特殊勤務手当の改善を求める
要求実現まで全力で取り組む
税務連合支部
都財政を取り巻く状況は、厳しさを増しています。
国の税制改正大綱で、法人事業税などを一部国税化し、都から拠出する税財源を引き上げようとしています。
また、2020年東京大会での大幅な財政支出が都財政を圧迫することが予想されます。
都に山積する課題である少子・高齢化など福祉・育児、防災・インフラ整備など、都税制の根幹をなす税収確保は、私たち税務職場で働く職員の使命となっています。
今次、特殊勤務手当の交渉において、都側は税務事務特別手当を「一律的に支給されている手当」として検証対象としています。
税務手当は、国の税務職俸給表見合いを根拠とし、全職員に支給されていました。1997年度からの「抜本的見直し」で、現在は税目や徴収に従事している職員が従事した日にしか支給されておらず「一律的支給」の根拠は実態と異なります。
山積する都政課題・施策拡充の財源確保に努力
東京都の税務行政は、事業税部門では課税対象も多く、業種も多岐にわたります。また、毎年のように税制改正や通達変更が実施され、精確な課税・徴収業務を遂行するために、職員は日々研修や自己研鑽で努力しています。
外国人納税者の増加や、空き家問題、個人事業税でIT産業等事業認定業務の困難性増加、資産税部門の課税における精査・厳密性の確保、個人情報保護の徹底、納税者対応の向上等、これまで以上に業務の精密さが求められ、困難性が増しています。
ところが、都庁全体で五年連続増員がされている中で、主税局は毎年減員となっています。
2000年からの18年間で1270名の人員が削減され、1人当たりの事務量増による労働強化に加え、ベテラン職員の大量退職により、知識や経験の継承が困難な状況が続いています。
また、毎年のように税法や通達の改正もあり、1人当たりの事務量が増え、超過勤務が恒常化し、病気休職者も増えています。
一方で都税の徴収目標は、引き上げられ、職員の努力により過去最高を更新し続けています。
税務連合支部では、職場討議やアンケートを行い、厳しい職場実態を反映し、342名の増員要求が出されました。
これを受け、主税局に対し、職場組合員とともに、要請行動を行いました。
「見える化」改革による新たな業務委託に反対
主税局は、「税務行政」について、一昨年12月に開催された都政改革本部会議において、「見える化改革」について報告をしました。
その内容は、最小の経費で最大の効果を発揮するため、人的コストをいかに抑えるかという視点から「委託化の検討」について分析を行うとともに、都民(納税者)のニーズを把握し、「納税者からの意見・要望等の事業への反映」について分析を行ったとして、今後の改革の進め方について提起しています。
具体的な内容としては、所内総合窓口の設置、証明書(郵送分)の集約化、電話対応のコールセンター化、公権力を行使する業務についてICTを活用した業務の効率化・高度化あげています。
2018年は検証・実証実験、2019年は証明業務の集約化の実施、他は試行実施、検証結果踏まえ、順次実施となっています。
これまでも主税局は、事務処理の集中化及び業務委託、民間委託、23区都税事務所の事業税部門の集中化などを行ってきましたが、これまで検証や総括がされていません。
職員や職場実態を無視しては業務運営に支障をきたします。
私たちは実行ある協議を求めて対策委員会を設置し取り組みを進めています。主税局は、早急に検討結果を職場に明らかにして意見を求めるべきです。
税務連合支部は、最後まで要求実現に向け全力で取り組んでいきます。
現場の声を集約し実状を訴える
労働支部
東京都の公共職業訓練は、12カ所の職業能力開発センター・校、東京障害者職業能力開発校で実施されています。
センターには、機械系、電気系、建築系、化学・印刷系など、様々な訓練科目があり、ハローワークから紹介される離転職者や高校等の学卒者、障害者の方々など、たくさんの訓練生を受け入れています。
第2のセーフティーネットとして重要視
従来の若年者雇用やものづくりの技能継承といった側面だけでなく、「第2のセーフティーネット」のひとつである失業・福祉対策として、国の政策の中でも重視されています。
また、近年、様々な事情を抱えた訓練生の受け入れなど、訓練を取り巻く環境は大きく変わってきています。職業能力開発センターは、知識・技術を単に学ぶだけでなく、「人づくり」の場でもあり、社会人としての基本的な生活指導を含め、訓練生と全人格的に関わらなければならないこともあります。
また、教材の作成、訓練用機械のメンテナンス、就職支援、就職後のフォローまでも行っています。
このように、訓練にあたる職業訓練指導員の仕事は、深く多肢多様にわたっています。
支部一丸で職業訓練指導員手当の改悪許さず
ここ数年、ベテラン指導員が次々と再任用終了となる中、8年続けて指導員の新規採用が行われており、新しい仲間を迎え、現場も活気があります。
今回の特殊勤務手当の見直しに当たり、昨年9月に多摩職業能力開発センターにおいて現場調査が行われました。
現場調査にあたった都庁職役員の方々と都側の担当者の方々には、全ての訓練科目を見ていただき、訓練職場の実態について現場の職員が説明しました。
前回見直し提案がされたときには、年末に区部と多摩地区で現場調査が行われましたが、残念ながら、今回は多摩地区のみの調査となりました。
支部では、昨年10月に「職業訓練指導員手当学習会」を開催し、指導員手当の意義と今までの闘争経過を組合員全体で確認・共有するとともに、今闘争を勝ち抜くための意思統一を図りました。
また、指導員業務の現状を把握するためのアンケートを実施し、現在の職業訓練を取り巻く環境や指導の困難性等について、現場からの声を集約しました。
今後予定される当局との交渉の中で、この内容を活用し、現場の実情をさらに訴えていきます。
後に続く指導員のためにも、職業訓練指導員手当の改悪を許さず、労働支部は支部一丸となって闘い抜きます。
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