要求の実現に向けて闘い継続へ
期末手当の引き下げは12月期から反映
旅行雑費の定額支給廃止は次年度から
・一時金は勧告どおり期末手当を0・10月分引き下げ
・再任用職員の期末手当も0・05月分引き下げ
・旅行雑費見直しは2021年度に先送り
・介護休暇の要介護者の範囲を拡大
・会計年度任用職員の休暇制度を改善
・インフルエンザ予防接種利用助成の拡充
2020秋季年末闘争は、新型コロナ感染症対策の渦中という困難な状況に加え、都人事委員会勧告が一時金の0・10月分引き下げを勧告するという状況の中で闘われました。この間、都労連は、都側の旅費制度見直し提案の撤回を求めつつ、組合員の切実な要求を前進させるために、都側と厳しく対峙し、労使交渉を尽しての解決を追求し、11月12日、年末一時金の交渉を妥結することとなりました。今後は、例月給の取扱い巡る闘いにおいて、要求の実現を目指して、都労連・都庁職は闘いを継続していきます。
コロナ禍での前例のない闘争
10月30日の東京都人事委員会勧告は、調査結果の集計が完了した一時金について、年間支給月数を0・10月分引き下げて4・55月とし、引き下げ全てを期末手当で実施するという不当な勧告を行いました。これは、国や他団体を上回る全国で突出した内容です。
これに対し都労連は、11月2日の団体交渉で、年末一時金2・5月分を全額期末手当で支給することを対置して要求し、11月12日を回答指定日としました。
都側は交渉において、都政の構造改革の一環として、人事制度や給与・旅費等の事務についてゼロベースで見直す必要があるとの考えを強調しました。そして11月6日の交渉で、旅費制度の見直しとして、2021年1月1日を実施時期として、旅行雑費廃止する等の提案を行ってきました。これに対し都労連は、旅費の実費弁償の原則を損ない、出張する職員に負担をさせる見直し提案の撤回を求めてきました。
また、都側は、都教育委員会事務局の一般職員と都立学校の現業職員が加入する共済制度について、2020年4月1日より、公立学校共済組合に加入することとするよう、見直しを行うとの提案を行い、具体的な交渉は教育庁と関係単組との交渉に委ねるとの考えを示してきました。都労連からは、関係単組による交渉に委ねることは了解しつつ、丁寧な交渉を行うことを求めました。
その後の交渉では、都側から会計年度任用職員の休暇制度見直しの提案、結婚休暇の特例措置の実施提案があり、労使で合意しました。また、旅費制度見直しの修正案が都側から示されましたが、都労連は、拙速な旅費制度の見直し・旅行雑費の廃止は認められないことを明確にしました。
都側は、11月11日の交渉で対応が可能なものは示してきたとして、これ以上要求にこたえることはできないとの態度を示し、一時金勧告の取り扱いについて、最終的な回答の検討を行っているとしました。都労連は、3つの提案以外の要求については、何ら示されていないことを厳しく指摘し、年末一時金要求の実現を強く迫りました。
回答指定日の11月12日には、単組書記長による労務担当部長要請を行い、交渉再開と事態の打開を迫り、第2波総決起集会を開催し、都労連要求実現の決意を改めて示しました。
要求実現に向け奮闘を
回答指定日の11月12日19時50分から、都労連委委員長と副知事によるトップ会談が行われました。この会談で、副知事からは都側の最終的な判断が示され、これを受け11月12日23時04分に都労連単組代表者会議において交渉の設定とストライキ中止の判断を行いました。
都庁職は執行委員会、拡大闘争委員会で都労連のストライキ中止の判断の確認を行いました。
この度の妥結にあたっては、最大の課題であった一時金については、勧告どおり期末手当0・10月分引き下げ、今年の12月期から実施することになる等、厳しい判断とはなりました。一方で、介護休暇制度の改善や会計年の任用職員の福祉関連要求の実現など、幾つかの都労連要求を前進させた決着となりました。
都庁職は、組合員の要求実現に向け、引き続き奮闘する決意です。
主な到達点
■人事委員会勧告の取扱い
○特別給の改定
・年間支給月数を0.10月分引下げ
(4.65月→4.55月)
・再任用職員は0.05月引き下げ
(2.45月→2.40月)
・引き下げ分は期末手当に反映
・2020年12月期の期末手当から反映
■旅行雑費の見直し
〇近接地外の赴任を除き、旅行雑費の定額支給を廃止
・交通費相当分については、実費額を支給
・旅行中の公務に係る通話料金等については、必要な措置を講ずる
・実施時期:2021年4月1日以後に出発する旅行から適用
■都教育委員会職員が加入する共済制度の見直し
〇都教育委員会事務局の一般職員及び都立学校の現業系職員が加入する共済制度について見直し
都職員共済組合→公立学校共済組合
・実施時期:2021年4月1日
■都労連要求事項
〇帰住旅費の見直し
・帰住旅費の支給対象事由に「東日本大震災に係る被災地支援の業務に従事することを目的とした都の区域外の在勤地における退職」を新たに追加
・実施時期:2021年4月1日以後に退職する職員から適用
〇介護休暇等の対象となる要介護者の範囲の見直し
・介護休暇、短期の介護休暇、介護時間、介護を行う職員の深夜勤務の制限並びに超過勤務免除及び制限の対象となる要介護者の範囲について見直し
・「配偶者又は二親等内の親族」→「配偶者若しくは二親等内の親族又は同一の世帯に属する者」
・実施時期:2021年1月1日
〇会計年度任用職員の介護休暇等の対象となる要介護者の範囲の見直し
・介護休暇、短期の介護休暇、介護時間、介護を行う職員の深夜勤務の制限並びに超過勤務免除及び制限、介護欠勤の対象となる要介護者の範囲について見直し
・「配偶者又は二親等内の親族」→「配偶者若しくは二親等内の親族又は同一の世帯に属する者」
・実施時期:2021年1月1日
〇会計年度任用職員の子どもの看護休暇及び短期の介護休暇の見直し
・時間を単位とする子どもの看護休暇及び短期の介護休暇を取得する場合の承認について、1日の勤務時間が4時間以下の場合を除くとする要件を撤廃
・実施時期:2021年1月1日
〇慶弔休暇(結婚休暇)の特例措置
・新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえ、結婚休暇の始期を2020年1月1日から同年12月31日までの期間内の日とすることができる職員について、始期を2021年1月1日から同年12月31日までの期間内の日とできるよう措置
・実施時期:2021年1月1日
・会計年度任用職員についても、常勤職員に準じて見直し
〇長期勤続休暇の特例措置
・新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえ、長期勤続休暇の取得可能期間の終期が2020年12月31日の職員について、終期を2021年12月31日まで延長
・実施時期:2021年1月1日
〇会計年度任用職員の報酬の特例の見直し
・新型コロナウイルス感染症の状況などを踏まえ、感染症に係る特殊勤務を行った場合に常勤職員の例により支給する特殊勤務手当に相当する報酬について、特例措置の期間を延長
・「2021年1月31日まで」→「2021年3月31日まで」
〇インフルエンザ予防接種利用助成の拡充
・インフルエンザ予防接種の需要が高まることを見据え、利用助成を拡充
・「最大3万人」→「最大4万人」
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