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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
期末手当0.1月分削減の不当勧告
再任用職員は0.05月分削減
国と特別区の2倍の大幅賃下げ

 

2020年東京都人事委員会勧告に対する都庁職声明
2020年11月2日東京都庁職員労働組合

 

11月2日の都労連第一波総決起集会

(1)はじめに

 

 10月30日、東京都人事委員会は、都議会議長及び都知事に対し「職員の特別給に関する報告と勧告」を行いました。
 勧告のポイントでは、特別給について、期末手当を0・10月引き下げ、再任用職員についても、期末手当0・05月引き下げるとし、特別給以外の給与については、別途必要な報告・勧告を予定としています。
 国家公務員や他の自治体が0・05月の引き下げであるのに対し2倍の引き下げ幅となっていることに加え、再任用職員も引き下げるという極めて不当な勧告であり、到底容認できません。
 例年5月に実施されていた民間給与実態調査が、本年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で大幅に遅れ、特別給については6月29日から7月31日まで、月例給については8月17日から9月30日までの期間で行われました。人事院勧告も特別給が10月7日、月例給が10月28日と大幅に遅れました。その結果、東京都人事委員会勧告も10月30日に一時金のみが先行して行われることとなり、2020賃金闘争はこれまでにない異例な状況下での闘いとなります。

 

(2)2020年人事院勧告及び他団体の状況

 

 10月7日、人事院は先行して調査を行った特別給について、国家公務員が民間を0・04月上回るとして、期末手当を0・05月引き下げる勧告を行いました。10月28日に、月例給について、国家公務員が民間を164円(0・04%)上回るとしたものの、較差が極めて小さいとして月例給の改定を行わないとする報告を行いました。
 10月30日までに行われた他自治体における人事委員会勧告では、軒並み、国家公務員と同様に期末手当を0・05月引き下げる内容となっています。

 

(3)東京都人事委員会勧告の内容と問題点

 

1.特別給
 勧告では、特別給の民間支給月数が4・57月であり、都の現行4・65月を0・08月分下回っていることから、年間支給月数を0・10月引き下げ4・55月としています。また、再任用職員についても、0・05月引き下げ2・40月とするとしています。0・10月の引き下げは約4万円の年収減となります。特別給の引き下げは、民間従業員の特別給における考課査定分の割合及び国の勧告内容を考慮し、期末手当で行うことが適当であるとしています。
 都庁職は、特別給を全て期末手当で支給することを要求していますが、期末手当の引き下げ勧告は、定年前の常勤職員と同じ月数の期末手当のみ支給されている会計年度任用職員にとっては、より大きな問題となります。
 また、勧告が実施されれば年間の期末手当は2・50月、勤勉手当は2・05月となり、勤勉手当の割合が44・1%から45・1%に拡大するという、不満な内容となっています。しかし、都人事委員会の資料では、特別給の支給割合は、1、000人以上の企業で年間4・98月であり、私たちの要求からすれば、特別給の引き下げは到底納得できる内容ではありません。

2.例月給等
 勧告では、例月給等特別給以外の給与については、別途必要な報告・勧告を予定としています。
 国や他団体においては、この間例月給の引き上げ改定が行われてきましたが、東京都人事委員会は、事実上4年連続で引き上げ勧告が行われず、職員の期待を裏切ってきました。
 新型コロナウイルス対策や都民生活を支えている職員の奮闘に応える勧告に向けて、人事委員会に対する取組が重要になります。

 

(4)都庁職の態度

 

 都庁職は、東京都人事委員会勧告に向けて、都労連指令に基づく全組合員を対象とした人事委員会要請署名、職場一斉宣伝、ステッカー闘争などに職場・支部をあげて取組んできました。人事委員会署名については、新型コロナウイルス対策下の厳しい状況にある中、前年を上回る署名を集約してきました。
 本年の東京都人事委員会勧告は、国や特別区を上回る特別給の引き下げなど、私達の期待を裏切り、大都市東京の民間賃金実態を精確に反映しない、極めて不当な勧告です。
 この間、国では月例給の引き上げが行われましたが、都においては実質4年連続で例月給の引き上げが行われず国家公務員との賃金格差が拡大してきました。今回の勧告が実施されれば更に格差が拡大することになります。
 再任用職員については、国では引き下げが行われませんでしたが、都では0・05月の引き下げ勧告が行われており、再任用職員の処遇改善を求める私たちの要求に反する内容になっています。
 特別給について期末手当を引き下げるとしたことは、職員の能力・業績を給与へ反映させることを狙いとしており、都人事委員会が「職責・能力・業績主義」の徹底を図る都側に加担する不当な内容です。特別給以外の給与については、別途必要な報告・勧告を予定としており、引き続き、すべての職員の生活改善につながる引き上げ勧告を行うよう人事委員会に対する取組を強化していかなければなりません。
 都労連は、不当勧告の押し付けを許さず、労使交渉による一時金の引き上げと都労連要求の実現に向け全力で闘うとしています。また、勧告制度の限界を踏まえ、これまで通り、労使交渉で自主決着を図り、賃金・労働条件の改善を目指すとしています。
 都庁職は、365日、24時間、都政の現場で働く全ての組合員が生活を維持し、誇りをもって働ける処遇改善を実現するために、職場・支部・分会からの運動を基軸にして取組を進めていきます。
 2020秋季闘争において、都労連六単組の統一と団結を固め、要求実現まで都庁職の組織の総力を上げて闘う決意です。

以上

 

2020都人事委員会勧告の解説と問題点

 

◎道府県と政令市の勧告で突出する0.1月分の引き下げ
◎能力・業績主義の強化に加担

 

 本年の都人勧の調査は、感染症感染拡大を踏まえ、6月から7月までの特別給等に関する調査と8月から9月までの月例給に関する調査の2回に分けて実施。
 人事委員会は、今回は、調査結果の集計が完了した特別給のみの報告とし、特別給以外の給与に関しては別途必要な報告及び勧告を行うとしている。

引き下げ分は全て期末手当で削減

 特別給は、都職員の年間支給月数が4・65月分のところ、都内民間労働者の支給割合が年間4・57月分であり、0・08月分下回るため、支給月数を0・10月分(再任用職員0・05月分)引き下げ4・55月(再任用職員2・40月)とした。また、民間の支給状況等を踏まえ、引き下げの全てを期末手当で実施する。また、改定は本年12月期の期末手当から実施することが適当であるとした。
 しかし、人事院は国家公務員の特別給を0・05月分引き下げる勧告を行っており、47都道府県と20政令市のうち、0・10月分の引き下げ勧告したのは、東京都の他に1県で、都の引き下げ月数は突出している。

企業規模千人以上の民間の特別給は4・98月

 人事委員会の資料によっても、調査対象のうち千人以上の企業規模では、特別給の年間支給月数は4・98月となっている。東京都で働く職員数を考慮すればこれを比較の対象とすべきである。また、引き下げ分全てを期末手当の削減にあてることは、特別給の支給に職員の能力・業績を更に反映させることを狙いとしており、都側が押し進めている職責・能力・業績主義の徹底に、都人事委員会が加担する不当な内容である。
 さらに、期末手当しか支給されていない会計年度任用職員の賃下げ割合は非常に大きくなる。また、育児・介護の休暇制度等を取得している職員の賃下げ割合も大きくなり、権利取得の大きな障害となってしまう。

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