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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
令和3年人事委員会勧告等の概要

 

令和3年10月15日
東京都人事委員会

1 ポイント

 

○ 例月給は改定見送り、特別給は2年連続の引下げ
 例月給
 ・公民較差(△103円、△0.03%)は、かなり小さいため、改定を見送り
 特別給(賞与)
 ・年間支給月数を0.10月分(4.55月→4.45月)引下げ、期末手当で実施
○ 定年の引上げについて意見を申出

 

2 職員と民間従業員の給与比較

 

(1) 比較の方法

・企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の都内10,875事業所を調査母集団とし、そのうち1,230事業所を無作為抽出して調査
 (調査完了747事業所調査実人員55,758人)
<例月給>
 職員と民間従業員の4月分支給額を調査し、ラスパイレス方式により、主な給与決定要素である役職、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を対比させ、職員の人員数のウエイトを用いて両者の給与水準を比較
<特別給>
 民間従業員に対する直近1年間(昨年8月から本年7月まで)の賞与の支給実績を調査し、職員と比較

 

(2) 比較の結果

 

3 給与の改定

 

(1) 改定の考え方

・本年の公民較差はかなり小さく、公民の給与はおおむね均衡している状況にあることから、例月給の改定を見送り
・特別給については、民間の支給割合が職員の年間支給月数を下回るため引下げ

 

(2) 改定の内容

特別給

・民間の支給状況を踏まえ、年間支給月数を0.10月分引下げ
  (再任用職員は0.05月分)
・引下げは期末手当で実施

 

(3) 実施時期

 令和3年12月支給の期末手当から実施

 

4 60歳を超える職員の給与

 

(1) 考え方

・職員の給与は、社会一般の情勢に適応するとともに、国家公務員等との均衡を図る必要
・調査によると、都内の60歳台前半層の民間従業員の年間給与は、60歳前のおおむね7割水準
・国家公務員については、定年引上げに伴い60歳を超える職員の給与を100分の70とする措置が実施

 

(2) 内容

・当分の間、60歳を超える職員の給与は7割水準が適当
・定年引上げに伴い、新たに導入される定年前再任用短時間勤務職員の給与は現行の再任用短時間勤務職員と同様の取扱いが適当

 

5 今後の課題

 

(1) 職務給の更なる進展等

・行政職給料表(一)1級・2級について、上位級とのバランスを考慮した昇給幅への是正の視点から、課題の解決に向けた適切な対応を検討

(2) 能力・業績を反映した給与制度の更なる進展

(3) 新たな給与制度の在り方についての検討

・定年引上げ完成後、60歳前後での給与水準が連続的になるよう、新たな給与制度の在り方について研究・検討

 

6 人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)

 

(1) 新たな時代における人事制度の在り方

ア 都政の新たな展開を踏まえた人事制度の検証

・都政の構造改革の推進には、職員構成の変化も考慮した上で、有為な人材の確保とその後の計画的な育成が不可欠。中長期的な視点を持ち、未来の東京の実現に向けた人事制度の在り方を検討していくことが必要
・採用手続のデジタル化・オンライン化を進めて、WEB面接など受験者にとって利便性の高い手法を活用し、有為な人材を着実に確保
・国・他自治体・民間など多様な主体との交流を活性化させ、外部の知識やスキルを積極的に取り込み、職員の知見を向上させていくことも重要
・都庁全体のDXを目指すためには、ICT職の専門性を引き出す人材育成やキャリアパスの構築とともに、職員全体のデジタルに対する意識の醸成が重要
・T類A採用試験を独立した区分として実施する必要性を含め、採用制度の在り方について検討
・主任級職選考の受験者のモチベーションを維持・向上させる方策を講じ、今後の職員構成を考慮しつつ、選考の在り方について検討
・管理職選考は、受験率の向上が課題であり、昇任選考への挑戦を促す取組や選考の在り方について検討

イ 誰もが活躍できる都庁の実現

・ダイバーシティ、インクルージョンが尊重された都庁を実現するためには、全ての職員がその能力や経験を活かし、実力を発揮できる環境づくりが重要
・障害者活躍推進計画で定めた取組を着実に推進し、障害を有する職員が働きやすい職場づくりに努めていくとともに、受け入れる組織を支える取組の強化が重要
・高齢層職員について、引き続き国や民間の動向を注視し、定年引上げに伴う役職定年制や再任用制度等の必要な見直しにおいて、都の実情に合った検討及び対応をすることが重要

 

(2) 働き方改革と勤務環境の整備

ア ライフ・ワーク・バランスの推進

・テレワーク等の活用の推進については、柔軟で多様な働き方の選択肢の一つとして、後戻りさせることなく定着させていくことが必要
・感染症対策が長期化していく中で、超過勤務時間が増加している状況を深刻に捉え、長時間労働の是正に向けた取組を強力に進める必要
・教員については、感染症対策など工夫が求められる活動も多い中ではあるが、働き方改革の取組を引き続き推進し、取組の実効性を確保していくことが肝要
・柔軟で多様な働き方の推進については、育児・介護等と仕事の両立に向けて整備した制度の利用を促進するとともに、利用しやすい職場環境づくりが重要
・男性職員の育児休業等の取得については、取得勧奨やフォローアップの強化などの取組を着実に進め、強力に推し進めていくことが必要
・女性の更なる活躍推進に向け、女性管理職比率の向上、育児等の事情を抱える職員のライフ・ワーク・バランスの実現に向け、取組を推進させていくことが重要イ職員の勤務環境の整備
・「職場におけるパワー・ハラスメントの防止に関する基本方針」に基づき、パワー・ハラスメントのない勤務環境づくりに着実に取り組むことが重要
・セクシュアル・ハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントについて、引き続き防止に向けた取組の推進が必要
・性自認及び性的指向にかかわらず活躍できる勤務環境の整備に向けて、ハード
・ソフト両面から検討を前進させ、実現可能な取組から速やかに実施すべき
・長時間労働の面接指導やメンタルヘルス対策など職員の適切な健康管理が必要。ストレスチェックの受検勧奨を進め、セルフケア(職員自身の健康管理)の充実を図るとともに、集団分析結果を職場の勤務環境改善に役立てていくことが重要

 

(3) 公務員としての規律の徹底

・依然として一部の職員において、公務員としての自覚を欠く行為が発生しており、職員は公務の内外を問わず、改めて服務規律を徹底する必要
・全ての職員が高い倫理観と使命感の下、公共のために働くという責任と誇りを持ち誠実かつ公正に職務に精励することを強く望む

 

7 定年の引上げに関する意見

 

(1) 定年の引上げ及びその関連制度

・定年年齢を段階的に65歳に引上げ。引上げ期間中の再任用制度は現行と同様
・役職定年制の導入に当たっては、国との権衡を考慮しつつ、都の任用実態を踏まえて対応
・定年前再任用短時間勤務制の採用対象となる年齢は60歳以降

 

(2) 60歳を超える職員の給与

・60歳を超える職員の給料月額は60歳前の70%の額
・役職定年制により降任した職員の給料は、降任前の給料月額の70%の額となるよう差額を支給
・定年前再任用短時間勤務職員の給与は、現行の再任用職員と同様の取扱い

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