都庁職第1回本部委員会を開催
秋冬季闘争に向け当面の闘争方針等を決定
特殊勤務手当改善交渉を開始
2018年7月12日、都庁職は2018年度の第1回本部委員会を開催し、今年3月の都庁職定期大会以降の取組み等の経過を確認するとともに執行部が提案した当面の闘争方針、特殊勤務手当改善闘争に臨む都庁職の対応方針を決定しました。
開催にあたり、関根執行委員長が冒頭に挨拶を行い「西日本の豪雨で大きな被害があった。200人以上がお亡くなりになった。ご冥福をお祈りする。被災者の皆さんにお見舞いを申し上げる。東京都においても、職員派遣が行われ、義援金活動が始まった。組合員の皆さんに全面的に協力して頂くようお願いします。
この間、超勤縮減と36協定改定の交渉には「働き方改革」の動きに対応し、精力的に取組んできた。特に特例上限引下げは、各職場の実態に応じて上限設定を見直せることができることを確認している。
今年は、大幅な賃上げを勝ち取りたい。行(一)1・2級の給与の改悪を許さない闘い、定年延長の問題、会計年度任用職員制度の課題にも取組んでいる。都庁職の要求も練り上げて当局にぶつけていきたい。
この本部委員会では3月の大会以降の闘争について総括するとともに、賃金確定闘争、都庁職要求闘争、そして今年度の特殊勤務手当改善闘争などの課題について、今後の闘争等で本部・支部一体となった運動の前進を図っていきたい」として、要求実現に向けての本部委員会での旺盛な議論を呼びかけました。
都政リストラから
職場を守る闘いを
当面の闘争方針は、3月開催の第51回定期大会後の36協定改定・超勤縮減に向けた取組等や夏季一時金闘争での取組を踏まえ、現時点での到達点と運動の課題を確認し、具体的な運動の課題と進め方を確立し、本部・支部一体での運動の前進を提起しています。
当面の闘争方針では、国を巡る情勢として、森友・加計の疑惑で安倍政権による国政の私物化が益々明らかになったこと、働き方改革関連法案等の強行的な成立などを指摘しました。その上で、国民の権利、生命の安全と日常生活の安心等を守り、労働者の雇用と賃金をはじめとした労働条件の改善のため、あらゆる領域と課題で安倍政権と対決し、全力で闘うことが必要だとしました。
都政では、3月30日に「2020改革プラン」が発表されました。都政改革本部の掲げる「自律的改革」は、実質的には特別顧問の意向が色濃く反映され、各局は自らの「自律的改革」に責任を負わざるを得ない仕組みになっています。「都立病院新改革実行プラン2018」では、都立病院の経営形態について地方独立行政法人化も含めて検討とされ、都政リストラの方向性が示されました。都民サービス低下を許さず、都庁職の存亡をかけて、職場を守る闘いが求められます。
小池知事には、独断専行による都政運営を改め、現場で日々汗を流し都政を担う職員の意見に耳を傾け、真摯な議論と誠実な対応による民主的都政運営を実現させることを求めていく必要があります。
公務員労働者を巡る情勢では、国や人事院、都人事委員会の動向を注視し、早期に取組んでいくことが重要であるとしています。
また、会計年度任用職員制度に関わっては、地方公務員法の一部改正法が2020年4月1日に施行予定です。地方公務員の非常勤職員等の任用制度や賃金制度などの処遇改善は、改正法の内容やその施行を待っているだけでは解決しない課題であるとしています。
公務員の定年延長では2月16日の閣議決定で60歳以上の給与水準を一定程度引き下げること、「役職定年制」を導入することなどの方向性を決めています。東京都においては、昨年の確定闘争の確認に基づき、定年制延長について、都労連と都側が意見交換を行っています。
また、今後の人事院勧告と国の動きが、東京都の制度設計にも大きな影響を与えることが予想されることから予断を許さない状況です。
組合員の期待に応える
賃金改善闘争を
闘いの課題と進め方では、都労連統一闘争と都庁職の二つの闘いを整理し、取組みを提起しました。
都労連課題のうち、賃金確定闘争については既に都当局が行(一)1・2級の高位号給への問題意識を示していること、会計年度任用職員制度は今年度中に制度の大枠を確定させる認識を示していることを指摘しました。
今後、都人事委員会に対し、精確な民間賃金の反映と生活給の原則に立った勧告を求め、不当勧告を行わせないことが重要です。都労連各単組と共に、組合員の期待に応える賃金改善闘争に取組みます。
人事制度については、専門性を磨いた職員の正当な評価と処遇の改善のため、複線型人事制度の確立・拡充を求めていきます。
現業人事制度改善については、「1級のまま退職」が出ない制度を目指し、同時に不当な給与水準の回復を目指します。
高齢期雇用制度については、定年制延長については、労使の意見交換から速やかに労使交渉に移行して議論を進めることを求めています。また、定年制延長の議論を待つことなく、生活できる賃金水準を確保できるように労働条件の改善を求めていきます。
臨時・非常勤職員の処遇改善では、会計年度職員制度の大枠を確定させる取組みとともに、改正法の施行を待つことなく、非常勤職員に一時金相当額を付加報酬として支給することを要求していきます。賃金闘争の重要課題として実現を求めていきます。
都庁職課題では、福利厚生・労働環境改善要求の実現に取組みます。職員住宅では自治会と連携し、改善要望等を集約します。
障害者の雇用及び労働条件の改善に関する要求は、障害をもつ組合員懇談会実行委員会での議論とこの間の取組を踏まえて要求を集約し、要求書を提出します。
非常勤職員・臨時職員等の労働条件改善では、各職場・職種の専門性や困難性、職責等に対応した処遇改善の実現を求めていきます。
島しょ勤務職員の処遇改善では、島しょ組合員の要望や意見を集約し、当局に求めていきます。
「都庁働き方改革」に対する取組では、「柔軟で多様な働き方」について早急な検証を求めるとともに、十分な労使協議を求めます。また、実効性のある超勤規制、休暇制度等の改善なども、今後の交渉で実現を求めます。
超勤縮減・36協定改定に関する取り組みでは、超勤縮減については、当局と継続的に議論を行います。また、36協定改定では、特例上限時間の引き下げ等は法改正を踏まえて都側に協議を求めていきます。
予算・人員については、都側は、管理運営事項で交渉事項に該当しないとする姿勢を示しています。しかし、職員の勤務条件に密接に関連している事項として、副知事依命通達・局要求・知事査定公表の際に、都庁職は窓口で内容の説明を受ける対応を続けています。
支部・局関係では、これまで行ってきた取組を継続・発展させ、それぞれの職場の事業執行体制を確立する取組が重要です。都庁職は、各支部の取組が一層進むよう、各支部からヒアリングを行い、問題意識や情報を共有化することで、状況に応じ機動的に取り組める体制を構築します。
特殊勤務手当改善闘争に臨む都庁職の対応方針としては、都側が狙う手当の削減や廃止の提案を跳ね返し、労使交渉で手当の新設や手当改善を勝ち取る取組みを提起。職場実態に変化があるものは改善を求めること、労使合同の現場調査を行うことなどを都側と確認し、交渉していくことなどが提起されました。
経過報告と闘争方針などの
討議で6名から意見
経過報告と当面の闘争方針案等の討議において、6人の本部委員から働き方改革、超勤縮減・36協定、職員住宅改善、会計年度任用職員制度、臨時・非常勤職員の処遇改善、予算・人員、特殊勤務手当改善闘争、船舶職員の処遇改善などについて、質問と意見が出されました。
執行部からはこれらの質問と意見に対して回答するとともに、当面の闘争方針を補強する意見については、受け止めて今後の取組に活かしていく旨の答弁を行いました。定期大会以降の経過報告と当面の闘争方針は、本部委員会の全体の拍手で決定されました。
今後、都庁職は決定された方針に基づき、本部と支部が一体となって、今後の諸闘争と諸課題への取組みを行っていきます。
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