当初には10の児童相談所全体で欠員が100名を超えるという異様な事態が発生しています。児童虐待対応への社会的関心の高まりから、児童相談所の担う役割がこれまで以上に期待されている中での大量欠員。この矛盾の代償は、職員一人一人の背中に重くのしかかっています。

 

東京都の処遇は全国最低水準

 2020年、全国的に共通の課題となっている児童相談所職員の人材確保を目的に、国は職員1人当たり月額2万円の処遇改善にあたる予算措置を行いました。東京都の現行制度では、一時保護所で交替制勤務を行う職員に対しては、給料の調整額として従来から国想定程度の処遇改善が図られています。しかし、日勤の児童相談所職員に対しては、児童福祉司が家庭訪問をした際に、日額200円の特殊勤務手当が支給されているのみであり、月額換算でも最大月4千円程度と国想定の月2万円に比べて大変低いものとなっています。それに加え、対象業務が家庭訪問に限定されていること、対象職種が児童福祉司に限定されていることなど、あらゆる側面において、東京都の処遇は全国的に見ても最低水準であることが他県の職員団体が実施した調査からも明らかとなっています。支部は、都の児童相談所は全国的にもより厳しい環境にあるにも関わらず職員の処遇が十分でないこと、そしてこのことが人材の確保を困難にさせている可能性があることを局に訴え、対応を求めてきました。
 近年は、東京都を退職して他の自治体へ転職する人も多くなってしまっています。また、東京都の受験を避ける人がいるなど、福祉人材が東京都から流出してしまうことが問題となっています。

 

複雑化し、困難性を増す
児童相談業務

 3年に1度の特勤手当の見直しの機会である今年度、支部は都庁職とともに全力を挙げて闘ってきました。
 8月下旬、支部は児童相談所の体制強化に向けた要請書を局に手交、要請書を作成するにあたっては、支部で組織している「児童相談所対策委員会」を通じ、現場で働く組合員の意見を反映させてきました。目下の児童相談所の人員不足が、連鎖的に児童相談所以外も含めた福祉職場全体の福祉人材不足を招いていること、またそれが多くの福祉利用者への十分な支援を困難にさせつつあることを念頭に、まずは児童相談所職員の処遇改善が求められることを要請書で訴えました。
 10月には、都庁職が都知事あてに提出した「特殊勤務手当の改善に関する要求書」の中で、児童福祉司に支給されている特勤手当である福祉等業務手当に関し、具体的に「対象業務の拡大」「手当増額」「対象職種の拡大」の3項目の改善を求めました。その後実施した都庁職交渉等を通じ、要求の背景にある複雑化する支援の内容や、児童心理司など児童福祉司以外の職員の業務の困難性を訴えてきました。具体的には「児童虐待対応に厳しい目が向けられるようになり、職員は24時間365日緊張感が抜けない状況」「弁護士対応をはじめ専門的かつ責任の重い業務が年々増加」「児童福祉司と連携して業務を行う児童心理司にも同様の負荷がかかっている」など、組合員の切実な声を丁寧に伝えてきました。
 11月末には、総務局が都庁職とともに新宿区にある児童相談センターの現場調査を実施、改めて現場職員から厳しい職場の実情を訴えました。

 

利用者本位の福祉の
実現を目指し闘い抜く

 国は現在、虐待を受けた児童の一時保護に司法審査を導入するなどの内容を盛り込んだ児童福祉法の改正を検討しています。本改正は児童や保護者の権利擁護の観点から検討されているものであり、直ちに否定されるものではありませんが、職員の業務がこれまで以上に複雑かつ専門的になっていくことは想像に難くありません。法改正の趣旨を真に実現していくには、実際に対応する職員の人材確保、育成が必要不可欠です。特勤手当の改善をはじめとした児童相談所職員の処遇改善が、福祉職場全体の人材の充実と、利用者本位の福祉の実現につながることを信じ、福祉保健局支部は都庁職とともに最後まで闘い抜きます。

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